習慣HIROSE

映画・演劇のレビュー

『のだめカンタービレ 最終楽章 後編』

2010-04-08 22:43:33 | 映画
 前編を見ていないくせに先に後編を見てしまうなんて、なんとも無謀な見方をしてしまう。でも、それは仕方ないよ。前編を見るつもりはなかったし、TVだってあんなに人気だったのに、まるで見てない。(だいたい僕はTVドラマは見ない人だ。ことさらこのドラマに限らず)今回この映画を見た理由はただ試写会に誘われたから。それだけです。

 でも、けっこうこのバカ映画に乗れた。ここまでアホを平気でされたなら、あきれつつも笑って見てることは可能だ。上野樹里のバカずらがいい。天性のボケで、でも天才ピアニストという設定を納得させるだけのものがある。さすがTVだ。映画ではとても表現できない。バラエティーすれすれで成立している。とはいえ、これは一応映画だった。TVドラマの劇場版映画化といういつものパターンである。花の都、おフランスのパリを舞台にした大作である。出てくる主要キャストの外国人を日本人が演じている。言葉は当然全編日本語で、外国人も吹き替えで日本語をしゃべるので字幕はいらない。世界的に有名な指揮者を竹中直人が演じる。当然あのいつもの調子である。絶好調だ。一人シリアスな演技で、わざと異空間を作らされている玉木宏の深刻そうな顔がまた笑える。

 なのに、最後はなんだか感動させられるのだ。自分の限界を超えるようなパフォーマンスをしてしまった(竹中との共演で、一気に注目を集める)のだめが、そこから立ち直るまでが描かれる終盤がいい。バカ丸出しを意識的にこなすことで作り上げた世界観がこの奇跡の感動を呼ぶのだろう。つまらない映画であることは重々認めるが、それでも、2時間楽しく見れたのはよかった。こんなにもバカな映画なのだが、凄いスケールでヨーロッパくんだりまで行って大予算を組んでよく恥ずかしくもなく作れたものだ。その開き直りにも感動させられる。中途半端はよくないが、ここまでやればこれはこれで立派だ。

 
 

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 『歩行する季節』 | トップ | オリゴ党『ストリングス』 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。