湯・つれづれ雑記録(旧20世紀ウラ・クラシック!)

※旧ブログの一部コラム・記事、全画像は移植していません。こちらのコンテンツとして残します。

☆ラフマニノフ:交響曲第2番

2017年01月07日 | ラフマニノフ
○スヴェトラーノフ指揮フィルハーモニア管弦楽団(ica)1993/3/15live・CD

スヴェトラーノフ円熟期の十八番で終楽章後半の盛り上がりに熱狂的なブラボーも定番といっていいだろう。一楽章など内声がごちゃっとしてしまったりオケに弱みが感じられるがスヴェトラーノフの演奏らしいアバウトさで乗り切っている。このころからやけに透明感ある響きを志向していたように感じるがこれはオケが元々そうであるがため良さそうなものの、やや無個性で重みがないのは気になった。何と言っても聴かせどころは三楽章であり、止揚するテンポにはスヴェトラーノフの真骨頂たる歌心が感じられる。尊敬していたというバンスタ(アンコールはキャンディード序曲)とは違った粘着力を持つ音楽は一聴の価値あり。
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☆ラフマニノフ:交響曲第2番

2016年12月13日 | ラフマニノフ
○スタインバーグ指揮ピッツバーグ交響楽団(CAPITOL)

カット版だが大変に立派な演奏である。がっしりしたフォルムを保ち決して細かくは揺らさず、やや引いたテンポのうえにひたすら雄渾な筆致でロマンを描きあげてゆく。その名演ぶりの大半はピッツバーグの分厚い弦セクの力によるものだろう。決して技巧にすぐれた弦のオケではないのに、しかしここではリズミカルなアンサンブルの非常にしっかり構じられた演奏を繰り広げ、非常に憧れのこもった音でハリウッド映画音楽的な音色をきらめかせながら、しかしスタインバーグの要求する強く男らしい表現の中にそのロマン性を押し込めることにより、純音楽的表現と内面的感情の素晴らしくバランスのとれた格調の高い歌がつづられてゆく。ゆめゆめ演歌などと思わせない。よくあるロシアふうのお祭り騒ぎも嘆き節もなく、テンポ設定は巨視的にしかいじられず、1楽章では遅く客観的と感じたり終楽章では逆に即物主義的と感じるほど単純なアッチェルをかけ続けたり、そこがちょっと気になったので◎にはしなかったのだが、これらがあるからこそ個性的な演奏たりえているとも言える。ホーレンシュタインのやり方に似ていてもあの明らかに音色を犠牲にしてまで整えるドイツ式の表現手法とは違う、ロマンティックな音、アーティキュレーション付けを多用はしないが効果的に使って色めいた伽藍を打ち立てている。素晴らしい。○。決して巧いオケではないのだが、それでも素晴らしい。
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☆ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第2番

2016年10月22日 | ラフマニノフ

○シャーンドル(P)ロジンスキ指揮NYP(columbia)LP

世紀のバルトーク弾きシャーンドル若き日の猛烈な演奏スタイルがここにも伺える。序奏などさっさと飛ばしてひたすら機械的な音を連打しまくる超スピードのラフマニノフ。ロジンスキが絡むとたいてい録音は悪くなり、タッチの細部は殆ど聞こえないがしかし、多分ほとんど弾けている(余りのスピードアップに自身が3楽章耐え切れなくなったような箇所もあるが)。音色にはこれっぽちも魅力はないし(ニュアンスはかなりできているのだがアメリカのスタインウェイの音がそのまんまする感じがいささかドライにすぎる)ロマン派属性の強い人には耐え切れない演奏かもしれない。しかし2楽章を聴いてみるとこれが、初演したバルトークの3番の2楽章のように仄かな感傷性を明るくクリアに解き放っていて、新世代の演奏であることすら思わせる。もちろん若い。若い演奏ぶりで深みは無い。しかしソリストと乖離もいとわないギリギリでうねるロジンスキ(というかNYPの弦)とのかみ合わない中にも面白みを感じることはできる。とにかくこんなに猛烈な演奏はない。1楽章の序奏をどう重々しく持っていくか考えている人、こんな軽くさっさと弾き飛ばして主部に突入するというやり方もあります。非難はあるかもしれないが。たぶん無印にする人もいるとは思うが個人的に○。いや、スポーツなのです。
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☆ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第2番

