湯・つれづれ雑記録(旧20世紀ウラ・クラシック!)

※旧ブログの一部コラム・記事、全画像は移植していません。こちらのコンテンツとして残します。

アイヴズ:劇場管弦楽のための組曲~Ⅲ.夜に

2010年04月05日 | アイヴズ
○スロニムスキー指揮汎アメリカ室内管弦楽団(NewMusicQuarterlyRecordings)LP

「ワシントンの誕生日」断片と共に録音された部分試演でレクチャー(?)も含まれている。ごく短いが、アイヴズがこの時「何かを掴みかけていた」ことがわかる。新ウィーン楽派の(理知的な部分よりも)感覚的な部分に通じるもの。演奏的には短いので何とも言えないが、残響を加え大規模編成的に演じられることの多いアイヴズを、室内編成的な楽曲として聞かせるという「本来の姿」を伝える同時代の演奏として価値はある。○。
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アイヴズ:祝日交響曲~断片(「ワシントンの誕生日」より)

2010年04月05日 | アイヴズ
○スロニムスキー指揮汎アメリカ室内管弦楽団(NewMusicQuarterlyRecordings)LP

「セット」と共に録音された部分試演でレクチャー(?)も含まれている。短いが序奏後の本編の派手な部分が再現されており、技術的には問題がないとは言えないが、縦のリズムを意識しそこをぶらさないまま、攻撃的なアタックでアンサンブル「的なもの」をこうじている。正直、よく振るなあ、というような「同時進行するいくつもの音線」の絡み合い、アイヴズってこういうものだ、と改めて認識させる。この曲の時点ではまったく融和しない音線を重ねていくやり方を堅持しており、頭がおかしくなりそうだ、という人に私は同意せざるをえないところもあるが、既存旋律の選択ぶり、引用部分の長さ、けしてめちゃくちゃにやっているわけではなく、一つの信念のもとに計算してやっているのだ、と思わせるところもある。ここからどうさばくかは指揮者の解釈の腕。これ自体は古記録としての価値は非常にある。○。
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アイヴズ:劇場管弦楽のための組曲

2010年04月05日 | アイヴズ
○スターンバーグ指揮ウィーン国立歌劇場管弦楽団(OCEANIC)LP

アイヴズ録音最初期の一枚。「セット(組曲)」と呼ばれる「幕の内弁当」をアイヴズはいくつも編んでいる(組み合わせを変えたり編曲して焼きなおしたりを繰り返している・・・主として版元の意向で)。内容的には交響曲第4番へ移行する最も脂の乗り切った時期の作品や先鋭な作品が含まれ、しかし肥大傾向の極めて強い「祝日」や4番に比べ、すっきり整理された原初的な形ということで、アイヴズの奇才より才能を直接感じ取りやすい。ぴしっと技術的にすぐれたアンサンブルをもって聴くと何をやりたくて何を聴かせたいかがはっきりする(その部分すら解体して一見わけのわからない大構造物に仕立てたからこの作曲家はとっつきづらい印象をあたえているのだ)。小規模編成の作品こそアイヴズ独特の微妙な軋みを味わうことが出来る、真骨頂と思う。曲はいずれも短いが他に流用されたりしてアイヴズ好きには耳馴染みあるものだ。凍りついた感傷のある風景を、点描的に描く「サウンドスケープ」。演奏的にも俊敏で生臭さがなく、この時代にしては技巧もすぐれている。○。
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雑談は右下。

2010年04月03日 | Weblog
本文には雑談を書いてませんがPCならgooホームのガジェットを画面右下に置いています。気まぐれですが、よろしければ。使いづらいミニブログですけどね。見にくいし。
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マーラー:交響曲第1番「巨人」~Ⅰ、Ⅱ

2010年04月03日 | マーラー
○メータ指揮ジュネス・ミュージカル・ワールド・オーケストラ(AULIDE:CD-R)1973LIVE

オケはまるでバンスタ的な意思力を高い技術力とかけあわせ、壮年期メータの過激な攻撃性とあいまって、一時代前のマーラー像を提示する。これは楽しいというより印象深くなつかしい。ただ、録音が悪い。終始こもり、ハウリングも聞きづらい。細部がわからないのだ。一楽章あと拍手が入る。別日か。
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クレストン:合唱曲風舞曲第1番、第2番

2010年04月02日 | アメリカ
○ゴルシュマン指揮コンサート・アーツ管弦楽団(Capitol)LP

この作曲家は保守的でメタ音楽的な作風をもち、この曲も正直昔のアメリカ産ソープドラマのような匂いがきつい。といっても悪いのは節操の無い「引用」に人工的で「モザイク的」な継ぎ接ぎ方法であり、陳腐ではあるが充実した書法は手管として持っている。明らかにラヴェルのダフニスや高雅で感傷的なワルツの響きと動き、ストラヴィンスキー野蛮主義時代の作品の僅かな部分、それに新ウィーン楽派ふうの響きなど同時代というよりは前時代的なものの「良質な部分」を持ってきて、それをドビュッシーの「選ばれし乙女」ふうにまとめている・・・といったら褒めすぎか。でも、こういう曲を聴きたくなることはある。○にはしておく。ゴルシュマンの曇った響きはこの曲の重さをひときわ重く感じさせる。
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コープランド:静かな都会

2010年04月02日 | アメリカ
○ゴルシュマン指揮コンサート・アーツ管弦楽団(Capitol)LP

コープランドの有名な小品だが、このコンピレーショナルバムではダイアモンドの楽しい曲からの流れで小気味良く聴こえる。コープランドは硬質でクリアな響きが特長であり、そこからするとちょっと埃をかぶったような無駄な充実ぶりがあるとも言えるが、このコンビらしい楽しさと落ち着きのバランスよい聴き心地が楽しめる。
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ダイアモンド:弦楽のための"Rounds"

2010年04月02日 | アメリカ
◎ゴルシュマン指揮コンサート・アーツ管弦楽団(Capitol)LP

この厚いオケを俊敏に操りスリリングなアメリカ民族舞踊を聴かせる。これは楽しいが、楽しいだけではなくよいものを聴いたという印象も残すのはゴルシュマンの軽さや透明感に走らない前時代的な音の組み立て方に起因していると思う。何も考えなくてもいい、コープランドの楽しい躍動的な曲だけが好き(コープランドには重く晦渋なものも多い)、という向きにはお勧めできる曲で、演奏然り。◎。
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バーバー:弦楽のためのアダージョ

2010年04月02日 | アメリカ
○ゴルシュマン指揮コンサート・アーツ管弦楽団(Capitol)LP

モノラルの「アメリカ現代音楽集」から。曇っているぶん充実した響きの「アダージォ」を聴くことができる。比較的中欧風の重心の低い音のするオケだが、締まった表現で自然に曲の起伏に従い盛り上がりを作っていく。トスカニーニ風の即物的な個性は無く、無駄な思い入れのようなものもなく、しかし曲自体の暗く重いロマンティシズムを程よく引き出しており、聴きやすい。透明感のようなものはなく祈りの音楽ではないが、分厚い合奏が時代を感じさせてそこもよい。ゴルシュマンのヨーロッパ的な側面の出た演奏。
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