りきる徒然草。

のんびり。ゆっくり。
「なるようになるさ」で生きてる男の徒然日記。

夫婦。

2009-10-22 | Weblog
女優の南田洋子さんがお亡くなりになった。
享年76歳。

ここ数日の報道で、失礼ながら“もう長くはないだろう”と
思っていたが、まさか、こんなに早く逝かれるとは・・・。

芸能ニュースをご覧になった多くの方が最も関心を寄せたのは、
たぶん、ご主人の長門裕之さんの献身的な介護のことではないだろうか。
僕も、その一人だ。
南田洋子さんが危篤状態に陥った際、芸能記者の質問に答える長門さんの
口から出る言葉の一言一句が、否応に、僕の心の真ん中を射った。

「(洋子は)生涯で絶対失いたくないもの。先日、一生分のキスをしました」
「人間の機能を失った洋子のむくろでしかない。もう助からない。時間の問題です」
「洋子にもしものことがあったら、明日からどうやって生きればいいのか」
「俺の生涯で絶対に失いたくないものを失う時間を待っている」・・・etc.

人間とは、ここまで人を愛せるものなのだろうか。
ともに過ごした時間の長さの問題だろうか。
それとも、子どもの有無の問題だろうか。
・・・いや、そんな下世話な詮索はやめよう。自分が卑劣に思えてくる。

もしも今、妻が倒れ、僕が長門さんと同じ立場となったとしても、
たぶん、僕はそこまでの覚悟を決めたような言葉を口にはできない。
そこまで肝が座っていない。
きっと、ただただ狼狽するだけで、倒れて初めて、当たり前のように
いつもそこにいた妻の有り難みを、ヒシヒシと痛感するのが精一杯だろう。

僕は結婚して12年になる。
このブログを読んでいる人の中には、“まだ12年”と思う人もいれば、
“よくぞ12年“と思う人もいるだろう。

僕の周りにも色んな夫婦がいる。
高校卒業と同時に結婚して、子どもがもう成人を迎えた夫婦もいれば、
つい数ヶ月前に結婚したばかりの、新婚ホヤホヤの夫婦もいる。
いつまでも仲睦まじい夫婦もいれば、もうとっくに夫婦関係は破綻して
いるのに、社会的体裁のためだけに一緒にいる形骸化した夫婦もいる。

夫婦って、何だろう?

きっと死ぬまで答えの出ないこの命題を、たまに考えることがある。
そしてその答えは、おそらく長門さんのような状況まで経験して
達観できなければ出てこないのかもしれない。
その答えが出るまで、妻は僕を支えてくれるだろうか?
そして僕は妻を支えてあげられるだろうか?

最後に、
南田洋子さんのご冥福を心よりお祈り申し上げます。
コメント (2)
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