2016年09月15日 | ラフマニノフ
○作曲家(P)ストコフスキ指揮フィラデルフィア管弦楽団(RCA,victor,sony)1929/4/10,13(1楽章のみ、全曲版とは違う電気録音)、1924/1/2,3,12/22・CD

紙ジャケ廉価再発のRCA録音全集ボックス(2005)に収録された、全曲版とは別のテイクの寄せ集め。1楽章は電気録音だがアコースティック録音の2、3楽章とは音の違う、なかなか重厚な聞き応えのもので、かつ瑕疵は否めないがスケールの大きな落ち着いた演奏になっている。ラフマニノフはけして現代的な腕のある人ではなく、指もすらすら廻るわけではないが、テンポをやや落とし少し気まぐれな揺らぎをもってそれほど違和感なく弾き切っている。オケは正直時代なりのものでしかなく編成の薄さが露骨だがストコの引き締めと特有の色彩感は感じられる。演奏的に劣るのは二、三楽章でオケは耳辛い場面が多く(録音上仕方ないところもある)ピアノのミスもなまじ録音機器に近いがゆえに目立つ。確かに2楽章のてんめんとしたリリシズムはオケはともかくラフマニノフの垢抜けた響きをもって、臭くならずに美しく伝わるし、3楽章のやや走るものの直線的なテンポとリズムは魅力的だ。時代らしからぬストコならびにオケのメカニックな動きが光る。ただまあ、やっぱり、全曲録音にくらべ落ちると言わざるをえまい。面白みはある、その点で○。しかし、安くなったなー。
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☆ラフマニノフ:交響曲第2番

2016年09月02日 | ラフマニノフ
○イワーノフ指揮モスクワ放送交響楽団(MELODIYA)LP

3楽章の感傷的な旋律がドラマで取り上げられ一時期よく聞かれていたが、寧ろドラマティックで構造的な両端楽章が聴きモノの交響曲。ステレオで良好録音。クーセヴィツキーを彷彿とさせる雄渾な演奏振りでヤワな演歌に流れない。ソヴィエトではベートーヴェン指揮者と言われていたというのがよくわかる。最後まで一貫してラフマニノフに対する態度を明確にしたとても輪郭のはっきりした首尾一貫性はガウクみたいな流れ方もスヴェトラ晩年みたいな横長の演奏にもいかずに、いつでも聴いて納得できる形でまとまっている。おすすめ。イワーノフはVISTA VERAのmelodiya復刻シリーズからチャイ5と1812年(後者はシチェドリンによるロシア国歌差し替え版)のカップリングCDが2008年7月発売された。高いけど。
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ラフマニノフ:ヴォカリーズのメロディ(編)

2013年07月22日 | ラフマニノフ
◯ジェラール・プーレ(Vn)リグット(P) (SAPHIR)live
・CD

クライスラーとは懇意だったラフマニノフのヴォカリーズをアンコールのラストに持ってきたわけだが、クライスラーによる編曲版でもないらしい。中低音域の深い響きは荒さも無くはないがソリストの別の面を見せてくれる。
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ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第2番

2012年11月21日 | ラフマニノフ
○アンダ(P)ロスバウト指揮バーデンバーデン南西ドイツ放送交響楽団(HANSSLER)1953/5/3・CD

軽い。この曲は難曲のふりをしながら弾き熟せる人は簡単に弾き熟せてしまう印象がある。ソリストの器質的なものもあるだろう。ロスバウトは一部中欧らしい底から響く粘りを聴かせるもののだいたいにして正攻法の歪みのないサポートにてっし、その上でアンダはとくに技巧派ぶることも思わせぶりなロマンチシズムを盛り込むこともなく、かといってけしてそつなくは「無い」演奏を提示する。いや、なんだか少し雑味すらあるのだが、響きの透明感は紛れも無くこの人のもの。軽い、とは書いたがちゃんと全ての音は出ている、そのうえで軽く感じる。○。
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ラフマニノフ:交響曲第1番

