湯・つれづれ雑記録(旧20世紀ウラ・クラシック!)

※旧ブログの一部コラム・記事、全画像は移植していません。こちらのコンテンツとして残します。

ディーリアス:歌劇「村のロメオとジュリエット」~間奏曲「楽園への道」

2010年03月12日 | イギリス
○グーセンス指揮シンシナティ交響楽団(RCA)LP

重厚でがっしりした「楽園への道」だがワグナーふうのぬるま湯い表現が無くオケの音もニュートラルなので、ドイツ的という感じは無い。ちょっと面白い、寸止めの感傷性が良いが、この曲には多少しっとりした、多少フワフワした部分も欲しいわけで、録音もそれほどよくない点含め、機会があればどうぞ、というところか。
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ドヴォルザーク:交響曲第9番「新世界より」

2010年03月12日 | 北欧・東欧
◎ミュンシュ指揮ボストン交響楽団(WHRA)1954/10/8live・CD

これは久々にガツンときた。やりすぎである。でもこれがバンスタらのルーツなのだ。しかもオケに緊張感が漲り、最後まで分厚さを失わない音が一糸乱れずただミュンシュの「風車」のままに動く。これが冷徹さではなく迫力に昇華されている。機械的な楽曲がグズグズ感を許さないせいかもしれないし、一部改変ともとれる合理的処理(3楽章提示部の弦楽器中声部・・・「モルダウの主題」が刻みになってる!!!セカンド泣)を導入しアンサンブルの乱れを事前に防止したのが功を奏しているようにも思う。両端楽章がとにかく歌舞伎。このテンポ・ルバートの嵐はロシアの指揮者のような即興的なものではなくメンゲルベルクのような予定調和のうえでの激しさの表現である。だから不自然さはそれほどない。「ドヴォルザーク終止」の余韻の異様な引き伸ばしの後、次第に盛り上がっていく客席。◎ですね。録音もよくレストアされている。
Comments (2)
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ドヴォルザーク:チェロ協奏曲

2010年03月12日 | 北欧・東欧
ヤニグロ(Vc)ディクソン指揮ウィーン国立歌劇場管弦楽団(westminster)1953/54・LP

正直、つまらない。ここまでつまらない解釈に仰天である。でもストレスがない。貶める要素が技術的にも当時の演奏精度的にも無く、オケもこの時代のVPO系、スタジオ録音であればブレもない。録音は古びているしかといって超現代的な分析的演奏でもなく、半端であることは確かなのだが。。オケの音にまったく憂いが無いのも不可思議だ。無印にするにやぶさかではないが、まるで演奏家の顔の見えない平坦さ単調さが、無難な音色、でも確かなボリュームで表現されると、下手な「解釈者」のものよりずっと聞きやすくなる、というところはある。WEB上でも探せば聴けるので気軽にどうぞ。
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シマノフスキ:ヴァイオリン協奏曲第1番

2010年03月05日 | 北欧・東欧
○テツラフ(Vn)ブーレーズ指揮VPO(DIRIGENT:CD-R)2009/6/12live

ソリストが巧い。曲をよく分析し解釈し表現している。作ったようなところがなく、そういう意味でも隙が無い。人工的で硬質な楽曲をなめらかに全く無理なく、伸び伸びと演奏し、バックオケと相まって、ブーレーズに似つかわしくない生暖かく甘い・・・シマノフスキの本質でもあるのだが・・・聴き心地をあたえる。同時代者トーテンベルクらの民族的だがぎくしゃくした演奏の時代は去ったのだなあ、と思うジェネラルさ。同曲は譜面上ある意味単純なのだが音にすると晦渋、でも、最近はレパートリーにする人が多く誰もそれなりに個性的かつ聞きやすい演奏として提示してくる。同曲をレパートリーとした唯一のヴィルツオーソヴァイオリニスト、オイストラフくらいからの伝統でもあるのだろう。お勧めなのだが、クリアな音で楽しみたいところでもあり、海賊音質だと○以上にはならない。
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ドビュッシー:管弦楽のための夜想曲

2010年03月05日 | ドビュッシー
ブーレーズ指揮VPO(DIRIGENT:CD-R)2009/6/12live

音が悪い。低くくぐもり過ぎだ。これだけ美しく明確に形づくられ、かつこなれた解釈を印象派のもやもやした時代に引き戻すような音質はいただけない。VPOだからといってここはもうどこでも一緒である。まあ、アメリカオケでないだけ聴けるのかもしれないが。ブーレーズの聴き易くなった晩年様式を、聞きにくくしている。海賊だからね。無印。
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ラヴェル:ピアノ三重奏曲

