りきる徒然草。

のんびり。ゆっくり。
「なるようになるさ」で生きてる男の徒然日記。

BYE BYE BYE

2009-10-24 | Weblog
相変わらずYOU TUBEをダラダラと見ていたら、このPVと再会した。
今、“再会した”と書いたが、正式には、歌と再会したのであって、
PVを見たのは今日が初めてだった。

歌は、知っていた。

いや、正確には、想い出した。
それと同時に、忘れていた“あること”も、想い出した。

22歳の頃、つきあっていた女性がいた。
1歳年上の照明メーカーに勤めるOLだった。
僕はその春、社会に出たばかりで、不慣れな仕事に戸惑いながら、
右往左往の毎日を繰り返していた。

仕事柄か、彼女は残業が多かった。
僕も、就職した会社が広告会社ということもあって、彼女と同じく
残業残業の毎日で、ゆっくり会えるのは日曜日だけという状態。

お互い、20代前半の男と女である。
しかも、携帯電話もメールもまだ存在しなかった時代。
そんな状況で満足なんてできるはずがなかった。

ある日、いつもようにクタクタに疲れて深夜のアパートに帰ると、
玄関のポストに切手の貼られていない封筒が入っていた。
開封すると、中には便箋が一枚と、カセットテープ。

彼女からだった。

便箋には、僕を傷つけないように、彼女らしい優しい言葉で、
別れの言葉が綴られてあった。
僕は手紙を読み終えると、今度は同封してあったカセット
テープをコンポで再生した。

すると、この曲が、流れてきた。

カセットテープが46分だったか60分テープだったか、さすがに
もうそこまで憶えていないが、A面の冒頭にこの曲だけが入っていた。
あとは、無音。
まるで、僕と彼女の交際を象徴しているような気がした。
時間の長さに比べて、想い出は、たったひと握りだけ。

意味は、分かった。頭では。
でも、心は震えなかった。
たぶん、当時の僕には、彼女が去っていくということに対して、
心が震えるだけの余裕がなかったのだと思う。

終わったか・・・。

狭いワンルームの部屋に無理矢理入れたソファーに寝転んで、
ぼんやりとタバコをくゆらせながら、僕はその事実を淡々と
静かに受け入れた。

1年にも満たない、短い恋だった。

あれから18年。
その後の彼女の消息を、僕はまったく知らない。
結婚したのかな。
でも、優しい反面、気の強いところがあったからな。
もしかしたら、まだ独身かもしれないな・・・。
まぁ、いいや。どこかで元気でいるのなら。
元気でいてくれれば、それでいい。

「BYE BYE BYE」GO-BANG'S


コメント
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