2011年11月29日 | ラフマニノフ
○スヴェトラーノフ指揮ソヴィエト国立交響楽団(LANNE:CD-R)1987/11/15ウィーンlive

いいかげんこのlanneの「勝手にスヴェトラエディション」にあるようなエアチェック録音をまとめて掘り出して正規CD化してほしいと思うのだが。これは死蔵するには惜しい名演である。ノイズがなければ◎にしていたところだ。ラフマニノフには造詣深い指揮者が、2番に通じる特有の移調転調、コード進行、スケルツォ的場面でのオリエンタルなリズム~それらはとても素晴らしい演奏効果をあたえるのだが、旋律が弱いこの作品では余り伝わらないことが多い~それらを分厚いオケを通して非常に判り易く浮き彫りにしてゆき、控えめながらもブラヴォが飛ぶ出来となっている。
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ラフマニノフ:交響曲第3番

2009年03月26日 | ラフマニノフ
○スヴェトラーノフ指揮ソヴィエト国立交響楽団(lanne:CD-R)1968/12/30live

録音はノイズの気になる古びたステレオ。演奏は晩年のあの落ち着いた薄いスタイルではなく、いわゆるドガジャーン・突進系。この頃が十分な練習を積んだいいオケさえ使えば一番上手くかっこよかったと言える。やはりイワーノフとは違う、スヴェトラと聞いてああやっぱり、というものは持っており、それは録音でもホールでもなく音作りそのものなのだと思った。分厚い旋律の歌わせ方も素晴らしい。最晩年を除きこの個性は一貫していたのだ・・・ラフマニノフのような個人的に思い入れの強い作品に対してだけだろうが。

しかしまあ、やっぱりブカブカ吹かせてジャーンと底から響かせる大言壮語が嫌いな人には向かない。この曲は小粒でこのくらいやらないと面白くないのだが、終楽章第二主題後の繰言のような長々しさはさすがにこのスタイルでは鬱陶しい。ラフ3はやはりロシアの指揮者だ、と思わせるザンデルリンクを凌駕するほどの強固な演奏であるが、作曲家の演奏記録とくらべるとやはりちょっとやりすぎ、作曲家スヴェトラーノフのかなり入ったものであるのかもしれない。併録は何せスヴェトラーノフ自作自演。○。録音がよければもっと、という高レベル。盤質注意。
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ラフマニノフ:交響曲第2番

2009年01月14日 | ラフマニノフ
コンドラシン指揮ACO(RCO)1980/8/18live・CD

もしこの録音を目当てにRCO80年代ライヴ・ボックス(5巻)を買おうと思っているかたで、既に000classicsの裏青(29日プロムスライヴ)を持っているかたがいらっしゃったら、買う必要は無いと断言する。10年前だったら私も非常に後悔していたろう。正規録音から起こしたものではない云々但し書きがある以上文句は言えないのだが、録音状態が悪いのだ。ステレオだが遠く昔のFMエアチェックのような音で、音場がぼやけていて聴きづらい。この曲は内声で絡み合うトリッキーな弦楽アンサンブルが要になる部分が多い。しかしこれは、別録にくらべ強弱が大きくついているように感じるものの、その弱音部が聴こえないのだ。終楽章でブラスの下で短いフレーズの掛け合いをする箇所など、コンドラシンならではの手を抜かない厳しさが売りであるはずが・・・肝心なそこが聴こえないのである。上澄みの旋律だけ聴いていたらあほみたいな曲である。これが作曲家ラフマニノフそのものの魅力と言っていい構造的書法なのに。いくら別録にくらべメロウで上品で起伏の大きいロマンティックなふりが伺え、全体の響きもスケールアップしているように感じられるとしても、単純に曲を堪能しきれないのではしょうがない。こういうのはいくら新しくてもSP録音よりも悪いと言える。だいたいコンドラシンに上品さは必要ないし、デジタルな変化のインパクトこそコンドラシンだ。レンジが広すぎるのも「らしくない」。そして何よりソロミスの多さ、バラケの多さも気になる。終楽章が特に問題。集中力が落ち精彩に欠ける。別録が突進の末に一斉ブラヴォで終わるのにくらべ、一歩置いて普通の拍手で終わるも道理である。

