なんだか、センスのないタイトルだ。これでは松坂慶子の『夜の診察室』みたいで、怪しい。もちろん、これはそんな小説ではないけど。でも、まるで内容を魅力的には表現していない。わからないではないけど、なんかこれでは単純すぎてつまらない。もちろん、小説が、ではなくてタイトルが、ではあるけど。
事故を目撃したショック(友人が目の前で車に撥ねられる)で言葉を失ってしまった少女が、「ひるま美容院」に預けられて、そこで過ごした日々を描く。第52回講談社児童文学賞受賞作品。でも、児童文学と呼ぶにはハードすぎる内容で、子供が読むにはかなりきついのではないか。こういう本を手に取る子供って、どんな子なのか、気になる。ふつうないよな、と思う。こういう痛みを共有するような子供が答えを求めてこの本を手にするなんていうシチュエーションも想像しがたい。
かといって、大人が読むには少し話が緩すぎて、幼い気がする。こんなにもつらい内容なのに、甘く優しい。読んでいると、癒される。閉ざされていた心が周囲の優しさによって少しずつ開かれていく。これをメルヘンだと割り切るわけのはいかない。まさかリアリズムと捉えるわけもない。なんだか、中途半端なのだ。
パトリス・ル・コントの『髪結いの亭主』のような映画なら、いいのだけど、この小説はそこまでスタイリッシュではないし、厳しくもない。かなりいい線いってるだけに惜しい。
事故を目撃したショック(友人が目の前で車に撥ねられる)で言葉を失ってしまった少女が、「ひるま美容院」に預けられて、そこで過ごした日々を描く。第52回講談社児童文学賞受賞作品。でも、児童文学と呼ぶにはハードすぎる内容で、子供が読むにはかなりきついのではないか。こういう本を手に取る子供って、どんな子なのか、気になる。ふつうないよな、と思う。こういう痛みを共有するような子供が答えを求めてこの本を手にするなんていうシチュエーションも想像しがたい。
かといって、大人が読むには少し話が緩すぎて、幼い気がする。こんなにもつらい内容なのに、甘く優しい。読んでいると、癒される。閉ざされていた心が周囲の優しさによって少しずつ開かれていく。これをメルヘンだと割り切るわけのはいかない。まさかリアリズムと捉えるわけもない。なんだか、中途半端なのだ。
パトリス・ル・コントの『髪結いの亭主』のような映画なら、いいのだけど、この小説はそこまでスタイリッシュではないし、厳しくもない。かなりいい線いってるだけに惜しい。