小津作品連作シリーズ(まぁ、勝手に僕が言ってるのだが)最新作であり、とりあえず当座の最終作品として、この作品を選んだ。18作品を購入したのだが、さすがに少し疲れた。戦前戦中の無声映画は、さすがにツライ。先日見た『東京の女』なんて、いらいらした。
そこで、日和って、今回はこれにした。小津の傑作群と同じ傾向の作品で、なおかつ僕がまだ見ていないものって、これだけなのだ。田中絹代、高峰秀子主演というの . . . 本文を読む
最新作の公開を期して、劇場版前2作を連続でTV放映していた。時間があったので見たのだが、1作目は30分で撃沈した。あまりにつまらなくて、見る気にならなかったのだ。それに、CMが入るTV映画(というか、TVで放送される「映画」なのだが)を久々に見たのだが、これはしんどい。いらいらする。昔はこういう環境ででも、有り難がってTVにかじりついていたのに、今の人たちは(もちろん僕も含めてだが)ほんとうに贅 . . . 本文を読む
『キック・アス』のマシュー・ヴォーン監督最新作は、より過激で華麗なスパイアクションだ。ばかばかしく、でも、結構シリアスな展開。コメディではなく、昔の007よりは、まじめで、今の007よりは軽い。(もちろん、ここでいう007とは、ショーンおじさんのではなく、前者はロジャー・ムーアで、後者はダニエル・グレイグ)
悪役はとことん、悪くて、笑える。サミュエル・J・ジャクソンは凄いわ。あの人は手を抜くの . . . 本文を読む
この夏台湾に行った時、現地ではこの映画の宣伝がもう始まっていた。8月の終わり公開だったので、見ることは叶わなかったのだが、なんと、もう日本公開である。日台ほぼ同時公開なんて、台湾映画では(アジア映画全般においても)あり得ない異例のスピードである。それくらいに、日本ではホウ・シャオシェン(侯孝賢と書く方がピンとくるのだが)監督は期待されている、ということなのか。(そんな気はしないけど)
公開2日 . . . 本文を読む
7年ぶりの新作である。というか、『有頂天家族』が帰ってくるとは思いもしなかった。まるで期待しないところに、どどんと登場して、しかも、「これは3部作なのだ!」と、どかんとかまされて、もうキツネにつままれた気分。(というか、狸にばかされた、のほうがいいかぁ)冗談しかない森見ワールドなので、もうなんでもありなのだが、この500ページに及ぶ分厚い本を手にした時、どうせただのほら話だけど、付き合うかぁ、と思 . . . 本文を読む
シリーズ第4作であり、現在までのところ、これが最新作となる。4部作で完結というのは、ある種のパターンなのだが、今回再びこの作品を見て、これは明らかにまとめに入って失敗した作品なのだな、と理解した。戒田さんがこれを書いたとき、どういう心境だったのかは、推測するしかないのだが、作品から受ける印象は、ある種のマンネリ。だが、果たしてそうなのか?
少し違うかも、と思った。4作品の中で、これが一番あっさ . . . 本文を読む
原田眞人がこの題材に挑む。もうそれだけでこの夏一番見たい映画だった。出来ることなら作者の意図通り8月15日に見るべきだったのだが、そうはいかず、今頃、見ることになった。この映画と連動して(というわけではないけど)NHKのBSで岡本喜八監督による『日本のいちばん長い日』を放送していた。あの映画は昔見たけど、あまり感心しなかった。いつもの喜八監督らしさが感じられない映画で、暑苦しくて、好きじゃない。 . . . 本文を読む
この分厚い小説を読み終えて残る疲労感は、『日本のいちばん長い日』を見終えた時の気分と近い。とりあえずは、よかったな、と思うけど、これで終わったわけでないし、ハッピーエンドだなんて、誰も思わない。たくさんの人たちの思惑が交錯する。この街(敢えて「この国」と言ってもよい)をよくしたいと、誰もが思うのだろうが、思ったようには事は運ばない。
ターミナルとなるはずだった場所。だが、今では見棄てられた場所 . . . 本文を読む
「喜八もの」の最終章。今までも何本か小津の戦前のサイレント映画は見たけど、正直言うと、僕にはあまり面白いとは思えなかった。今回も怖々見始めたのだが、ダメだった。決してつまらないわけではないけど、わざわざ今見る意味は感じない。これを見た後では、今回のDVDボックスに収録されたほかの作品にも、期待できない。『浮草物語』も途中で止めてしまったし。
貧しさをこういう形で見せられることには確かに驚きはあ . . . 本文を読む
こんなタイプのお芝居を高橋恵さんが書くなんて、思いもしなかった。これもまた、『ピース・オブ・ケイク』と同じで等身大の女の子(たち)のお話。20代後半からスタートして数年間のお話。80分のお芝居は同じ場所での、同じ3人の3つの時間が描かれる。あまりにさりげなく、たわいもなく流れて行く時間。でも、それぞれがそれぞれ、悩みながら、生きている。
3人は中学の頃からの友だちだ。高校は別々のところに行った . . . 本文を読む
この春『仮面ライダー3号』を見て、期待したほどではないけど、でも、ほんの少し感心した。1号2号の後、ショッカーは幻の3号ライダー(Vスリーではなく)を作っていたというライダー世界の歴史を覆すような、あっと驚く設定で結構本格的長編に作ろうとしていたのだ。3号ライダーを及川光博が演じたのも渋い。
ルーティーンワークのなかでも、新しい可能性を期待させるような実験をしているのだな、と思えた。そう言えば . . . 本文を読む
25歳女子の日常をただ淡々と描く映画。今までこういうのって、ありそうでなかった。一応は恋愛映画なのだが、まるで夢見心地ではない。それどころか、なんだか悲惨。オトコ運が悪い女。でも、すぐにまた誰かを好きになってしまい、また悲惨なことになる。懲りない自分にうんざりしている。だから、もう恋愛体質からはおさらばして、自分本位に生き方をしようと思う。だけど、気がつけばまた、同じことをしている。そんなイタイ . . . 本文を読む
近鉄アート館でのスクエアは、なんだかいつもと少し違う。上田さん自身がパンフでそう書いているのだから、間違いない。いつものスクエアとは少し違って、ちょっとしたファンタジーで、それがとてもいい。この空間にぴったりなのだ。広い舞台を縦横に使って、ちょっとした夢の世界を遊ぶ。でも、そこはそこ。スクエア流のファンタジーである。結構せこい。というか、壮大ではない、ということだ。これはあるラジオ番組をめぐる小さ . . . 本文を読む
なんとシリーズ第10弾となる。毎年1冊で10年も続いているのだ。(スピンオフが2冊あるけど)毎回毎回同じようなお話で、1年の春夏秋冬の4章仕立て。同じパターンでの構成。
でも、そんな中で、家族や親戚、友人の類がどんどん増殖し、もう収拾がつかないくらいになっている。でも、毎回律儀にもそんな大家族のひとりひとりをちゃんと紹介して、彼らの毎日をフォローしてくれる。
特別なことなんか何も起こらなくて . . . 本文を読む
台湾で小津安二郎のDVD全集を購入。17作品を収録した優れもの。『東京物語』は『麦秋』『晩春』といった最高傑作ももちろんあるのだが、今まで、見ていなかった地味な作品も多数あるのがいい。17作のうち10作品も未見の作品があった。
有名な作品なのに、見ていないものも多数ある。今回初めて『戸田家の兄妹』『長屋紳士録』を見た。まだまだ、続く。毎日1本ずつ見ても10日間も楽しめる。しかも、見ている7作品 . . . 本文を読む