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食べたいミラノ

2012-04-14 11:25:34 | 街たち
”にじいろジーン 世界まるごと見聞録”、本日のメニューはイラリアのミラノでございます。

ミラノといえば、ミラノコレクションでおなじみの最先端のファッションを発信する街として知られています。
今回のミラノは、いささか趣向を変えまして、グルメのミラノを紹介したいと思います。

最近のミラノでは、”アペリティーボ”というスタイルが流行っております。
食いしん坊のミラノっ子にとってのアペリティーボは、まさに望んでいたものです。
ドリンク1杯で、たくさん並べられた料理の数々から、好きなだけ食べ放題という願ってもないシステムに、胃袋を鷲掴みにされてしまいます。
しかし、驚くのは、アペリティーボで楽しんだあとにきっちりと食事をするグルマン・ミラノっ子なのでした。

ミラノの郷土料理に、”オッソブーコ”があります。
仔牛の骨付きすね肉を、香味野菜とトマトソースで煮込んだものです。
骨の髄が、とろとろとして、優しい味わいの一品です。
私は、かつて欧州で暮らした頃に、友人に教わってオッソブーコをつくったことがあります。
食べたことのないものを作ったのですが、香味野菜の穏やかな甘みと香りがトマトと仔牛をうまくまとめて、美味しく食べたのを思い出します。
いつかは、オリジナルのオッソブーコに舌鼓を打ってみたいものです。

今、ミラノっ子を虜にしているものに、”パンツェロッティ”があります。
具材を包んで油で揚げた、揚げピザといったものです。
モツァレラチーズや生ハム、ベーコンなど様々に、食べた食感は、外側がカッリと香ばしく、中はしっとりもっちりと、まるで揚げカレーパンのようだとも言います。

さて、ミラノ近郊の街パルマは、紀元前1500年には既に街をなしていた古都ですが、ここはその名を冠した美味しい食べ物があります。
パルマの生ハムです。
11世紀ごろには、作られていたそうで、パルマ大聖堂のタンパンのレリーフに、生ハムを作ろうとする人の姿が刻み込まれているのです。
パルマの生ハムには、”グールド””スペック””コット(蒸しハム)”など、部位や製法で名前がつけられ、使い分けをしているそうです。
中でも珍しいのは、”スパッラ・コッタ・ディ・サンセコンド”というハムです。
豚の肩肉の蒸しハムで、加工が難しいために数が出回らず、稀少で、大変美味しいハムだそうです。

また、チーズの有名な”パルミジャーノ・レッジャーノ”もあります。
年数を重ねることで、チーズの水分が減り、味に深みを増すのが特徴です。
このパルミジャーノ・レッジャーノを使った、パルマの家庭料理があります。
野菜スープにパルミジャーノの余った外側の部分を溶かしいれるものです。
チーズのコクととろみが、野菜スープに奥行きのある味をくわえる、優しいマンマの料理です。
パルマも、食と共に歩む街なのですね。

食べたいミラノ、いかがでしたでしょうか。
グルメではないけれど、食べることに意欲を燃やす私は、ミラノまるごといただきたいと思っております。