湯・つれづれ雑記録(旧20世紀ウラ・クラシック!)

※旧ブログの一部コラム・記事、全画像は移植していません。こちらのコンテンツとして残します。

☆タンスマン:預言者イザヤ

2016年09月10日 | 北欧・東欧
◎ケンペン指揮ヒルヴァーサム放送フィル&合唱(EPIC)

さいきん本当にいい演奏録音にめぐり合えて嬉しい。この効果的なオラトリオはRVW的な感傷的な清澄さから新古典的なメカニカルな世界に展開していき最後は爽快なリズミカルな音楽で大団円となる。オケと合唱のまとまりがよく精緻な構造の再現とリズム処理の巧みさが非常に際立っている。とてもわかりやすい折衷的な音楽といえるが、演奏がそれを更に聞きやすく親しみ易くしている。ともするとRVWのオペラのような田舎臭さやのんべんだらりとした駄々長さに陥るかもしれないし、ヒンデミット的な部分を闇雲に煽ることで硬質で聞きづらい穴に落ちるかもしれない、その両方を避け世俗性ギリギリのところで楽しく聞かせてくれる。馴染み無い曲を面白いと感じさせるのはやはり、名の通った指揮者であることが多い。◎。
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☆シマノフスキ:ヴァイオリン協奏曲第2番

2016年09月09日 | 北欧・東欧
ウミンスカ(Vn)フィテルベルク指揮ポーランド放送交響楽団(MUZA)LP

ついに、ついにこの盤を聴くことができた。できたのだが・・・ま、まあ、時期を考えれば仕方のないことなのかもしれないが、たどたどしさが常につきまとい、ソリストの技量が大いに問われる。録音も継ぎ接ぎらしく、正体不明の乱暴な編集痕のようなものが特に二箇所気になった。解釈なのかどうか迷う部分もある。フィテルベルクはかなり大仰で乱暴な演奏をしたから、変なパウゼで大見栄を切るような場面など聴く側が解釈に迷う。最後のほうの怒涛のたたみかけも勢いがないのにひたすらまっすぐ突っ走るような不変のテンポに無意味に起伏する音量、素っ気無い解釈振りが「いや、SP期ならともかく、もうLP期に入ってるわけで・・・」と思わせる。とにかくソリストが素朴で頼りないものの、途中ハーモニクスの旋律・重音表現が非常に美しい。さすが北の香りを感じさせる冷ややかでもどこか質感のあるじつに綺麗にひびく音だ。これは奏法かもしれない。ひょっとするとこのソリストは何か主流の演奏より非常に限られた地域の民族的な奏法にたけた人なのかもしれない。いずれ残念ながら無印より上はとてもつけられない。作曲家の盟友フィテルベルクは1番もこの組み合わせで録音しており、そちらはCD化もされているが、曲的にはこの2番のほうがずっとわかりやすい。
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ドヴォルザーク:交響曲第9番「新世界より」

2014年03月13日 | 北欧・東欧
○コンドラシン指揮モスクワ・フィル(放送)1974live

どうにも荒い演奏なのだが、両端楽章次いで3楽章の猪突猛進ぶりはまったくコンドラシンそのもの。凶悪なテンポに荒れ狂うリズム(乱れてるわけではなく雰囲気的な話)、合奏の迫力があればソロ楽器がちっとも吹けてなくても気にしないのだ。緩急をはっきりつけた演奏ぶりは、ちょっと似ているスタイルのミュンシュともまた違ったもので、後年の演奏よりも個性がはっきり表れている。私は好きです。○。モノラルで篭もり気味。
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バルトーク:弦楽、打楽器とチェレスタのための音楽

2014年03月06日 | 北欧・東欧
○コンドラシン指揮モスクワ・フィル(放送)1969/2/26live

どうにも荒いのだが力感と推進力はさすがコンドラシン。録音のせいでよれる部分があるのは惜しい。この曲はコンドラシンにあっている。
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ドヴォルザーク:交響曲第9番「新世界より」

2014年02月20日 | 北欧・東欧
○バーンスタイン指揮ニューヨーク・スタジアム交響楽団(DG)1953

何かマーラーぽい新世界である。重量感のある響きで、オケの技術的にもまずまず、バーンスタインの歌い回しは独特の感傷を煽る。早い楽章はスピードとテンションを保ちフォルムが崩れることはない。50年代のイケイケのバンスタといったところか。但し、四楽章の恣意的な操作は是非あるところだろう。
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ドヴォルザーク:弦楽四重奏曲第12番「アメリカ」

2014年02月07日 | 北欧・東欧
○レントゲン四重奏団(ES)SP

折り目正しい演奏だが、テンポ感がよく弾むように楽しい。ヴァイオリンの音色が前時代的な不安定さを孕み美しい。キッチリした演奏ゆえ、現代の耳にも十分耐えうる。
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プロハスカ:弦楽四重奏曲~スケルツォ

2014年01月09日 | 北欧・東欧
○シェフチク・ルホツキー四重奏団(CHR)1929・CD

僅かに現代性も感じられるがおおむね国民楽派の範疇にある作品。ルホツキー四重奏団は激しくかすれるほどにハッキリした表現をするが、この曲でもその特質は現れている。
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ドヴォルザーク:8つのワルツ~Ⅰ、Ⅳ.(弦楽四重奏編曲)

