想風亭日記new

森暮らし25年、木々の精霊と野鳥の声に命をつないでもらう日々。黒ラブは永遠のわがアイドル。

ふたつ名 1

2008-10-22 15:11:24 | Weblog
 
   
   鬼平こと長谷川平蔵がカックよすぎの鬼平犯科帳。
   映像もいいのですが原作を読むと、さらにいい。

   最初の出会いは、とある地方(たしか湯布院?)の日本旅館で
   ロビーのソファ脇に誰かが置き忘れたような、かなり傷んだ文庫であった。
   読書は濫読ではあるが、なにせ池波正太郎までは手がまわらず
   初めてだった。
   一人で話相手もない、お酒も飲まない、歩きまわる気もない、そこで
   残るは読む、しかない。部屋に持ち帰ることを女将さんに了解をとると、
   あっさりとくださるというので頂戴した。
   たたみの上に腹ばいになって読み通し、帰路の新幹線の中でも読み
   気分はどっぷりと鬼平の世界。東京駅の雑踏で、少し我に返った。
 
   テレビ放映のせいで、中村吉右衛門のイメージが焼き付いている。
   読んでも頭の中では吉右衛門が動き回っていて、おまさは梶芽衣子。
   彦十おじさんも、同心たちも、みなはっきりとした顔が浮ぶのである。

   文庫全巻を揃え、何度か通読し、筋がわかっていてもテレビも見て
   飽きない。放映が終わると次はビデオでまた見る。
   精神衛生上まことに良いのである。
   疲れたときのリフレッシュ、毎日のろくでもないニュースにうんざり
   してるときなど、スカッとしたり、鬼平の人情にほろっとしたり、
   即効回復する。
   こんなのはなかなか他にないので、ハマルのである。

   ところで、登場する盗賊たちをはじめ女たちもみな、ふたつ名を
   持っていて、本名のほかに通名、綽名がある。
   それが個性を言い表しその名の付け方が絶妙で、誠に的を得ている
   のである。池波ファンならよく知ってることで。
   狐火の勇五郎とか、雨引きの文五郎(すきま風の異名あり)とか
   名前が物語をひっぱっていくんである。

   うちのベイビーは、ここではくんくん親分だが、
   もう一つの名はプーちゃん。プーちゃんって……ねえ?
   
   おおいびきで寝ている最中、プーと快音がし匂いがただよって‥。
   いい匂い(飼い主だけはそう思う)ふふふふ。
   あんまりよくプーをを発するので、プーちゃんとからかっていたら、
   それが普段の名になってしまった。
   生まれたときに付けた名ではあまり呼ぶ機会もない。
   注意を喚起しなければならないとき(車に注意とか)だけに
   なってしまって、つまり彼の名は彼の生態を表しているな。


        地面に這って緑の葉をつけている蔓性植物、赤い実がついてていいなあ。
        ところで、君はだれですか~?

   プーちゃんと呼ぶようになって、うさことの距離はまたいっそう蜜に
   なり、その役目は番犬以上介護犬並、ほんに気がまわる犬なのである。
   名は体、体ははたらき、能力を指すという話、明日へつづくー。
    
コメント
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