湯・つれづれ雑記録(旧20世紀ウラ・クラシック!)

※旧ブログの一部コラム・記事、全画像は移植していません。こちらのコンテンツとして残します。

ベートーヴェン:レオノーレ序曲第三番

2012年12月25日 | ドイツ・オーストリア
○フルトヴェングラー指揮VPO(history他)1944/7/22・CD

録音が痩せてきついので現代の耳からするとどうなのか。勢いと楽団のやる気は凄いが、この人のベートーヴェンやブルックナーにはいつも何かしら違和感を感じる(ブラームスはピッタリ)私にとってこの演奏にはとくに感銘を受ける要素はなかった。
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メシアン:鳥の小スケッチ

2012年12月24日 | フランス
○ロリオ(P)(erato)1987/10・CD

適度な長さの作品として取り上げられることの多い曲だ。ロリオはメシアンそのものと言っていいのだろう、じつに「そつない」。凡百の作曲家はカッコウくらいでやめておく「鳥の声の採譜」というものを芸術としてやってのけたメシアンは、まるで百科事典のようなきらびやかな曲集を編み上げたものの、しばしば「小鳥というより怪鳥」と揶揄されたように抽象化されないそのまんまの鳥の声を、もともと強靭な楽器であるピアノに常に鋭くハッキリと発音させる。和声的ではなく、ほとんど旋律のていをなさない打楽器的フレーズを不規則に連ね、原譜に比して酷く単調に聴こえる。ロリオは有無を言わせない説得力をもって臨んでいるが、後を継ぐのは難しいだろう。ロマンティックにやろうと思えばやれる要素はある。スクリアビンのようにケレン味たっぷりに解釈すればよい。でも作曲意図からは外れる。。
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ヴォーン・ウィリアムズ:交響曲第2番「ロンドン交響曲」(1920版)全楽章断片

2012年12月23日 | ヴォーン・ウィリアムズ
ゴッドフリー指揮LSO(SYMPOSIUM)1925/4/24、5/1・CD

やはり音が悪いのはいかんともしがたい。高音が伸びないのでRVW特有の透明感が伝わりづらく、繊細な作りがいきてこない。これが断片ならともかくほぼ全曲となるとなかなか辛い。うーん。復刻の問題もあるか。
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フォーレ:歌劇「ペレアスとメリザンド」組曲

2012年12月23日 | フランス
○ガストン・プーレ指揮LSO(MGM)LP

わりと重さも持ち合わせたロマン派音楽でありながら和声進行の独自性のみで聴けてしまう点ディーリアスと似たところもあり、しかしおしなべてラヴェルに繋がるような明るく色彩的な音楽でもあり、フォーレの管弦楽曲は不思議な魅力がある(弟子が紡いだものもあるらしいが)。プーレは速いテンポでひとつひとつの楽想に拘泥せず、力強いが透明感ある表現でフォーレの現代的な側面に光を当てる。プーレの芸風としてはいつもどおり、だが終曲の沈潜するような表現には深い思慮をかんじた。
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ラヴェル:道化師の朝の歌

2012年12月23日 | ラヴェル
○ガストン・プーレ指揮LSO(MGM)LP

色彩的な処理の上手さや撥音の使い方の上手さがよく出ている。ただ、演奏は一直線で揺れず性急、慌てて走って走り抜けて終わるような調子で、芸風としては完成度が高いとは言い難いかもしれない。CD化音源とは違う録音。
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ラヴェル:亡き王女のためのパヴァーヌ

2012年12月23日 | ラヴェル
○ガストン・プーレ指揮LSO(MGM)LP

これをきいていて私はエネスコが振った同曲を思い出した。感情表現豊かなエネスコにくらべ父プーレは余りテンポもデュナーミクも動かさず無骨な感すらあるが、響きの明らかさ、聞こえてほしい音色が聞こえてくる、これはヴァイオリン奏者特有の高音表現にたいする配慮の深さといえようか。あまり上手いとは言えないが時代の空気も伝わってくる演奏。オケはそれなり。
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ラヴェル:洋上の小船(管弦楽編)

