台風22号が去って、今朝はあたり一面濃い霧に包まれていた。
白く霞む窓の向こうを眺めていると、ミンミンゼミの弱弱しい音が聞こえる。
これから温度が上がる前触れにしても、なんと間延びした音なのだろう。
しばらくたって、青空が広がり太陽が眩しく照りつける中、庭の掃除をしていると、杉の木からジジジジと羽音を立て蝉が落下して、篠の藪へと消えていった。
今朝のミンミンゼミだろうか。
その後セミの音はしなくなったが、今度はツクツクボウシが鳴き交わす相手もいないままぽつねんと一匹鳴き出した。
おっと、アブラゼミが後を引き継いだ。
蝉の雌は鳴かないというけれど、果たしているのかと鳴いている蝉を不憫に思う。
ときどきぶり返す暑さにつられて、這い出てくる蝉たち。
活動期が短い虫たちの出始めと終わりには、やきもき感がある。
生物の最大目的である子孫を残すことが首尾よく果たせないと、その存在価値が失われる気がしてならないから。
ただのスペアで終わることの恐怖が蝉たちにあるとは思えないのに、実際のところ自分の恐怖心の投影だとわかっていてもどうにもならない。
自分が絵を描いたり、文章をこうして書き続けるのには、そういう強迫観念からくるものだ。
自己顕示欲とはいささか違う、存在消滅への恐れ。
無になるということが、どうしようもなく恐ろしい。
まさに、季節外れの孤独な蝉に勝手な自己投影をしているのだ。
哀れなのは、今ぽつんと鳴く蝉ではなくて、蝉を孤独と思う自分なのだと思い知らされている。
白く霞む窓の向こうを眺めていると、ミンミンゼミの弱弱しい音が聞こえる。
これから温度が上がる前触れにしても、なんと間延びした音なのだろう。
しばらくたって、青空が広がり太陽が眩しく照りつける中、庭の掃除をしていると、杉の木からジジジジと羽音を立て蝉が落下して、篠の藪へと消えていった。
今朝のミンミンゼミだろうか。
その後セミの音はしなくなったが、今度はツクツクボウシが鳴き交わす相手もいないままぽつねんと一匹鳴き出した。
おっと、アブラゼミが後を引き継いだ。
蝉の雌は鳴かないというけれど、果たしているのかと鳴いている蝉を不憫に思う。
ときどきぶり返す暑さにつられて、這い出てくる蝉たち。
活動期が短い虫たちの出始めと終わりには、やきもき感がある。
生物の最大目的である子孫を残すことが首尾よく果たせないと、その存在価値が失われる気がしてならないから。
ただのスペアで終わることの恐怖が蝉たちにあるとは思えないのに、実際のところ自分の恐怖心の投影だとわかっていてもどうにもならない。
自分が絵を描いたり、文章をこうして書き続けるのには、そういう強迫観念からくるものだ。
自己顕示欲とはいささか違う、存在消滅への恐れ。
無になるということが、どうしようもなく恐ろしい。
まさに、季節外れの孤独な蝉に勝手な自己投影をしているのだ。
哀れなのは、今ぽつんと鳴く蝉ではなくて、蝉を孤独と思う自分なのだと思い知らされている。