大橋むつおのブログ

思いつくままに、日々の思いを。出来た作品のテスト配信などをやっています。

高校ライトノベル・『私家版・父と暮らせば・2』

2016-09-01 06:15:19 | エッセー
大人ライトノベル
『私家版・父と暮らせば・2』
     


 父は、2011年11月11日という、まことに覚えやすい日に逝った。

 人交わりが極端に下手で、家族とさえ上手くいかなかった父は、認知症の始まった母といっしょに、七十代の後半から、介護付き老人ホームに入った。より正確には、姉と相談して入れた。

 これだけ書くと、親不孝な息子と思われるかも知れない。

 妄想癖の強い父には、若い頃から、幻聴や幻視があった。ちょっとした不幸があれば「誰かが呪っている」「悪魔がついている」と大声でいい、子供であった、わたしと姉は、狭い社宅の隅で小さくなっていた。わたしが、小学校一年生の時に左手を骨折したときなど、悪魔払いのつもりであろうか、長時間仏壇に向かい、怪しげな経文を唱えていた。
 特に職場の特定の同僚や先輩のことを蛇蝎のように罵っていて、具合の悪いことに、一番嫌な先輩は社宅の隣である。安普請の社宅では声が筒抜けで、その根拠のない罵声は、当然のことながら御本人の耳にも入り、二度ほど穏やかに諭されに来られた。御本人を目の前にしては何も言えない父であった。小学生ながら不甲斐ないオッサンだと思った。

 母には手が出た。今風に言えばDVである。

 少しずつ進行していく母の認知症が父には理解できなかった。「また、訳のわからんこと言いやがって!」
 と、拳を振り上げ、母を殴ろうとする。当時父も母も七十代の前半であったが、母が家事ができず、また骨折や脳内出血で入退院をくり返すので、わたしが、二年連続で介護休暇をとり、三年目には、当時ヘルパーをやっていた姉が引き取った。
 そして、同じことがくり返された。ヘルパーをやっていた姉の職業的な目からも両親の在宅介護は限界であった。
 ある日、同じように母の認知症に業を煮やした父は、母に打擲を加えた。姉は職業的な厳しさで父を叱った。そして、父が家出した。
「もう、こんな親不孝もんの家には居てられるか!」

 一晩、姉は様子を見たが、大阪駅から「さようなら」と一声だけのメッセージを電話して、それが切れたところで、わたしのところに電話があった。
 その足で姉の家に行き、親類中電話し、所在が掴めないので、ヤキモキした。
 刑事をやっている甥もやってきた。
「服の裏に名前と住所書いたんねんやろ。保護されたり、なんかあったらネソ(曾根崎警察)あたりから連絡あるで、梅田は広い、捜しにいっても自己満足や、まず二十四時間。それ過ぎたら捜索願出そ」
 そして、ほぼ二十四時間後に父はフラフラで帰ってきた。

 姉は、この段階でケアマネさんと話して、介護付き老人ホームにいれることを決意した。

 幸い、新築で、父の年金でまかなえる介護付き老人ホームが見つかったので、そこへの入居を決めた。両親を連れて下見もし、皆が納得の入所であった。
 父の幻聴、幻視は、その後もつづいたが、ホ-ムのヘルパーさんなどが、うまく受け止めて下さっていた。

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高校ライトノベル・タキさんの押しつけ映画評・21『エクスペンダブルス・2』

2016-09-01 05:52:43 | 映画評
タキさんの押しつけ映画評・21
『エクスペンダブルス・2』


この春(2016年4月)に逝ってしまった滝川浩一君を偲びつつ

これは、悪友の映画評論家滝川浩一クンが個人的に流している映画評ですが、面白く、鮮度も良く、もったいないので、本人の了解を得て転載したものです。



 いやいや、1もそうでしたけど、オッチャン達が楽しそうにやっとりまんなあ。アクションは前作を遥かに凌駕、「ACT OF VALOR」っていうNAVY SEALに関する本物映画が有りましたが、明らかに影響うけとります。

 ここまで来ると、人間なんて単なる血袋を肉で包んだだけの存在かいなと思わせられる。ヤンキーが「水滸伝」を現代版でやっていると思えば 当たらずとも遠からずですね。
 本作には新メンバーが何人か出とりますが、その中の一人チャック・ノリス(古くは「ドラゴンへの道」でB・リーと対決した空手チャンプ、他に「デルタフォース」、「地獄のヒーロー」等 所謂地獄シリーズ)の扱い方が別格。チャック・ノリスは アクションがハイテク化していく流れの中にあって、愚直な位 真っ正面から殴る、蹴る、ぶっ放す一筋で来た人、存在が「生きた伝説」に成っている。なんせ「チャックは一輪車でウィリー走行が出来る」??????とか「地獄には“チャック・ノリスお断り”の立て札が建っている」なんぞと言われていたり、彼の仕事に対して「継続は力、低俗は聖なり」なんて言われていたりする。
 スタローンですらチャックに対しては剥き出しの敬意を払っているってのが ありありと判ります。色んな意味でホンマモンっちゅう事なんでしょうねぇ。 前作では ほんのチョイと出だったブルースとシュワルツェネッガーも大暴れ、ブルースが「戻ってきすぎだ」とか「溶鉱炉で溶かすぞ」とやるとシュワルツェネッガーが「イッピ カイ エー」と切り返す。まぁ他愛無いんですが結構ツボにハマって大笑いしちまいました。
 しかし、アイデンティティがまるっきり“中坊”ですねぇ「ツオイ奴が偉い!」……ここまでやったら爽やかですらありますわ。
 そんでもってスタローンの丸太のごとき両腕はやっぱりそのまま、こうなると元には戻らんのでしょうねぇ、あの腕で日常生活が出来るのが不思議に感じます。今回ミッキー・ロークが出ていないのがちょっと寂しい。たまには頭空っぽにしてエヘラエヘラ楽しめる映画もええもんです。

 エクスペンダブルス3には誰が出るんでしょうねぇ…続編の話は今んとこ有りませんが、アタシャ勝手に盛り上がっております。
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