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映画・演劇のレビュー

『小野寺の弟、小野寺の姉』

2014-11-13 21:14:40 | 映画
脚本家の西田征史が満を持しての監督デビュー。期待の新作だったが、あまりのTVサイズのお話にちょっとがっかり。映画である必然性がここにはない。BSプレミアムででも、放送したほうがいいのでは、というようなお話。2時間で見るよりも、1時間ずつにして、6話とか7話とかにして放送して欲しい。ちょうど家に帰ったらやっていた木皿泉の『昨日のカレー、明日のパン』と同じくらいの面白さ。それにしても、このドラマ楽しい . . . 本文を読む
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『まほろ駅前狂騒曲』

2014-11-11 22:41:50 | 映画
原作を読んだとき、こいつはおもしろい、と手を叩いた。絶対映画にしたら面白い、と思った。三浦しをんによる「まほろシリーズ」第3作である。前2作はオムニバス・スタイルだったが、今回は長編だ。そういう意味でもこれは映画向けの素材なのだ、と思った。だから、映画『まほろ駅前多田便利軒』のスタッフ、キャストが再結集して挑む、と聞いたとき、傑作の誕生に心ときめいた。 だが、僕が見た映画は、小説の残滓しか見当た . . . 本文を読む
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馳星周『復活祭』

2014-11-11 22:01:33 | その他
ここに描かれる世界には興味はないけど、こういうお話には心惹かれる。人間の愚かさや、執着の無意味さを描きながら、それでも執着する姿から目が離せない。お金というのがわかりやすい。彼らがそこまで執着するものは、莫大なお金を動かすという虚構のリアルだ。現ナマではない。5億が10億、100億へと、どんどん簡単に膨れ上がる。もちろん、それは自分たちが仕掛けた。 バブル時代を舞台にした『生誕祭』の10年後、再 . . . 本文を読む
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村山早紀『花咲家の休日』

2014-11-11 21:49:04 | その他
『ルリエール』の作家の新作。シリーズの第2作ということだが、前作『花咲家の人々』は読んでいない。というか、彼女の作品はこれが2作目。たまたま新刊(文庫オリジナル)として並んでいたから、手に取った。軽い本(内容も、重量も)を読みたかったから読んだ。 こういうファンタジーは実は苦手だ。前回『ルリエール』を読んだ時も、かなりつらいなぁ、と思った。でも、ギリギリでリアルの地平のお話としても読めたからOK . . . 本文を読む
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『100歳の華麗なる冒険』

2014-11-11 21:48:25 | 映画
こんなにも面白い映画はここしばらく見たことがない。ここではありえないことが、ふつうにどんどん起こる。観客である僕たちはただただそれを見つめるだけ。あんぐりと口をあけて、ありえねぇ、と呟く。115分間、100歳のこの老人の、嘘のような大冒険の世界に連れていかれる。ジェットコースターに乗ったような興奮。大胆不敵で意外性の連続技。人生は不思議な輝きに満ち溢れている。見る前は、まるで期待してなかっただけに . . . 本文を読む
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エイチエムピー・シアターカンパニー『アラビアの夜』

2014-11-11 21:47:36 | 演劇
昨年のリーディング公演を見て、この作品の面白さの虜になっただけに、今回の本公演をとても楽しみにしていた。しかも、上演は2プロによる競演である。1時間の作品を30分の休憩をはさんで連続上演する。なんとも大胆な公演形態だ。同じ台本で、キャストだけ入れ替えた作品を連続して見るなんてことの意味はどこにあるのか。見る前はそこが少し心配だった。 だが、実はそれこそが今回の作品のねらいでもあるのだ。同時上演さ . . . 本文を読む
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Pカンパニー『沈黙』

2014-11-11 21:46:42 | 演劇
石原燃の新作書き下ろし戯曲。Pカンパニーとしてはこの作品をシリーズ第1弾として、この後も「シリーズ罪と罰」として様々な作品を展開していくようだ。重い問題を真正面から取り上げて、さまざまな局面からアプローチをかける。その姿勢はすばらしい。 東京の劇団による大阪公演というのは珍しいことではないけど、こういう真面目な作品を見ると、それだけでなんだか姿勢を正さなくてはならない、という気分になる。そこで襟 . . . 本文を読む
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『近キョリ恋愛』

