希望ヶ丘青春高校有頂天演劇部の
鉄火場④戯れに恋はすまじき……
日曜祭日考査中もブログは休んじゃいけないという三好部長の申しつけで、本日は、ぼく由利鎌之が担当します。
ぼくは性別不明ということでお願いします。
上の左側の写真の四人の一人がぼくです。で右側のアップが楽屋でのぼくです。
「ぼく少女」というわけではありません。あえて性別は伏せております。わが自由が丘青春高校は偏差値もお行儀もいいのですが、制服がありません。だから、その日その時の気分で好きな格好で登校しています。
だから見かけでは、性別さえ判然としない者が、学校には数人おります。ま、その中の一人と思ってください。
高校三年間、演劇部をやっていれば恋する役も回って来るかな……というわけでもないんですが、芝居を演るものは恋の一つもできなきゃいけません。
故森繁久彌先生もおっしゃっておいででした
「役者は人生のピンとキリを知っておかなきゃいけないよ」
で、試しに……と言っても、最初から企んだわけじゃないんですけど、去年の地区発表会のおりに程よい重さの道具があったので、重くて持てないふりをしたんです。
てっきり、すぐそばにいるO高校の男子が声を掛けてくれると思ったんです。
しかし、こいつが度し難い……草食系。有り体にいえば玉無し野郎。すみません、下卑た言葉を使いました。
この鉄火場ブログは、文法上の間違いが無い限り打ち直しはしないというのが仁義です。
で、この玉無し野郎の替りにやってきたのがO高校の顧問。ま、即興のエチュードのもっとシビアなものなんで、中断することもできず、ご親切に甘える風にして「ありがとうございます」と言いました。
言っておきますが、このO高校の先生の対応は間違っています。
本来ならば、顧問として「女子高生」が困っているのを見過ごしにした玉無し男子生徒を指導すべきです。しかし、こちらも仕掛けた都合、意に反して引っかかった、この顧問を相手にせざるをえません。
額にうっすらと汗がにじむころ、そっと額の汗を拭くふりをして、うなじとTシャツの袖の中、腋の下が先生に見えるようにしました。
明らかに男として反応されました。
「ありがとうございました」
きっちり挨拶するときも、胸の谷間が自然に見えるように工夫もしました。
「おい、鎌の字、初手からやりすぎだぜ」
三好先輩は、ほとんど姿も見せないのに、部員のわずかな挙動も見逃してはおられません。解散後チクリとご意見されました。
しかし、三好先輩もなかなかのお方、さりげなく部員名簿を椅子の上に置き、O高校の先生の目に触れるようにし。
「この由利鎌之っての、なんだか男みたいな名前に見えますけど、カマユキじゃなくてカマノって読みましてね。家は古風な置屋で、もちろん今は……あ、穴山さん!」
ごく自然に、O高校の顧問の先生が写メる間をお作りでした。
それから……いろんなことがあって、この顧問の先生とは個人的にもお付き合いすることになりました。お付き合いと言っても先生の身分に関わるような一線は越しません。
ところが、先日劇団〇〇の公演を御一緒させていただいた時には「帰りには迫られるなあ」と予感しました。
インターミッションの間に化粧室へ行くふりをして、駐車場の先生の車のブレーキオイルを程よく抜いておきました。
詳しい描写は、個人の特定につながりますので、ほんのさわりを……。
「ん、ブレーキの利きが甘いな……」
目の前に二トントラックが迫ってきました。
ぼくは、とっさにシートベルトとドアロックを外し、車の外に転がり出ました。先生の車は、あえなくトラックに衝突。中破といった壊れよう。
「あの時、先生は、わたしの身を案じ、ドアから出してくださったんです。あの機敏な行動がなければ、わたしも無事じゃありませんでした」
ぼくの怪我? これでもスタントの資格持ってるんで、ほんのかすり傷。まあ、他校の「女生徒」を車に乗せていたことは少し問題になりましたが、勇敢な自己犠牲で救ったことでチャラです。
戯れに恋はすまじき……それにしても、あのO高校の草食系、今年こそは……。