2012年12月22日 | ラヴェル
○ガストン・プーレ指揮LSO(MGM)LP

父プーレはドビュッシーと縁深かったが、ラヴェルをより好んだという。ヴァイオリン演奏記録は残念ながら確認できていないが少ないながらも両作曲家の管弦楽作品を振ったものは残されている。非常に色彩的で明瞭、しかし感情的な揺れを短絡的なテンポやデュナーミクでは表さず、繊細なアーティキュレーション付けによってのみ示すやり方はいかにもラヴェル的である。余り構成的ではなく流れで音楽を作ってしまうところが指揮者としての限界だったのかもしれないが、この曲や亡き王女のためのパヴァーヌで聴かれる夢幻的な響きの魔力、きらきらと水玉のように煌めくハープのつまびきには私はやられてしまった。○。
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シベリウス:交響曲第2番

2012年12月21日 | シベリウス
◎バルビローリ指揮ボストン交響楽団(statework)1964/10/30live

web配信されているが針音らしきものからレコードの可能性があり既出盤と同じかもしれない。しかしこれはバルビにとっても凄まじい記録、アグレッシブでスピード感とダイナミズムに溢れた名演だ。オケがバルビに完全に取り込まれその技術力を集中力を全面投入し、各楽章まったく飽きない表現力、とくに3楽章アタッカで4楽章に入るあたりの超スピードとそれに見合う力強い響きはステレオ録音ということもあり圧巻だった。むろん譜面指示どおり旋律再現ではもっとスケールの大きな、過激な山が築かれる。フライングブラボーさもありなん、素晴らしい。
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ブリテン:歌劇「ピーター・グライムズ」より四つの海の間奏曲

2012年12月20日 | イギリス
○マリナー指揮ストラスブール・フィル(DIRIGENT:CD-R)2010/5/27ストラスブールlive

ダイナミック。力強く、繊細さには欠けるようにも感じた。ブリテンの外面的な派手さが強調されたようだ。
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ヴォーン・ウィリアムズ:タリスの主題による幻想曲

2012年12月20日 | ヴォーン・ウィリアムズ
○マリナー指揮ストラスブール・フィル(DIRIGENT:CD-R)2010/5/27ストラスブールlive

ファンタジアというのは古典音楽を模した題であるとともにこの時代のイギリスでよく使われた名称であり作曲コンクールの課題にされるほどだった。フランスやロシアなどで使われていた幻想曲とは少々違う趣のものである。トマス・タリスは今もなおイギリス音楽史上の革新的巨人と尊敬されているが、この曲は素材に使ったというだけで、RVWの真骨頂とも言うべき古典ふうの響をともなうフランス的ロマン派作品だ。ワルターのように揺らしまくったりバルビのように起伏を大きくつけたり単純だからこそ様々にさばかれるが、RVWにあれだけ適性を示していたマリナーがこのフランスライブでは何故か完全に揺れず起伏なく、ただ速いテンポで突き進む。即物的という言葉を久しぶりに使うが、やり口はトスカニーニのようだ。色彩感がそれほどないからまた味気なさに拍車がかかる。前プロで、メインがベト7というのも関係あるやもしれないが、中プロがブリテンなのでそのダイナミズムに引きずられたとも言えるか。○。
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ドビュッシー:管弦楽のための夜想曲~Ⅰ.雲

2012年12月20日 | ドビュッシー
○ピエルネ指揮コンセール・コロンヌ管弦楽団(ODEON)SP

オデオンに三曲とも残しているが祭はほとんど見たことがなく、ネットではオデオン以外のレーベルで出ていたのを一度確認したのみである。雲と祭は連番でシレーヌのみ離れており、本来ばらばらで録音した可能性がある。ピエルネの指揮は硬直したようにかんじることが多いのだが、これはなかなかのアトモスフェール(雰囲気で書いてみました)。まさに夜の雲、静かに浮かび、繊細だ。動きのない曲のほうが向くのかもしれない。楽団のソリストの音が懐かしい。○。
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ドビュッシー:管弦楽のための映像~Ⅱ.イベリア

