昨日クアトロのシェフは、パルミジャーノの粉をテフロンのフライパンで焼いてパルミジャーノのお煎餅を作り、菜の花に巻いて前菜の一品として出していた。
料理に色々と便利なパルミジャーノはパルマとレッチーノで作られると昨日のブログに書いたが、その地区以外のポー河付近で作られる同様のチーズはグラナパターノと呼ばれる。製造の規制も緩やかになるが味わいとしてはパルミジャーノと遜色はなく価格は安い。
ロンバルディア地方ポー河周辺は他にも美味しいチーズが多い。ゴルゴンゾーラやクアトロのティラミスを作るマスカルポーネもある。
それと、タレッジョも有名だ。イタリアでは珍しいウォッシュ・タイプのチーズ。表面を塩水で洗いながら熟成させる作り方だ。表面の皮の部分は臭いのだが、中身はとてもクリーミーなチーズになる。タレッジョはウォッシュの中でも内側のチーズはかまぼこのようにプリンプリンしており、フランスのウォッシュのように室温で溶け出すほど柔らかくはない。味わいはほのかにクリーミーなチーズ。工場製のものは、ゴルゴンゾーラと同じ工場で作られるようだ。原料は同じで作り方が異なるだけかもしれない。ゴルゴンゾーラのドルチェとは味わいが似ているかもしれない。
クアトロでも先週、テーブル・チーズで提供したが、お客様にはまずまず好評をいただいた。イタリアのチーズはフランスのものに比べ素朴なものが多い。タレッジョもそのひとつだと思う。ミルクの味を感じられるイタリア・チーズも色々とクアトロは準備しております。お試しあれ。
(画像は、高崎のチーズ屋さんモンテドラーゴさんのものを拝借)
※本日のチーズ
ブリヤ・サヴァラン・アフィネ、ゴルゴンゾーラ・ピカンテ、モンドール、シェブロ、エディバ・ダルバージュ、ミモレット・アフィネ
※クアトロからのお知らせ
2月23日(金)午後6時より、貸切のため一般の営業を休ませていただきます。ご了承の程お願いいたします。
パルミジャーノ・レジアーノのクアトロの入口にハーフ・カットのものが置かれ、その中でパスタを和えるメニューが看板メニューのひとつだ。パルミジャーノのペンネとパルミジャーノのリゾットというメニューになる。
しかし、それだけでなくクアトロの色々な料理に活躍するパルミジャーノ。イタリアの味の素といったところだ。
さて、そのパルミジャーノだが、イタリアの法律でパルマとレッチーノの決められた地域で決められた作り方をしないと、その名前を名乗れない法律を作られたのは、1955年。チーズの回りに刻印をして、その品質を保証する。生産量も調整され、作りすぎたものは出荷調整する。出荷できない業者は資金繰りにこまるので銀行が預かる制度が出来たようだ。パルミジャーノを銀行へもっていくとお金を貸してくれるという話はこういったところからくるのだろう。
品質維持のためにも、色々なルールを作っており、フランスのワイン法と同じシステムだ。少々価格の高いチーズだが、納得出来るものだと思う。クアトロでのパルミジャーノの消費はとても多い。クアトロの味を支えてくれている。
今日のおすすめはウニ。馬糞ウニの入荷です。クリームソースで合え、ちょっぴりショウユを使ってパスタにします。贅沢な逸品です。
ウニは海胆と書いたり海栗と書いたりします。ちなみに加工したものは雲丹と書くようです。海の栗と書いたものが当を得ている気がします。栗と同じように棘の中に美味しいものを隠していることを知っていたのでしょう。英語では、海のハリネズミとか。食べられるものとは思っていなかったと思う名前です。
ウニは海草を餌にして育ちます。やはり、北海道などのコンブが美味しいところで育ったウニが美味しいようです。殻を剥いてすぐ食べるのが美味しいとのことですが、そうもいきません。そこで、型くずれ防止と保存の目的でミョウバンが使われる。このミョウバンの使い方が加工業者の腕の見せ所。へたな業者のものは、ミョウバンが効きすぎて臭かったり苦かったりする。こういったものは安いウニに多く、それを食べてウニが嫌いになる人も多い。
ウニの箱には、業者の名前が書いてあるが、この張り紙の色にちょっとした秘密がある。色によって等級を表している。表だって何級とは書かないので、ランクの低いウニを使ってもお鮨屋さんはお客さんに知られずに済む工夫だ。紫のラベルは最上級。
さて、今日入荷のクアトロの馬糞ウニは紫のラベル。パスタにしちゃって良いのだろうか。
チョコレートに飽きた方に、ピリッと辛口のチーズはいかがですか。
クアトロのお客様はブルーチーズの好きな方が多い。世界三大チーズと云われるフランスの「ロックフォール」、イギリスの「スティルトン」、イタリアの「ゴルゴンゾーラ」がある。今回は、テーブル・チーズ用にゴルゴンゾーラ・ピカンテを用意してみた。ゴルゴンゾーラはクリーミーなドルチェと青カビが多く辛口のピカンテがある。やはり、ワインと楽しむにはピカンテが旨い。レストランなどで、ゴルゴンゾーラを見つけたら「それは、ドルチェですかピカンテですか」などと問いかけてみると、「うむ、おぬしやるな」と思われるかもしれません。
ゴルゴンゾーラとは、ミラノ近郊のゴルゴンゾーラ村から名前が付けられたという。実際に作られているのはさらに北の高地、ピエモンテ州とロンバルディア州にまたぐ地域で作られている。青カビの入り方がまさに大理石のようできれいなチーズだ。そのまま食べても美味しいが、ピッツァやパスタにと料理にしてもとても美味しい。
ピエモンテの名産、やや甘口のワイン、モスカート・ダスティなどと楽しむのはおつなものだ。
水曜は定休日ということでバレンタインにクアトロはお休みさせていただきました。
せっかくのバレンタインのお休みを有意義にとばかりに、とっておきのワインを今日は飲みました。「カロン・セギュール1995」です。
昼に街を歩いていると、酒屋さんにバレンタイン用ワインが並んでいました。その目玉はやはりカロン・セギュール。しかし、2004を7千円超えで売っていました。きっと、これを飲んでも美味しくないだろうと思いました。ラベルにハートが付いていれば良いというものでもありません。
クアトロの父も記念日ごとにハートのラベルにことつけて、このカロン・セギュールをレストランで注文したりしましたが、当たりはずれの多い銘柄だと思っています。
カベルネ・ソーヴィニヨンは、飲み頃を外すとがっかりさせられます。やはり2004は若すぎる気がします。ハートのラベルに釣られて飲んだ若いカップルががっかりしなければ良いといらない心配をしております。きっと若いカップルならば、こなれていない渋さも甘いハートで中和するのかもしれません。年寄りの冷や水というものでしょう。
さすがに今日飲んだ1995は飲み頃になっていて、カベルネならではの奥深い味わいが楽しめました。クアトロのママはまあまあだなどと、ふざけたことを云っております。
結婚記念日とバレンタインと17日のママの誕生日をこの一本で済ませようというもくろみのクアトロの父なのですが、このワインで感激させないと、誕生日にまたなにか一本必要になってしまいます。