ザ・クアトロ

クアトロの父のたわごと

21世紀のおじさん

2008年08月28日 | パスタの話

S 20世紀の少年がクアトロに来て、「トウモロコシのスパゲッティ」はいかがと聞かれてもとくに興味を示さないだろう。20世紀に少年だった現在のおじさんたちにはトウモロコシは特別な食べ物ではない。少年時代に「僕は大人になったら、思う存分レストランでトウモロコシを食べるのだ」などと予言の書も残さない。
しかし、クアトロのトウモロコシのスパゲッティにはいわくがある。ただのトウモロコシではなく、日本一美味しいと思われる片品村産のものなのだ。高地で作られるため夏の終わりにやっと出荷される。クアトロはその美味しいピークに一度だけ取り寄せるのだ。そのトウモロコシの甘みと旨みとしゃきしゃき感は実に素晴らしい。その味わいを生かすためにペペロンチーニでシンプルに仕上げたスパゲッティである。そこまでの解説を受けると、20世紀の少年の心も動くというものだ。
ついに注文をして、そのパスタを食すと、20世紀の少年はその美味しさに感動を覚えるであろう。そして、20世紀の少年は新たな予言の書を書き込むのだ。
「自分はまた来年、クアトロのトウモロコシのペペロンチーニを食べに来るであろう」と、

コメント (1)
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