ミュンシュ指揮スイス・ロマンド管弦楽団(SLS)1964/11/4ジュネーヴlive
何とまたミュンシュの2番。録音はまあまあで情報量がある(この曲は編成が小さいのでそこそこでいいのだけど)。闘争から勝利というベートーヴェン的展開をみせる典型的な「魅せる」オネゲルであり、しかし占領下パリにて作曲という状況説明のようなわかりやすさでは(書法的には凝っている)異色の交響曲とも言える。ミュンシュの2番だと60年代半ば近くなのでテンポが延び落ち着いたリズム取りだが、技術的にどうなんだろうと思うような感情的な音も出すオネゲル故国のオケは、三楽章のやらしいポリリズムをびしっと最後まで揃えやり抜き、ミュンシュのものとしてもかなり良い出来となっている。激して前のめりのテンポになりつつ(ミュンシュの気合いが変なところで入る)、ひたすら弦楽アンサンブルを聞かせようという感じで、転調してからも音量とテンポを一定に維持し決して見えを切るようなやり方をしない。トランペットは完全に援用にすぎない。この曲におけるミュンシュの晩年様式だからということもあろう。色彩味はほどほどだがボストンほど機械的ではなく、フランスオケの明るさを兼ね備え、一方音に重みがある(アンセルメも国民楽派などではそういう音を出させた)、ちょっと違った味わいがあり、おそらく特別な場において緊張感を維持できたから、盛大な聴衆反応を得られたのだろう。
何とまたミュンシュの2番。録音はまあまあで情報量がある(この曲は編成が小さいのでそこそこでいいのだけど)。闘争から勝利というベートーヴェン的展開をみせる典型的な「魅せる」オネゲルであり、しかし占領下パリにて作曲という状況説明のようなわかりやすさでは(書法的には凝っている)異色の交響曲とも言える。ミュンシュの2番だと60年代半ば近くなのでテンポが延び落ち着いたリズム取りだが、技術的にどうなんだろうと思うような感情的な音も出すオネゲル故国のオケは、三楽章のやらしいポリリズムをびしっと最後まで揃えやり抜き、ミュンシュのものとしてもかなり良い出来となっている。激して前のめりのテンポになりつつ(ミュンシュの気合いが変なところで入る)、ひたすら弦楽アンサンブルを聞かせようという感じで、転調してからも音量とテンポを一定に維持し決して見えを切るようなやり方をしない。トランペットは完全に援用にすぎない。この曲におけるミュンシュの晩年様式だからということもあろう。色彩味はほどほどだがボストンほど機械的ではなく、フランスオケの明るさを兼ね備え、一方音に重みがある(アンセルメも国民楽派などではそういう音を出させた)、ちょっと違った味わいがあり、おそらく特別な場において緊張感を維持できたから、盛大な聴衆反応を得られたのだろう。