メジロ
春の天気は移ろいやすい。
午前は、青空が広がり、太陽の陽射しがあたりをすっきりと照らしていた。
小さい人と、庭を散策。
小さい人が、ぐみの木に遊ぶメジロを見つけた。
4羽、片時もじっとしないで枝から枝へと飛び移りながら、しきりに何かを啄ばんでいる。
ぐみの木に飽きると、もみじの木へと飛んでいく。
メジロはそこでも忙しなく動き回る。
先週から、大風が吹いては土埃を巻き上げ、辺りのものに容赦なく襲いかかる日が、繰り返す。
きれいに咲いた辛夷の純白の花びらが、痛めつけられて哀れ。
それでも、天に向かってその枝、花を伸ばすのだ。
蝋梅は、小さく透き通るような花を、枝いっぱいに咲かせる。
健気に春を謳歌する。
午後からさらに風は強まり、べったりと灰色の雲が空を蔽う。
このまま日暮れと思いきや、キッチンの北窓を赤い光が照らし出した。
窓を開けてみる。
暗紫色の雲が沈む夕日を押し込んでいるのか。
それに抗うかのように、夕日はことさら鮮やかな赤い光を放っている。
自分の手元足元ばかりに気をとられ、窓の外に目をやることを忘れがちになる。
劇的に、季節が移り変わるこの時期、視線を遠くに向けてみよう。
意識的に外を歩いてみよう。
鳥・花・夕日が、きっと心を癒してくれると思うから。
蝋梅
辛夷
夕日