2010年03月05日 | ラヴェル
○アルベネリ三重奏団(mercury)LP

なかなかいいのだ。とくにピアノに表現力があり、1楽章など解釈的にとても感傷的で美しい。トリオの中でけして支配的な雰囲気を醸さず(モノラルで求心力のある聴感だからかもしれないけど)、三者の音色が融合はしないが同調してほどよい。ただ、「正攻法的なロマン派様式」の気があり、解釈が鼻につくところも・・・いやラヴェルの表現として不足はないのだが、終楽章あたり飽きてくるのも否めない。個人的にはもっといい音なら普段聴きにしたいくらいのものだがラヴェル好きには異論あるか。○。
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フォーレ:ピアノ三重奏曲ニ短調 Op.120

2010年03月05日 | フランス
○アルベネリ三重奏団(mercury)LP

オーソドックスかもしれないがなかなかに雄弁で率直な演奏ぶり。50年代前後に特にアメリカ界隈できかれたような強弁な雰囲気をもち、しかしながら憂いもあってけしてフォーレの繊細さをスポイルすることはない。ロマン派的なラインにフォーレ特有の語法が和声的に展開されていく、この細かさを、しっかり音にしてリアリティの中に描ききっている。従ってここには余り「フランス的」なものはなく、そこに着目する向きは無視してよいものだが、旋律を長々と聴きたい向きにはアピールするだろう。私は正面から重ったるいロマン派的な旋律を長々と聴かされるのは嫌いなので、この様式では1楽章で既に辟易としたが、でもわかりやすいな、とも思った。無印にしたいが一般的には○だろう。巧者。
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ドヴォルザーク:交響曲第9番「新世界より」

2010年03月05日 | 北欧・東欧
ロナルド指揮ロイヤル・アルバートホール管弦楽団(HMV)1919/11/1・1921/9/8,11/29・SP

世界最古の新世界として知られるが同人何度か部分録音しなおしているようで、これはその中でも一番古いものをまとめたものと思われる(未確認なので確証なし、データによると「21/4(ⅠⅡ)、22/1、21/11/29」というのがある。2楽章冒頭は22/12/6に録音しなおしているとのこと。最後にアンコール的に変な編集曲があるがこれがそうなのか不明)。ラッパ吹き込みのために編成を極度に絞り(弦楽器はまるでアンサンブルだ)収録可能時間にあわせて無茶なカットを多用(3楽章のみカットなし)、演奏スタイルもまるで機械のようにしゃっちょこばり、恐らくこれも収録時間の都合上、無理にテンポを速めのインテンポに揃えている。聴くべきところはヴァイオリンの甘いポルタメントや案外まともな管楽器陣といった細部個別になるだろうし、まったく感情のない2楽章など緩徐主題の聴こえ方の酷さはもちろん指揮者の本意ではないだろうが、苦笑を禁じえない。統率の甘さというより編成を無理に絞ったために雑味が出たと思われる節もある。ノイズの酷さもあってとても勧められるものではないが、骨董品としては価値はある。この音源はWEB上で研究用として流通している。
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チャイコフスキー:幻想序曲「ロメオとジュリエット」

2010年03月05日 | チャイコフスキー
○ラインスドルフ指揮シルヴァーストーン交響楽団(Silvertone Record Club/Mercury)1940~50年代・LP

マーキュリーではエネスコのドビュッシー他とカップリングされていたもの。WEB上でも流通している模様。メンデルスゾーンとモーツァルトが併録。そこそこ時代なりの感情的な演奏表現がみられるものの解釈的にはトスカニーニを更に直線化したような演奏。軽いオケの音がからっと揚がったチャイコを提示するが、アメリカ的な軽やかさとリズムが売りか。僅かに奇妙な解釈がまざる他、スマートで聞きやすい演奏としか言い様がないが、各主題の強さに流されずまとまった楽曲として愉しむのが好きな向きにはいいだろう。私は聴き易かった。
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FRENCH BRO SYSTEM→FRENCH BROADCASTING PROGRAM

2010年03月02日 | Weblog
間違えて記載していた。読み替えてください。FRENCH BROADCASTING(BRO)PROGRAMということで、ORTFの北米放送録音レーベルです。つかほんと競争率が高すぎて二度と手に入らないものが多すぎる・・・(左欄参照、また増えてます、入荷後1時間たたず売切れてしまう・・・
Comments (4)
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