葉がすっかり落ち、紅い実が目立つようになったヤマボウシ
つい摘みとって食べたくなるのです(食べても大丈夫です)。
今日の主役は、紅い実ではなく黒い実、いや黒いあんこ玉。
ご存知、京都の和菓子屋さん「仙太郎」の老玉(うばたま)です。
「黒くて丸い形が、あやめ科の檜扇という植物の実に似ているので、
名付けられた。古くは夜、月、夢といった言葉の枕詞に、
ぬばたまの‥と用いられた。烏の濡羽にも似た漆黒の色なので
〈烏羽玉〉とも書き、ぬばたま、うばたま、と訓む。」
小さな折箱に掛けられた包装紙を裏返すと、裏に上の一文があります。
その次に和歌が一首。
その歌に、しばし釘付けになったのです。
老玉は仙太郎の数あるお菓子の中でも特に好物で、それだけを買うと
いうことはあまりないけれど、お使い物などで買物をしたときついでに
自宅用に買うのが常で、でも包装紙はすぐに捨ててしまうので裏に歌が
書かれてあることを今まで気づきませんでした。
万葉集巻二の八十九
相聞歌です。
「居明(いあか)して 君をばまたむ
ぬばたまの 我が黒髪に 霜は降るとも」
或る本の歌に曰く、と詞書があり、或る本とは万葉集編纂の底本(資料)となった
飛鳥、藤原朝頃の古い歌集のようです。
飛鳥時代とは今からさかのぼること千五百余年、そのいにしえの頃、
あなたのことを、ずっとずっと思い続けて待ち続けています、私の髪が
白いものに被われるくらい長い歳月がたとうとも、ここでまっています。
と歌った、その人がやんごとなき人かどうかなどというのはどうでもよく
その心が沁みてきます。
老玉を黒文字に刺し、じっとみつめて、ぬばたまの~と思うと
パクリと食べる気がいたしません、困りました。
おいしいのに、大好きなあんこ玉なのに、なんか胸キュンになっちまって。
PS:東京では伊勢丹新宿店地下一階に仙太郎はあります、他に銀座三越などにも
あるかと思います(最近の銀座はよう知りませんが)。
老玉は確かひと折で六百円くらいだと思います。
つい摘みとって食べたくなるのです(食べても大丈夫です)。
今日の主役は、紅い実ではなく黒い実、いや黒いあんこ玉。
ご存知、京都の和菓子屋さん「仙太郎」の老玉(うばたま)です。
「黒くて丸い形が、あやめ科の檜扇という植物の実に似ているので、
名付けられた。古くは夜、月、夢といった言葉の枕詞に、
ぬばたまの‥と用いられた。烏の濡羽にも似た漆黒の色なので
〈烏羽玉〉とも書き、ぬばたま、うばたま、と訓む。」
小さな折箱に掛けられた包装紙を裏返すと、裏に上の一文があります。
その次に和歌が一首。
その歌に、しばし釘付けになったのです。
老玉は仙太郎の数あるお菓子の中でも特に好物で、それだけを買うと
いうことはあまりないけれど、お使い物などで買物をしたときついでに
自宅用に買うのが常で、でも包装紙はすぐに捨ててしまうので裏に歌が
書かれてあることを今まで気づきませんでした。
万葉集巻二の八十九
相聞歌です。
「居明(いあか)して 君をばまたむ
ぬばたまの 我が黒髪に 霜は降るとも」
或る本の歌に曰く、と詞書があり、或る本とは万葉集編纂の底本(資料)となった
飛鳥、藤原朝頃の古い歌集のようです。
飛鳥時代とは今からさかのぼること千五百余年、そのいにしえの頃、
あなたのことを、ずっとずっと思い続けて待ち続けています、私の髪が
白いものに被われるくらい長い歳月がたとうとも、ここでまっています。
と歌った、その人がやんごとなき人かどうかなどというのはどうでもよく
その心が沁みてきます。
老玉を黒文字に刺し、じっとみつめて、ぬばたまの~と思うと
パクリと食べる気がいたしません、困りました。
おいしいのに、大好きなあんこ玉なのに、なんか胸キュンになっちまって。
PS:東京では伊勢丹新宿店地下一階に仙太郎はあります、他に銀座三越などにも
あるかと思います(最近の銀座はよう知りませんが)。
老玉は確かひと折で六百円くらいだと思います。