マルコ指揮シドニー交響楽団(SLS)1960/12/2live
セッションもしくは放送用録音かという音質。モノラルであるもののマルコにしてはノイズレスで聴きやすく、迫力がすさまじい。マルコの演奏は莫大になるか偉大になるかの両極端で、著名オケだと前者になりがちで正直遅くて客観的なのに部分的に激しいというロシアの悪い流儀を踏襲したような演奏になることが大曲では多い。この演奏は完全に後者である。序奏から主題提示よりぐいぐい引き込まれる。ダイナミズムに満ち溢れ、ハープまでが強くひびきイマジネーションを刺激し、何より構成が素晴らしくこの曲は十八番だったのではないかとまで思わせる。1楽章はどんな演奏でもよく聞こえるのだがこれはしっかり四楽章まで大きな構築がなされたうえで、激しい起伏が滑らかに織り込まれており数珠つなぎでどんどん聴かせてしまう。いや、こういう演奏があるからマルコはいい。おまけのフィンランディアは弦楽器が打楽器につぶされて聴きにくいのでフィンランディアよりこちらのほうがフィンランディア的感興を得られるだろう。
セッションもしくは放送用録音かという音質。モノラルであるもののマルコにしてはノイズレスで聴きやすく、迫力がすさまじい。マルコの演奏は莫大になるか偉大になるかの両極端で、著名オケだと前者になりがちで正直遅くて客観的なのに部分的に激しいというロシアの悪い流儀を踏襲したような演奏になることが大曲では多い。この演奏は完全に後者である。序奏から主題提示よりぐいぐい引き込まれる。ダイナミズムに満ち溢れ、ハープまでが強くひびきイマジネーションを刺激し、何より構成が素晴らしくこの曲は十八番だったのではないかとまで思わせる。1楽章はどんな演奏でもよく聞こえるのだがこれはしっかり四楽章まで大きな構築がなされたうえで、激しい起伏が滑らかに織り込まれており数珠つなぎでどんどん聴かせてしまう。いや、こういう演奏があるからマルコはいい。おまけのフィンランディアは弦楽器が打楽器につぶされて聴きにくいのでフィンランディアよりこちらのほうがフィンランディア的感興を得られるだろう。