あるきメデス

あちこちを歩いて、見たこと、聞いたこと、知ったこと、感じたことなどを…

四国遍路道ある記(後編)・愛媛その9

2006-12-09 21:45:01 | 初めての四国遍路
 昨日夕方帰宅しました。今日は1日冷たい雨、四国遍路ではあまり
感じなかった、寒さが気になります。

 1か月余り中断していた、2年前の四国遍路後半のレポート続きを
再開します。今年ではありませんので、お間違えの無いよう。

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 第4日 2004年11月16日(火) 晴
 〈47番八坂寺~52番太山寺〉
 =松山市内を抜ける=
 
 5時40分起床。6時朝食、坊さんのいる団体はもう終えていた。
6時45分に出発。宿の前、昨日参拝した46番浄瑠璃寺は一礼して
西に抜ける。

 へんろ道を0.9㎞で47番八坂寺へ。鐘を突いてから参拝、読経。
本堂はコンクリート造り。カシの古木が何本かあるが、開放的な境内だ。

 ちょっと変わった山門の天井に、天使が描かれていた。

 北に向かい池の角を進む。市街地には陽が差しているが、ここはまだ
なので寒い。畑に50㎝くらいも茎の伸びたキャベツのような野菜が
ある。

 春にもどこかで見た記憶があるが、何だったろうか。

 恵原町に、別格霊場9番の文殊院があったので参拝して読経。四国
霊場を開祖した河野衛門三郎の菩提所で、衛門三郎の新しいと石像が
立つ。
 
 納経所で熱いお茶のお接待をいただいた。

 恵原町の住宅街は、狭い道路沿いに精巧な鬼瓦をあげた家が多く、
落ち着いた雰囲気の町並み。次の今市には、大宮八幡の先に札始大師
堂があり、「お大師様お泊まり所」と記されていた。


 川幅500mくらいある重信川の久谷大橋を渡り、車がめったに通ら
ぬ松山自動車道の下を進む。南高井町の交差点先にも、小さい大師堂
があった。

 すぐ北が48番西林寺。門前にきれいな川が流れている。その上を
石橋で渡って山門をくぐる。
 
 納経所前の庭は、松やモミジがよく手入れされていた。

 西に抜け、高井公園前の内川沿いに進む。滋賀神社前の流れには細長
い貝が多く、ハヤだろうか、小さい魚も沢山泳いでいた。


 松山リハビリテーション病院横を北に、小野川の遍路橋を渡る。久米
小の横を抜けて伊予鉄道久米駅の東を進むと、突き当たりが49番浄土
寺である。

 本堂は室町時代の代表的建造物で国重要文化財。納経所へ行く古い
土塀が傾き、今にも倒れそう。楠の下に子規の句碑があった。

 この先、市内各所の寺に句碑があり、松山市が俳句の町だということ
を実感する。

 西北にある日尾八幡神社にも参拝する。日本3大八幡のひとつとか。

 天平勝宝4年(752)、大分の宇佐八幡から勧請し、孝謙天皇の勅願
所となったという古社。

 145段の石段、背のザックが重い。太いしめ縄のあがったりっぱな
社殿に、剣道スポーツ少年団の掲額が幾つも奉納されていた。

 次の繁多寺に向かう道、車が多いのに歩道が無い。墓地の間を進む
へんろ道に入ってホッとする。

 ミカン畑の横を抜けて、50番繁多寺に上がる。高台にあり、境内の
広場からは松山市街の展望がよい。背後の森は、広葉樹や杉がうっそう
と茂っている。


 山すそを西に向かう。桑原八幡の先は道路工事中でちょっと分かりに
くい。

 畑寺から東野の住宅地を北に進み、石手川の遍路橋を渡り、51番
石手寺に着いた。

 10月28日から11月20日まで菊花灌頂中とあり、本堂の前など
がきれいな菊で彩られ、各お堂には、五色の幕が下がっている。

 灌頂とは、仏教の儀式で頭に水を注ぐことらしい。広い境内は参詣客
が多い。

 期間中、大師堂のお大師様と参拝者は、三色のひもで縁を結ばれる
ようになっている。また、この期間、本堂内も拝観できるとのこと。
大師堂から入り、手まりの絵が並ぶ絵馬堂を経て本堂内を一周する。
本堂内、仏様の回りも菊で飾られていた。

 正午を過ぎたので、門前にあったみよし食堂に入り昼食とし、名物、
梅こんぶうどんを食べた。

 山すその道を西に向かう。道後温泉街の手前にある伊左爾波神社に
135段の石段を上がって参拝。檜皮葺の本殿や回廊は、鮮やかな朱
塗り。回廊には、りっぱな御輿が保管されていた。


 道後温泉の旅館街からアーケード街を西に抜け、御幸寺山のふもとを
進む。護国寺の先、御幸寺の前に一草庵というのがあった。昭和15年
10月に没した放浪の俳人、種田山頭火終焉の地で、山頭火の句など、
資料を展示している。

 ちょうど帰ってきた管理人の方から、「寄って行きませんか」と言わ
れたが、先の予定もあり、外の句碑を見ただけで失礼する。

 松山大のグランドやキャンパスの間を抜け、国道56号に出る。市街
地だが、国道沿いの流れもきれいで、ハヤと思われる小魚が沢山泳いで
いた。

 山越1丁目の歩道橋を越え、少し戻って西に向かい、久万ノ台まで
まっすぐに進む。

 松山西高と池の間に出るつもりが、手前で右に入ってしまい、少し
回り道して高校の北側から池のそばに出た。夏ミカン畑の先、少年鑑別
院や松山学院前を過ぎ、JR三津浜駅を跨線橋で越える。

 駅西側の、新しくて広い県道19号から、松ノ木で県道183号に入
り北に向かう。坂を上がり、ゴルフ場の西からはへんろ道へ。ミカン畑
の間を下り、52番大山寺一の門の門前を進む。

 この寺は参道が長く、仁王門から納経所前を経て、本堂まで570m
ある。17時の納経締め切り時刻に間に合わせねはと急ぐが、上り坂で
ザックが肩に重い。

 古い様式の本堂は国宝。仁王門も国重文で、ほかの建物もみな古い。

 朝早く宿を出た坊さんグループの一行が後からやってきた。どうやら
44番、45番もまわってきたようだ。それにしても、歩いてきた私と
一緒になるとは…。

 納経も間に合い、車の多い県道183号を北東に急ぎ、17時17分、
JR伊予和気駅に着いた。

 17時34分発松山行き予讃線に乗り、18時過ぎ、松山駅に近い松山
東映ホテルに入る。

 事前に連絡をとっていたFさんが18時半に来た。Fさんとは、20年
前、職場が一緒だった。近くの和食料理店で21時過ぎまで夕食を食べ
ながら懇談する。

 今日は涼しく、納経を急いだ大山寺以外は汗もかかず、遅いこともあり、
洗濯は無しとする。それでも就床は23時近かった。

〈コースタイム〉民宿長珍屋6:45ー47番八坂寺7:00~20ー文殊院7:34ー
札始大師堂8:17~25ー48番西林寺8:52~9:15ー49番浄土寺10:05~35
ー日尾八幡社10:39~49ー50番繁多寺11:08~33ー51番石手寺12:11~55
ーみよし食堂(昼食)13:00~20ー一草庵14:10~13ー松山学院先の小公園
15:19~28ー52番太山寺16:15~47ーJR伊予和気駅17:17~34=松山駅
17:42ー松山東映ホテル18:05頃

(距離 27㎞、地図 松山南部、松山北部、三津浜、歩行地 松山市、
歩数 48,800)
コメント (2)
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