イヴァルディ&ノエル・リー(P)(ARION/warner)CD
神話的題材はいかにもこのころからのちフランスの作曲主題になるものだが、この曲は初期の「交響曲」などとともに作曲されたものでロシアのクーチカの楽曲のような古風なロマンの風をのこす。印象派の新しい絵画よりベラスケスなど古典的な絵画世界に通じるしっかりした印象をあたえる(そういう意図だろうから良い)。ただし明るい響きや軽やかな動き、それは色調の変化に欠けいささか長すぎる感じもするが、とにかく小組曲に至る道筋をはっきり示し、ロマンティックな音楽からの離脱を宣言している。編成は管弦楽によるものもあったといわれるが、編曲され演奏されることもあるが、ピアノ連弾で十分の内容である。演奏的に難しい部分もなかろう、ヴィルトゥオーソ好きする技巧的要素がないので著名演奏家が取り組まず忘れ去られた作品になっていたのかもしれないが、このコンビの演奏なら十分。ちょっとおとなしいが曲の散漫さ(3楽章と、4楽章の二つの断片を除く部分が失われているので尻すぼみ感は仕方ない)をここまで聴かせるようにまとめたのは素晴らしい。じつに明確な二人の高低役割分担、高音が左から聞こえるのはふつう?とまれ、全曲だったら飽きてるかもしれない、この程度でよかったのかもしれない。これが初録音で、譜面もノエル・リーが編じたようである。
神話的題材はいかにもこのころからのちフランスの作曲主題になるものだが、この曲は初期の「交響曲」などとともに作曲されたものでロシアのクーチカの楽曲のような古風なロマンの風をのこす。印象派の新しい絵画よりベラスケスなど古典的な絵画世界に通じるしっかりした印象をあたえる(そういう意図だろうから良い)。ただし明るい響きや軽やかな動き、それは色調の変化に欠けいささか長すぎる感じもするが、とにかく小組曲に至る道筋をはっきり示し、ロマンティックな音楽からの離脱を宣言している。編成は管弦楽によるものもあったといわれるが、編曲され演奏されることもあるが、ピアノ連弾で十分の内容である。演奏的に難しい部分もなかろう、ヴィルトゥオーソ好きする技巧的要素がないので著名演奏家が取り組まず忘れ去られた作品になっていたのかもしれないが、このコンビの演奏なら十分。ちょっとおとなしいが曲の散漫さ(3楽章と、4楽章の二つの断片を除く部分が失われているので尻すぼみ感は仕方ない)をここまで聴かせるようにまとめたのは素晴らしい。じつに明確な二人の高低役割分担、高音が左から聞こえるのはふつう?とまれ、全曲だったら飽きてるかもしれない、この程度でよかったのかもしれない。これが初録音で、譜面もノエル・リーが編じたようである。