2012年12月20日 | ドビュッシー
○ガストン・プーレ指揮コンセール・ピエルネ協会管弦楽団(COLUMBIA)SP

比較的新しい録音にきこえるがモントゥと並んで本邦紹介された1920年代よりは下るだろう。ジェラール・プーレ氏の父上でドビュッシーのソナタを作曲家と検討・初演したガストン・プーレの指揮記録。この人は弦楽器偏重・打楽器やブラスによる雰囲気付けによって独特のラヴェル的なはっきりした図像を描き、全体設計はけして上手いわけではないが「聴かせる音」を出す。オケは実態がわからないが弦楽器にしてもこの時代にしては非常に揃っていて上手い。キレのいいリズムはSP録音時代とは思えない。弦楽器がとにかく鍛えられている(笑)ホルンがフランス式としては限界みたいな音でほえていたり、果ては第三部、絶対聞こえないヴァイオリンの上昇ポルタメントがSPのくせに耳に突き刺さってくる(かんじんのフォルテ表現は音量が抑えられたうえ割れて聴きづら過ぎるのに)!いや、鐘の音に彩られた弱音の世界がまたイマジネイティブでびっくりした。音色がもう素晴らしいのだが、ガストン・プーレが指揮者として好んだラヴェルっぽい見通しの良さ、粘りの無さがありながら、凄く印象派的なのである。第二部が素晴らしい!生温い音、ハリウッド的でないロマンチシズム。くれぐれも一流指揮者の記録ではない。しかしこれは同時代では文句なく一流の指揮記録である。録音さえよければ!
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ドビュッシー:沈める寺(管弦楽編)

2012年12月20日 | ドビュッシー
○ガストン・プーレ指揮コンセール・ピエルネ協会管弦楽団(COLUMBIA)SP

比較的新しい録音にきこえるがモントゥと並んで本邦紹介された1920年代よりは下るだろう。ジェラール・プーレ氏の父上でドビュッシーのソナタを作曲家と検討・初演したガストン・プーレの指揮記録。映像Ⅱ「イベリア」の面埋めになる。この人は弦楽器偏重・打楽器やブラスによる雰囲気付けによって独特の立体的な図像を描き、全体設計はけして上手いわけではないが「聴かせる音」を出す。オケは実態がわからないが弦楽器にしてもこの時代にしては非常に揃っていて上手い。編曲はストコフスキ版か。違和感のあるラッパのぶっ放しが興をそぐもののおおむねドビュッシーらしさも感じさせる。
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バーンスタイン:ウェストサイドストーリーよりシンフォニック・ダンス

2012年12月19日 | アメリカ
○カール・デイヴィス指揮ロイヤル・フィル(REGIS他)1996・CD

有名盤でバンスタの天才性とマンネリズムをストレートに伝えてくれる。メロディと管弦楽の扱い方はピカイチ、さすがバンスタ、演奏も乗っているが、変則リズムにだんだん慣れてくると旋律も平凡に感じられるようになっていき、これは演奏のせいかもしれないな、と思いつつも、竜頭蛇尾的な感じで終わってしまう。交響作品としてだと弱いのかもしれない。全曲自作自演が二つもあるのだから、時間があればそちらで脚本読みながら聴くのが正しいかもしれない。
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マキューアン:弦楽四重奏曲第8番「ビスケー」

2012年12月19日 | イギリス
○エジンバラ四重奏団(meridian)CD

細く金属質の音でいかにもイギリス(スコットランドだけど)的な音楽を紡ぎ出していく。これは英国(スコットランドだけど)産室内楽好きとして、とても納得感のある演奏だった。RVWの1番の音響を彷彿とさせるような、清々しい音でロマン性の高い作品の「匂い」を現代的に聴こえるよう編み直しているかのようだ。チリンギリアンQの技術や、恐らく楽器にも及ば無い楽団であり、ギリギリのところで力づくでなんとか弾ききった、という高音処理部分など、逆に真実味があり私にはむしろ音「楽」的に思えた。◎に近い○。チリンギリアンのほうが上なのは確かだから。
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