解釈は基本的に同じ。特有の無茶なカットも同じ。驚くことに演奏時間もほぼ同じ。でも、これは資料的価値しか認められない。
Comments (6)
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ラフマニノフ:パガニーニの主題による狂詩曲

2009年01月13日 | ラフマニノフ
○モイセイヴィチ(P)サージェント指揮BBC交響楽団(DA:CD-R他)1955/8/9プロムスlive

王道の技巧を誇るソリストに、寧ろ伴奏指揮者として一流のサージェントが俊敏なアンサンブルを絡めて秀逸な演奏ぶり。とにかくモイセイヴィチが半端なく巧い。手大きそう。ザ・イギリスな演奏陣でありいい意味でも悪い意味でも中庸の明るい音楽の中で、ただ巧いだけかと思ったら怒りの日の主題でのほの暗い音色表現がはっとさせ、揺れないテンポでひたすら廻りまくる指を見せ付けられているような思いで飽きてきたところに例のチャイコフスキー的主題を思い切りテンポ・ルバート。ただ音色は程よく深いそのままで余りロマンティックではない。それと、そのあたりからオケ、とくにヴァイオリンが(というか録音が悪すぎてオケの中低音域が殆ど聴こえないのだが)疲れてしまったようで残念。もともと薄い編成ではあるが終盤は明らかにバラケてきて、それでも文字通りの瓦解はしないで済んだのは職人サージェントのそつないさばきに拠るものだろう。まさに後期ラフマニノフ、というフレーズもソリストは即物的・・・ラフマニノフ自身の演奏を彷彿とさせる・・・にも粒だってカッコよく表現しているのに対しオケは冷たいままバラけそうになっている・・・BBC交響楽団はもともとそういう楽団だがこれはちょっと疲れすぎ。ソリストの素晴らしさは大ブラヴォを呼ぶしそれにここまでつけていったサージェントには拍手だが、オケは△。
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ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第2番

2008年10月31日 | ラフマニノフ
○ブラウニング(P)パレー指揮デトロイト交響楽団(DA:CD-R)1961/1/5live

一点の曇りも無いラフ2が聴ける。爽快。バリ弾きブラウニングはセルなんかともよくやっていた人だけれども、パレーにも言えることだが1楽章あたりはわりと重く表現しており、2楽章は夢見るような調子だけれども、終楽章はテンポの起伏が非常に激しく、しかしスムーズにうねるようなロマン派音楽を描くのではなく変化が比較的デジタルで、いかにもアメリカというか現代的センスを感じる。ブラウニングがその指の廻るがままにどんどん突っ走っていってしまうご愛嬌の部分もあるし、パレーがいつになく感情的な厚い響きでわたりあっていくさまも面白い。惜しむらくは録音。ブラヴォー喝采。○。
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ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第2番

