世界中を飛び回ったスケールの大きい映画だが、ちょっとがっかりな出来だった。あまりにも話が単純すぎてたった88分の上映時間なのに、途中から退屈してくるのだ。
空間をジャンプして、どこへでも行けるなんていう特殊な能力を身に付けてしまった男(『スターウォーズ』でダークサイドに落ちる主人公を演じたヘンデイ・クリステンセン)が、世界を股にかけて好き勝手してお気楽に生きる、なんていう話なのだが、ストーリ . . . 本文を読む
幾分観念的で硬い芝居だ。エンタテインメントはしていない。マッチ箱を模した象徴的な舞台美術は、シンプルで美しい。箱の部分がアクティングエリアとなり、背後にはマッチの棒があしらわれる。その棒の本数は気付くと、変化していたりもする。けっこう手が込んでいる。
ゼーダーマン氏(や乃えいじ)の屋敷を舞台に、そこにやって来た放火犯と思われる男(信平エステベス)とのやりとりが描かれる。追い払いたいのだが、上 . . . 本文を読む
1時間ほどの小さなお芝居だ。だが、このスケールはこの内容と見事に合う。適正な尺が芝居には必要だ。もちろん芝居だけではない。表現ならば、必ずそうであろう。間尺に合わない作品を見せられた時の居心地の悪さは何度も体験したことがある。ギリギリで成立している作品の心地よさがこの芝居にはある。
船戸香里によるひとり芝居。一切セリフはない。無言劇だ。彼女が仕事を終えてひとり暮らしのマンションに帰ってきて眠 . . . 本文を読む
「偉大な父を持つ男の孤独な闘い」という実に刺激的なキャッチコピーに心惹かれた。『ショーン・レノン対地底人』という明らかに高橋源一郎の『ジョン・レノン対火星人』へのオマージュとわかるタイトル。そして、60年代の東宝特撮映画を思わせるキッチュなデザインのフライヤー。土橋淳志さんのこの新作に期待を寄せない人はまず、いまい。みんなこの作品の完成を固唾を呑んで待っていた!
何をさしおいても、この芝居を . . . 本文を読む