「村上春樹インタビュー 1997年―2009年」とある。これは、この20年間に村上春樹が受けた数少ないインタビューの集大成である貴重な1冊だ。主に海外のメディアからのオファーを受けたものが掲載されてある。もしかしたらこれが彼が受けたインタビューのすべてなのかもしれない。国内が少ないのは、日本のメディアを軽視したからではない。大体彼は基本的にマスコミに露出することを好まないからインタビュー自体をは受けないそうだ。それでも20年間で数少ないインタビューからこれだけの分厚い本が出来る。海外でのプロモーションを展開していく上で、必要なことであり、それ以上に外国のメディアとの対話は本人にとって興味深いことだったのだろう。
とても真摯に、なおかつ楽しそうに自分の創作の秘密を語っている。へんな先入観もなく、海外のメディアは素直に接してくれることが、作家村上春樹ではなく、人間村上春樹にとってはおもしろかったのではないか。世界的に有名な小説家になった彼が、自分と自分の作品について赤裸々に語っている。でも、これはよくある暴露本のようなものとは全く違って、その時、その時の彼の素直な気持ちがわかりやすいことばで正直に綴られてある。
とても村上春樹らしい誠実さである。読みながら、まるで僕が直接村上さんから話を伺っているような気分になれる。どんな人にもわかりやすく書かれてあるところが彼の凄さだ。簡単なことばで複雑なことを軽々と描いていく。そう言う意味ではこのインタビューは彼の小説にも似ている。読みながらいろんなことを考えさせられた。
『風の歌を聴け』が出版されたときから、『1Q84』まで、全ての作品をリアルタイムで読んできた。それは僕にとって当然のことだった。これから先も同じであろう。僕たちは村上春樹と同じ時代を生きる幸福を享受している。
とても真摯に、なおかつ楽しそうに自分の創作の秘密を語っている。へんな先入観もなく、海外のメディアは素直に接してくれることが、作家村上春樹ではなく、人間村上春樹にとってはおもしろかったのではないか。世界的に有名な小説家になった彼が、自分と自分の作品について赤裸々に語っている。でも、これはよくある暴露本のようなものとは全く違って、その時、その時の彼の素直な気持ちがわかりやすいことばで正直に綴られてある。
とても村上春樹らしい誠実さである。読みながら、まるで僕が直接村上さんから話を伺っているような気分になれる。どんな人にもわかりやすく書かれてあるところが彼の凄さだ。簡単なことばで複雑なことを軽々と描いていく。そう言う意味ではこのインタビューは彼の小説にも似ている。読みながらいろんなことを考えさせられた。
『風の歌を聴け』が出版されたときから、『1Q84』まで、全ての作品をリアルタイムで読んできた。それは僕にとって当然のことだった。これから先も同じであろう。僕たちは村上春樹と同じ時代を生きる幸福を享受している。