暮色の中のねこ、切り株の上で 6/5/2011
7日の日曜日は、かつてないくらい凄まじく荒れた天候だった。
茨城県西から栃木県東にかけて、4本もの竜巻が北東に向けて走った。
また、落雷や降雹に見舞われ、被害も相当ひどかった。
この日は、朝から蒸し暑く、空気がどんよりと重く感じた。
ねこの姿は、どこにもない。
きっと暑さを避けて、公民館の縁の下にもぐりこんでいたのだろう。
正午あたりから風が強くなりだし、西方から遠雷が聞こえてきた。
音のする空を見てみると、灰色の分厚い雲の塊が広がっている。
心なしか嫌な予感。
もしかすると、天気はとんでもなく荒れそうだ。
家の窓を全てぴったりと閉め歩く。
飛ばされそうなものを物陰へと移動する。
注意深く空の変化を見守った。
落ち着かない気持ちで歩き回っていると、テレビのニュースでつくば方面で竜巻被害があったことを知る。
それから程なく、突風が吹き始め、畑の土を横殴りにたたきつけだした。
そらには、真っ黒い雲が墨だまりのように形を変えながら押し寄せてくる。
竜巻にならないことを祈りながら、嵐が過ぎ去るのをじっと待つしかなかった。
そのうち、ボツボツと大粒の雨が落ちだして、嵐は東へと去っていった。
夕方まで雷の音は聞こえたけれど、夜に巨大な月が空に昇る様子が見られるように、嵐の気配は消えていた。
そして、とうとうねこの姿は現れなかった。
翌日、庭にはいつものねこのまどろむ姿があった。
いや、正体ないくらい熟睡していた。
声をかけても、耳をピクリとも動かさず、まして薄目を開けることもない。
たぶん、昨日の嵐を、全身全霊で耐え抜いていたのだろう。
ところで、今日のねこは、いつも通り芝生の上に仰向けで寝ていた。
3時になると、待ち伏せしていたねこに、「ごあん、おかああん」と声をかけられた。
落雷・降雹・竜巻注意報が出ているけれど、7日のねこの様子から推し量ってみて、今日はさほど荒れないだろうという気がした。
とりあえず今のところ、その予想は当たっているようだ。
ねこは、生来の感覚で、何かを察知するに違いない。
さしずめ我が家の気象予報士といったところだろう。
明日の天気はどうなるのか、ねこチェックは欠かせない。