2014-11-06 20:52:42 | 映画
『クローバー』を見て、ちょっと頭がおかしくなったので、その壊れたままの頭で、この映画まで見てしまった。(時間が直結していたから、終了後5分連絡で見ることができた) ありえねぇ。先に見ていた山下智久ファンの妻が「これは、ない」とあきれていたのだから、さすがに見るつもりはなかったのだが、たまたまこんなふうに時間が合うから、これは僕に「見ろ!」という神様のお告げだと思い、ついつい怖いもの見たさで、見た . . . 本文を読む
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『クローバー』

2014-11-06 20:51:55 | 映画
 何に驚いたかと言って、もう衝撃的だったのは、劇場に僕以外男性がいない、という事実だ。100人程の中、たった1人。レディース・デーなんかに行ったからかもしれないけど、それにしてもこの圧倒的なアウェーの雰囲気には恐れをなした。これをラブストーリー、とでも勘違いして見に来たようなアベックですら一組もいない。すべて、女友だち同士の集団か、女の人がひとり。  恥ずかしいからあまりしげしげとは見なかったけ . . . 本文を読む
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大阪女学院高『醜いビー玉』

2014-11-06 20:51:00 | 演劇
この作品を見たときの衝撃は半端じゃない。置き去りにされた。そんな気分にさせられた。主人公に突き放された。「あなたたちにはわたしのことは到底理解できない、」と。それは心地よい驚きでもある。大人だから、なんでもわかる、わけではない、という当たり前の事実をどうして高校演劇の芝居の中では起こり得ないだなんて高を括ることができるのか。 恐るべき子供たち。 作、演出、助演を兼ねる海老原百華さんが、今回のF地 . . . 本文を読む
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劇団浮狼舎 番外公演 『たとえば堕ちる小鳥のように』

2014-11-06 20:45:30 | 演劇
関西の小劇場で、神原さんのようにずっと精力的に活動をされている人はいないのではないか。次から次へと新作を書いて、上演していく。しかも、自分のカンパニーだけでも3つ(神原組、ハレンチキャラメル、浮狼舎)も持ち、それ以外も含めて(継続的に福井県でもされている)さまざまな公演をこなしていく。 夏のハレンチキャラメルに続いての本公演である。番外公演と銘打つのは彼女の美意識だろう。浮狼舎としての本公演は、 . . . 本文を読む
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大阪高校演劇コンクールF地区大会  再び

2014-11-06 20:44:21 | 演劇
厳密に言うと「第64回大阪府高等学校演劇研究大会」ということになるようなのだが、なんか「研究大会」という言い回しは苦手だ。2日間で8作品を見せてもらった。 いずれも、興味深い作品ばかりで、出来ることなら1作品ごとに詳細に書かせてもらいたいくらいだ。だが、時間もスタミナもないし、すでに、講評会で、しゃべらせてもらった。(まぁ、審査員3人で1作品5分という限られた時間だったけど)ここでは、全体につい . . . 本文を読む
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『イコライザー』

2014-11-03 21:43:46 | 映画
『トレーニング デイ』のアントワン・フークア監督が、再びデンゼルワシントンとタッグを組んだ最新作。CGばかりの派手なアクション映画には辟易していたので、ちゃんとしたアクション映画が見たかった。それだけにこの映画には期待した。そして、その期待を裏切らない作品だ。2時間12分があっという間だった。 派手なだけでまるで中身のない銃撃戦とか爆破シーンを満載した作品とは違って、これは渋くて、カッコいい。も . . . 本文を読む
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『アバウト・タイム 〜愛おしい時間について〜』

2014-11-03 21:03:26 | 映画
これはなんてストレートな映画だろう。このタイトルそのままの作品だ。タイムトラベルを扱うけど、SFではない。ただのラブストーリーだ。というか、「ただのラブストーリー」って、なんだ?  思わず、そう言いたくなるほどに、これは何よりもまず、愛の物語だったのだ。そのことに驚く。誰かを好きになる。なんとかして彼女を自分のものにしたい。そのためには、なんでもする。と、こう書けばなんだかこれはストーカーの話み . . . 本文を読む
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大阪府高校演劇コンクールF地区予選

2014-11-03 20:05:11 | 演劇
 私事はここには書かない主義なのだが、今回はそこからしか、始められない。昨日、今日(11月、2,3日)の2日間、大阪府高校演劇コンクールの地区大会審査員をするために仕事を休んだ。大事な大阪府公立高校大会の予選の前日と当日なのに、生徒をほったらかしにして、芝居を見ていたのだ。(もちろん他の先生に練習や試合の付き添いはお願いしたけど)  そのせいで6年連続大阪府第3位以上をキープしてきたチームがなん . . . 本文を読む
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