rock_et_nothing

アートやねこ、本に映画に星と花たち、気の赴くままに日々書き連ねていきます。

もう一度見たい映画『ダウンタウン物語』

2013-10-10 22:45:47 | 映画
確か小学生の頃だったか、夜の11時をまわったころにちょっとマイナーな優良映画を流すテレビ番組があった。
眠い目をこすりながら、度々観ていた映画の中に愉快痛快な作品『ダウンタウン物語』がある。
20世紀初頭のニューヨークが舞台のギャングを描いたミュージカル映画なのだが、それを全てバッチリとファッションを決めた子供たちが演じているところがミソだ。
その演技者の子供たちとそう違わない年齢だった自分は、すっかり感情移入してしまい、あたかも自分が登場人物の一員であるかのごとく感じ、しばしスリルと興奮に埋没したのだった。
すっかりこの映画が気に入ったので、またいつか見たいと思っていたけれど、今に至るまで見る機会に恵まれていない。
レンタルビデオやDVDで探してみてもなく、どうか再販してもらいたいものだ。

なぜ、今ここに書いているかといえば、読み終わった筒井康隆の『敵』という本の主人公がこの『ダウンタウン物語』をお気に入りの映画としていたことで、触発されたから。
また、エドモンド・ロスタン『シラノ・ド・ベルジュラック』にいたっては心酔しきっている設定で、自分にとって我が意を得たりと仲間に出会ったような気がし、架空の人物なのにうれしくて、それがなおさら『ダウンタウン物語』をもう一度見たい気持ちを再燃させたこともある。

大人も子供も楽しく見られる映画は、本当に少ない。
この『ダウンタウン物語』は、そのような希少な作品であることは間違いないと思っている。