想風亭日記new

森暮らし25年、木々の精霊と野鳥の声に命をつないでもらう日々。黒ラブは永遠のわがアイドル。

今がしあわせ きぬかつぎ

2008-10-25 23:02:28 | Weblog

  朝陽のあるうちに外へ出た。
  ゆうべの雨の名残か、湿り気のある雑木林に陽が
  射し込んでちょうどよい温みだ。
  陽がなければ、森のなかは朝晩、肌寒いから。



  歩きつかれて、庭先にトドが一匹寝ていますなあ。
  オ トド メクダサルナ、ミョウシンドノ…と言ってみる。

  今日は朝から忙しかったが、来客にいいものをいただいた。
  掘り立ての大根と里芋、そして曲がり葱。
  大根を作りたいというばかりで、いまだに畑の用意もできない
  うさこには畑の見学を勧められる。
  見て倣え、そうすりゃわかるべ、と言われた。

  さといもを洗って、ふと思った。
  「今生(こんじょう)のいまが倖(しあわ)せ
           衣被(きぬかつぎ)」 鈴木真砂女
        
  これは波乱万丈の日々の生き抜いてきた真砂女さんの
  晩年の作、ほんとうの気持ちがこんなにぴたっと表れて、
  いい句というのはたくさんあるにしても、折に触れて思い出す。

  その句を何度か口にのせ、芋を洗いつつ、う~っと唸り、
  「大根の 泥みずながし すきとおる」
  と駄作をひねりだす。

  今生の~と言い切るにはまだちょっと修行が足りないので
  大根と里芋の黄金コンビを晩飯の膳にのせ、よく思案して
  みようと思うのである。
  食えばわかる、の理屈である(わからんだろ?)
コメント
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