2014年01月09日 | 北欧・東欧
○シェフチク・ルホツキー四重奏団(CHR)1929・CD

チェコの伝説的な四重奏団によるSP録音だが、1番はいきなりポルタメントを極度にかけたメロメロのメロディで度肝を抜く。しかし元々それほど耽溺する団体でもなく、この主題以外では普通にやっている。4番は曲が余りアピールしない。
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バルトーク:管弦楽のための協奏曲

2013年11月19日 | 北欧・東欧
○ガルデッリ指揮ハンガリー国立管弦楽団(eternities:CD-R)1988/5/20live

これがまたまっとうな演奏で、オケは透明感を保ったまま高い精度で、かつライブらしい気概のようなものを感じさせる。ガルデッリらしいかといえばよくわからないがアンサンブルを鍛えるのに十分な腕、それに明るく色彩的な処理に長けているのは確かだ。やや最後が弾けない感がするのは録音の限界かもしれない。粘らないのがガルデッリだ。○。
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コダーイ:ハーリ・ヤーノシュ組曲

2013年11月19日 | 北欧・東欧
○ガルデッリ指揮ハンガリー国立管弦楽団(eternities:CD-R)1988/5/20live

三曲目、ツィンバロンさえ入らなければレスピーギになるところだった。色彩的で開放的、一曲目などつまらない曲ではつまらないのだが、有名な音楽時計は良く出来ているし、ややだらしなさもなくもないがオケの覇気で面白く聞かせる四曲目など場面場面が想像できて楽しい。バルトーク的な間奏曲はガルデッリ風味は後退してわりと純音楽的な感がある。終曲は変わって劇的要素が前に出て面白い。ブラスの音が輝かしい。色彩変化も鮮やかで、ガルデッリで聞いて良かったと思う。
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ドヴォルザーク:弦楽四重奏曲第12番「アメリカ」

2013年08月14日 | 北欧・東欧
◯シェフチク・ルホツキー四重奏団(RCD)1929・CD

チェコの伝説的団体だが、おしなべて速く緊密である、というところはともかく、冒頭よりノンヴィヴ、その後スルポンティチェルロやポルタメントや特殊奏法が目立ち、これがそもそもの東欧のやり方か!と思った。とくにノンヴィヴは至る所で使われ、ヘタに聞こえてしまうところもある。CDは補正がかかりすぎて音色までわからないが、前時代的な艶っぽいものなのかもしれない。◯。この団体は細かい曲をも録音していて一部はこのCDに入っているが全部聴いてみたい。
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シマノフスキ:交響曲第4番「交響的協奏曲」

2013年08月12日 | 北欧・東欧
◯マツエフ(P)ゲルギエフ指揮LSO(LSO)2012/12live・CD

迫力のsacdでこの曲の高精度な演奏を楽しめるだけでも良い。ゲルギーの全集からの一曲であるが、ソリストが良い。強靭では無いのだが、二楽章の表現はこれまでによくあったような直線的なものではなく、解釈されたものであり、聴き応えがある。一楽章もいいが、三楽章はややテンポが停滞する感もある、これは他の盤でもみられる現象なのではあるが。ゲルギーはけして巧緻ではないのだが勢いと力があり、ロシアの伝統と現代のオールマイティ指揮者の融合というような、逆にいうとやや半端な部分もあり、圧倒的では無いが、それなりにリズムも強く、迫力はある。オケのせいもあるか。
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シマノフスキ:ヴァイオリン協奏曲第1番

2013年07月30日 | 北欧・東欧
○ウィルコミルスカ(Vn)ヴィット指揮カトヴィツェ・ポーランド国立放送交響楽団(放送)1991live

ウィウコミルスカの腕がまったく衰えず、ライヴなりの荒さ(音にならない激しい発音など)はあるが、なかなかの凄演。この曲の懐深さも感じさせる演奏で、スクリアビンやフランス印象派の影響下にありながらも前衛的で怜悧な響きにより「凍れる熱気」をバンバン放つ楽曲とあって、協奏曲と言うより協奏的交響曲のような壮麗なものに仕立てて秀逸だ。なかなか巧緻なオケである。○。
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コダーイ:ガランタ舞曲

2013年07月28日 | 北欧・東欧
ストコフスキ指揮ハリウッドボウル交響楽団(scc:CD-R)1946/7/21live

67年前の録音を前に何を言ってるんだかとふと思うが、録音が悪い。この曲は旋律的ではなくリズムとスピードなので、ストコフスキーの良さを出すには似つかわしくない部分もあろうし、そもそも私はこの曲の良さがわからない。オケはやる気あるし上手いし、ライブなりの迫力もあるが、雑味も味になってるが、、無印。
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ドヴォルザーク:チェロ協奏曲

2013年07月20日 | 北欧・東欧
◯ネルソヴァ(Vc)クリップス指揮LSO(decca)CD

けしてバリバリの技巧派ではないのだが、ヴァイオリン協奏曲を聴いているような一種明るさや軽やかさを感じて聞き心地は悪くない。オケははっきり言ってこれといった特徴はないのだが技術的には問題ない。◯。
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