湯・つれづれ雑記録(旧20世紀ウラ・クラシック!)

※旧ブログの一部コラム・記事、全画像は移植していません。こちらのコンテンツとして残します。

マーラー:交響曲第6番「悲劇的」

2011年09月07日 | マーラー
○ドラティ指揮クリーヴランド管弦楽団(放送)1977/3/31live

素晴らしい悲劇的の放送録音をいくつも残しているドラティの、最近CD化されたイスラエル録音を除けば殆どがアメリカオケとのもののひとつであるが、中でも名高いセルのオケとして、ウィーンの響きと高い機能性を誇ったクリーヴランド管弦楽団とのステレオ録音だ。状態はよいが内声はやや聞き取りづらい。基本的にトスカニーニを模したような直線的で乾いたドラマを描いていくスタイルで、マーラーでも保守的できわめてロマンチックな音楽であるのに、とくに緩徐部や楽章があまりに素早くまるで興味がないかのように音色も何も無く投げられていくのには唖然とさせられるが、ドラマティックな楽想、歌謡的な旋律の分厚い表現、スピード、それについていくオケ、ラッパは下品だしブラス走り気味だが、臨時記号だらけの細かい音階をひたすら高速で正確に刻み続ける弦が素晴らしい。セルのライブ録音にときおり聴かれた程度には音程ミスやアタックの甘さボウイングのずれなどなくはないが、ほぼブレイクなしに最後迄弛緩しない演奏ぶりは驚異的だ。クラシックを知らない人間がこんなライブをこの曲で聴いたら、圧倒され魅了されざるをえまい。精密で響きばかり気にする現代の演奏にはない熱いものがある。ハンマーがよく聴こえなかったがまあいい。○。
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ニコプロヴェツキー:アントニオ・ガウディ賛

2011年09月04日 | ?よくわからない?
○マリウス・コンスタン指揮ORTF(haydnhouse:CD-R他)

この作曲家、まったく情報がない。LP起こしだがレーベルもわからない。作品は基本的に現代音楽でガウディの印象とはほど遠い。セリー作品にありがちな新規さを打ち出してはいるけれども寧ろ冒頭のスクリアビン「プロメテ」に酷似した手法からフランス系現代作曲家の、とくにオネゲルやジョリヴェに似た保守性をはらんだ曲想に惹かれる。五曲からなる組曲。しかしまとまりはなく唐突に終わる。演奏は達者で色彩的。○。
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