2008年06月12日 | ラフマニノフ
○アール・ワイルド(P)ソコル指揮シアトル管弦楽団(DA:CD-R)1972/11/20live

この時期にしては極端に音が悪い(モノラル)。悪い音でもいい演奏はいいし、悪い音だからこそ生きてくるのは古いロマンティックでわかりやすいスタイルだったりもするのだが、これは案外オーソドックスで聞き流せてしまう(くらい巧い)たぐいの演奏なのである。スマートで伊達者ワイルドだからこその奇を衒わない、いかにもアメリカ王道の洒落たやり方ではあるが・・・悪い録音は更に没個性的に感じさせてしまう。あっけらかんと拘りの無い音でいくスタイルかと思いきや常套的な箇所ではしっとり歌わせるし(とくにバックオケ)、この曲に常套的なものを期待する向きは楽しめるだろうが、3楽章など内面的な盛り上がりがない感がある。

2楽章はラフマニノフの化身と褒め称えられたこともある(でも似てない)このソリストの独壇場の感があるが(ロマンティックだがけしてデロデロ節ではない乾燥したスタイル、ラフマニノフ自身没入しない比較的即物的なソリストであった)、録音の悪さが足を引っ張る。また、主張を感じない。このソリストに主張うんぬんなんて最早いらないのかもしれないが・・・この曲で主張をするのは登竜門にいる若手だけか。タッチの明快さに対し音色感が絶妙の柔らかさを伴うのはこの人の素晴らしいところであるものの、録音が悪いのはいかんともしがたい。

(参考)ワイルドは技巧家だがガーシュイン演奏で有名だったし(トスカニーニに重用された)、まさにその方向の人(存命)。いかにも50年代アメリカ黄金期プレイヤーの、筋肉質の即物性に理性的ロマンを載せたような・・・一日の終わりに演歌を求める人よりはバーボンを求める人に向く。これはガーシュインのアルバムとしても名盤で知られる、フィードラーとのセッションをSACD化したもの。
Rhapsody in Blue [Hybrid SACD]

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ラフマニノフは得意としているが、ホーレンシュタインとのものは容易に手に入る。
Rachmaninov: Piano Concertos Nos. 1-4; Rhapsody on a Theme of Paganini

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ラフマニノフ:交響的舞曲

2007年12月13日 | ラフマニノフ
○ポリャンスキ指揮ロシア国立交響楽団(CHANDOS/BRILLIANT)1998・CD

ポリャンスキらしいすっきりまとまったスマートな演奏だが二楽章ではねっとりしたスヴェトラ張りのワルツを演じてみせる。音量変化が大きいが全般わりと大人しめの音量であるため終楽章の盛り上がりが印象的。ブリリアントで廉価盤化したがどれもしっかりした出来。○。「晩祷」をはじめ合唱曲で定評のある人でブリリアントでいずれも廉価盤化している。

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ラフマニノフ:パガニーニの主題による変奏曲

2007年07月15日 | ラフマニノフ
○ポディス(P)コンドラシン指揮クリーヴランド管弦楽団(WME)1970年代live

雑音や不安定さが目立ちエアチェック状態に問題があるが、コンドラシンライヴとしてはクリアではある。薄っぺらな2chステレオのせいもあるが、クリーヴランドの軽くて明るい拡散的な音とソリストのマイクに近い鋭角な音が耳にきつい感じがする。コンドラシンは伴奏のときはきほん伴奏にてっするが、ここではコンドラシンらしい力強さは確かに存在し、表現の雄渾さだけではなく雄大さすら獲得した晩年の円熟した芸風をすでに示している。前進力も損なわれてはいない、ただ、ある種、「青いなりの強引さ」というか、「若さゆえの傲慢な魅力」がなくなってしまっている、これはコンドラシンの魅力そのものに近い位置のものなだけに、ちょっと余り好きになれない人もいるかもしれない。まあ、演奏が比較的しっかりゆっくりなので(ソリストは別にスピードダウンを要求しているようでもなく技術的には上手いし表現力の幅もあるが録音のせいでやや音色変化が単調に聞こえるだけだ)、クリアな立体録音で変奏の隅々の仕掛けを楽しめるといえば楽しめます。この曲の仕掛けがきわめてクリアに透けて見えるのはオケのメリットだろう。あっここはあの曲の暗喩なのか、みたいな。
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