湯・つれづれ雑記録(旧20世紀ウラ・クラシック!)

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メシアン:トゥーランガリラ交響曲

2008年09月01日 | フランス
Y.ロリオ(P)G.マルトノ(OM)デゾルミエール指揮フランス国立放送管弦楽団(INA)1950/7/25エクス・アン・プロヴァンス音楽祭live(ヨーロッパ初演)・CD

この曲は最低ステレオ録音じゃないと無理だ。理想はライヴでかつ音場のバランスのよい良席である。とても音盤におさまりきる音楽ではない。むしろおさまらないところが全てである。シンプルな骨子のみ掬い取ろうとするとお粗末なものに聞こえてしまう。そういう単純思考の音楽ではないのだ。前衛専科デゾのいつものとおりの「解釈しない」そっけない棒に諸所妙な力みが入り、ハルサイのリズムやミヨーの音響のように聞こえてしまうのが更によくない。もっと透明感ある繊細な音楽なのに、これではヒンデミット指向の古臭い音楽にきこえてしまう。ロリオのピアノなどこれぞ!と思わせる非常に力のある表現だが、オンド・マルトノの音色がまったく捉えきれてなかったり録音の問題が大きすぎて(後半にあきらかな断裂が聞かれるし撚れの酷い部分もある)この曲をよく知っている人でなければ愉しむまではいかないだろう。音量変化がまったく捉えられないのが非常に残念。演奏中喋り声が聞こえたり終演後ブーイングがさまざまに飛ぶのは別に珍しくも無いししょうがないとも思うし・・・これは歴史的記録ではあるが、デゾファンかメシアンファン以外には不要だと思う。無印。

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Comments (2)
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