ボールト指揮LPO(LPO)1970年代live・CD
アイアランド初期の人気作。例によって古代の島嶼部の風景を写した音詩になるが、かなり素直で、ドビュッシーの影響を穏健に受け、しんとした情景での管楽ソロやメロディアスなところの和音の重厚な揺らぎにディーリアスの影響が聞いて取れるが、僅かな部分にはヴォーン・ウィリアムズに近いものも存在する。つまりこの二人の得意とする心象的な表現を狙っている。そこにハープなど少し特殊な音を織り交ぜ独自性としている(それすらホルスト的ではある)。1912年当時としては作風が古かったと思われるが、アイアランドはこのような穏健な作風と呪術的な複雑さのある作風を後年使い分けたようである。題名は祭礼(RITE)としているものの、後者の作風はまだ全く無い。おしなべてロマンティックで壮大な、なだらかな丘のような構成の、とても清々しく美しいワグナー風の厚い響きをも持つ作品だ。ボールトには1965/12のlyrita録音が知られるがこれはそれより後のライヴで、状態は残念ながら悪い。この繊細な世界を味わうには不利である。何人かの指揮者が録音しているので新しいもので静寂の中、聴けば楽しめるとおもう。
アイアランド初期の人気作。例によって古代の島嶼部の風景を写した音詩になるが、かなり素直で、ドビュッシーの影響を穏健に受け、しんとした情景での管楽ソロやメロディアスなところの和音の重厚な揺らぎにディーリアスの影響が聞いて取れるが、僅かな部分にはヴォーン・ウィリアムズに近いものも存在する。つまりこの二人の得意とする心象的な表現を狙っている。そこにハープなど少し特殊な音を織り交ぜ独自性としている(それすらホルスト的ではある)。1912年当時としては作風が古かったと思われるが、アイアランドはこのような穏健な作風と呪術的な複雑さのある作風を後年使い分けたようである。題名は祭礼(RITE)としているものの、後者の作風はまだ全く無い。おしなべてロマンティックで壮大な、なだらかな丘のような構成の、とても清々しく美しいワグナー風の厚い響きをも持つ作品だ。ボールトには1965/12のlyrita録音が知られるがこれはそれより後のライヴで、状態は残念ながら悪い。この繊細な世界を味わうには不利である。何人かの指揮者が録音しているので新しいもので静寂の中、聴けば楽しめるとおもう。