鉄火場④戯れに恋はすまじき……
日曜祭日考査中もブログは休んじゃいけないという三好部長の申しつけで、本日は、ぼく由利鎌之が担当します。
ぼくは性別不明ということでお願いします。
上の左側の写真の四人の一人がぼくです。で右側のアップが楽屋でのぼくです。
「ぼく少女」というわけではありません。あえて性別は伏せております。わが自由が丘青春高校は偏差値もお行儀もいいのですが、制服がありません。だから、その日その時の気分で好きな格好で登校しています。
だから見かけでは、性別さえ判然としない者が、学校には数人おります。ま、その中の一人と思ってください。
高校三年間、演劇部をやっていれば恋する役も回って来るかな……というわけでもないんですが、芝居を演るものは恋の一つもできなきゃいけません。
故森繁久彌先生もおっしゃっておいででした
「役者は人生のピンとキリを知っておかなきゃいけないよ」
で、試しに……と言っても、最初から企んだわけじゃないんですけど、去年の地区発表会のおりに程よい重さの道具があったので、重くて持てないふりをしたんです。
てっきり、すぐそばにいるO高校の男子が声を掛けてくれると思ったんです。
しかし、こいつが度し難い……草食系。有り体にいえば玉無し野郎。すみません、下卑た言葉を使いました。
この鉄火場ブログは、文法上の間違いが無い限り打ち直しはしないというのが仁義です。
で、この玉無し野郎の替りにやってきたのがO高校の顧問。ま、即興のエチュードのもっとシビアなものなんで、中断することもできず、ご親切に甘える風にして「ありがとうございます」と言いました。
言っておきますが、このO高校の先生の対応は間違っています。
本来ならば、顧問として「女子高生」が困っているのを見過ごしにした玉無し男子生徒を指導すべきです。しかし、こちらも仕掛けた都合、意に反して引っかかった、この顧問を相手にせざるをえません。
額にうっすらと汗がにじむころ、そっと額の汗を拭くふりをして、うなじとTシャツの袖の中、腋の下が先生に見えるようにしました。
明らかに男として反応されました。
「ありがとうございました」
きっちり挨拶するときも、胸の谷間が自然に見えるように工夫もしました。
「おい、鎌の字、初手からやりすぎだぜ」
三好先輩は、ほとんど姿も見せないのに、部員のわずかな挙動も見逃してはおられません。解散後チクリとご意見されました。
しかし、三好先輩もなかなかのお方、さりげなく部員名簿を椅子の上に置き、O高校の先生の目に触れるようにし。
「この由利鎌之っての、なんだか男みたいな名前に見えますけど、カマユキじゃなくてカマノって読みましてね。家は古風な置屋で、もちろん今は……あ、穴山さん!」
ごく自然に、O高校の顧問の先生が写メる間をお作りでした。
それから……いろんなことがあって、この顧問の先生とは個人的にもお付き合いすることになりました。お付き合いと言っても先生の身分に関わるような一線は越しません。
ところが、先日劇団〇〇の公演を御一緒させていただいた時には「帰りには迫られるなあ」と予感しました。
インターミッションの間に化粧室へ行くふりをして、駐車場の先生の車のブレーキオイルを程よく抜いておきました。
詳しい描写は、個人の特定につながりますので、ほんのさわりを……。
「ん、ブレーキの利きが甘いな……」
目の前に二トントラックが迫ってきました。
ぼくは、とっさにシートベルトとドアロックを外し、車の外に転がり出ました。先生の車は、あえなくトラックに衝突。中破といった壊れよう。
「あの時、先生は、わたしの身を案じ、ドアから出してくださったんです。あの機敏な行動がなければ、わたしも無事じゃありませんでした」
ぼくの怪我? これでもスタントの資格持ってるんで、ほんのかすり傷。まあ、他校の「女生徒」を車に乗せていたことは少し問題になりましたが、勇敢な自己犠牲で救ったことでチャラです。
戯れに恋はすまじき……それにしても、あのO高校の草食系、今年こそは……。