rock_et_nothing

アートやねこ、本に映画に星と花たち、気の赴くままに日々書き連ねていきます。

ピーター・ラビットのふるさと、イギリスの湖水地方

2013-10-05 23:06:51 | 街たち
「にじいろジーン 地球まるごと見聞録」イギリスの中西部にに位置する湖水地方は、東京都ほどの面積に大小500の湖が点在する風光明媚なところ。
中世より変わらない特産のスレートを積み重ねた塀や家の外壁と豊かな自然の織り成す光景は、この地方の独特の景観をつくっている。
ピーター・ラビットの作者であるベアトリクス・ポターはこの地方に暮らし、身近にいる野ウサギをモチーフにして作品を生み出した。

湖水地方の南西部のレーングラスに、1182年からのマンカスター城がある。
この城の庭で、鷹などのショーが行われ、イギリスの固有種のフクロウであるブリティッシュ・バーンも見られる。
実は、城には、世界でも珍しいワールド・オウル・センターが併設され、ヨーロッパにおいてフクロウは森の賢者または知恵のシンボルとして敬愛されていることもあり、多くの種類のフクロウが飼育されているのだ。
マンカスター城は、ペニントン家の屋敷として今も住居としての役割を持ち、かつ宿泊できるスペースも備えている。
多くの古城には、その城特有の幽霊伝説がある。
マンカスター城にも幽霊がいて、400年ほど前に実在した道化師トム・ザ・フールと言う名だ。
なんとゴースト・ツアーなるものがあり、トム・ザ・フールの出没する部屋に泊まることができる。
心臓の強い方はぜひどうぞ。

湖水地方のグルメ。
「キングス・アーム」は老舗パブで、一押しは丸く渦を巻いた形のカンバーランド・ソーセージ。
コショウとハーブの効いたスパイシーなソーセージにグレービーソースを合わせるのが、美味しい食べ方。
カンバーランド・ソーセージの形状にはきちんとしたわけがあり、一般的にソーセージは目方売りなのだが、このソーセージは長さで切り売りしていたため丸く渦巻いた形になったというもの。
「ローサイザン・バーン」は、近郊農家のオーガニック野菜と自家製ジャムを扱うのだが、食事をしながら牛の搾乳を見られる農場カフェもしている。
食育の一環として、食べ物がどのようにできるのか目で見られるようとのコンセプト。
このカフェで食べられるケンタル・クリーミーという特産チーズを使ったチーズ入りオムレツは、絶品。
「ファラーズ」は、1819年創業のカフェ。
スティッキー・トフィー・プディングは、黒糖を使った伝統のスポンジケーキにバターを加えた温かいキャラメルソースをかけて食べる。
このケーキにあわせるお茶は、特別にブレンドしたもの。
イギリスの水、おおむね硬水だが、湖水地方は軟水なためセイロンなどを中心にして紅茶のブレンドを変えているのだ。
さすが、紅茶にこだわるお国柄。

ピール・アイランドという小島は、島の王様を一般に募集するユニークなシステムをとっている。
王様の使命は、島の管理とここにあるパブの経営。
そしてパブの収益が、王様の収入手段となる。
現在、ピール・アイランドの王様は23代目とのことだ。

イギリス人の原風景ともいえる湖水地方、この美しい景観が終生続くよう世界中の人が願うことだろう。