想風亭日記new

森暮らし25年、木々の精霊と野鳥の声に命をつないでもらう日々。黒ラブは永遠のわがアイドル。

ふつうって何さ

2008-10-07 09:59:51 | Weblog
    【ことばと手垢3】       

     雨の日など、こんな感じです。
     なんだかこなれてきた気がします。

     なにがって?
     ふつうを、ふつうに過ごすことがです。意外と意外なんですよ、
     ふつうにってやると、ふつうじゃなくなるんですから。

     おいらは毎日だいたい決まったことをして過ごします。
     たとえ、メシの量を「ダイエット」とかいうて突然減らされても
     シッポを振り振り、横目でニニニニッておっかあに流し目送るのも
     大盛りの日と同じ。何も変わりません、早く食い終わるだけです。

     おいらが教えたっつうか、ま、たぶん見習ったつうか、
     ふつうじゃなかったおっかあが、「ふつう」にこなれてきたのは、
     おいらの存在あってのことかと思うよ。



     その通りです、親分さん。
     うさこは若い時分、家族から「普通に生きなさいよ」と言われ続けていました。
     そのたびに「普通ってなんだよ!、普通の何がいいのさ」と腹の中で思ってましたね。
     若い頃は誰しもおだやかさより刺激を求めます。
     そんな時期に普通にって言われてもわからなかったなあ。

     もし自分に似た若い人に今会ったら、「普通がいいよ」とは言わないと思う。
     どうしてかって、それでは言葉が足りないから。
     きっと昔のわたしと同じように、「なにがよ?」と反抗すると思うし。

     普通がいいからではなく、普通に生きることはとても難しいと言おうと思う。
     なぜなら、あまねくとおる、ですよ、普通って漢字の意味は。
     普通に生きるとは、自分の命に添って生きよということじゃないかなあ。

     命が物差しになるなら、悪あがきしたり嘘をついたり背伸びしたり
     あるいは誰かを裏切ったり無理したりしなくてもいい。
     毎日の一日一日を生きるというところに立ちなさい、そういう意味で
     跳ねっ返りのバカ者に家族たちが「普通が一番よ」と言いきかせていたのだと
     今ではよくわかります。

     でも実はそれが一番難しいことなわけで。
     普通の顔してる毎日、白状すれば誰もふつうじゃない。
     死ぬまであたふた、遺伝子に振り回されるわけで。

     そこいくと、親分は悟ってますね、
     命が毛皮を着て、こっちをみています。
     いのちのままにまっすぐだ。ぴかぴかして。
     親分の望みはこの先もずっと大盛りと、おっかあのそばだけだろうな。
     




 
     

     

     


  
     

     
コメント (2)
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