あるきメデス

あちこちを歩いて、見たこと、聞いたこと、知ったこと、感じたことなどを…

四国遍路道ある記(後編)・愛媛その10

2006-12-10 22:36:17 | 初めての四国遍路
 雨も上がり好天となり、昼過ぎ、買い物に出かけました。

 なんだか肩と足が軽く感じられます。それもそのはず、1か月近く、
毎日8~9kgの荷を背負って歩いていた生活から解放されたわけ
ですから…。

 引き続き、1昨年秋のレポートを続けます。

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 第5日 2004年11月17日(水) 晴 <53番円明寺>
 =鎌大師で山下さんと=
 
 6時10分起床。7時に朝食をして、7時半ホテルを出る。松山駅
7時46分発で、7時57分に伊予和気駅(下の写真)に着く。


 今日の最初は、近くの53番円明寺。

 境内は、そう広くないが正面に本堂、左手前に大師堂など、こぢん
まりとお堂が配置されている。

 JRの東に出て北東に向かうが、道路工事中の所を早く曲がってしま
い、少し回り道となる。昨日もそうだが、道路工事の所はよく注意しな
いと道を間違える。

 国道183号に戻り、跨線橋でJRを越える。次の堀江駅でトイレを
借用。駅舎は有蓋貨車を転用したもので、もちろん無人である。


 町外れに出ると海が見え始め、すぐに海岸沿いになる。防波堤に
ウミウとカモメが休んでいた。粟井坂の突端に、「海鮮北斗」という大き
な建物、近くに大師堂があったが拝礼のみで通過する。

 河原集落にも大師堂があった。粟井川の先で国道はJRの東側に回
ったが、遍路道はまっすぐに海沿いの県道179号を進む。だがこの道、
歩道があってもU字溝の上だったり、歩道の無いところもあり、歩きやす
いとはいえない。

 毎日メールで情報交換している逆打ちの山下さんと今日会えることに
なり、携帯で連絡を取り、11時半頃、この先の鎌大師で落ち合うことと
した。

 北条の市街地に入り、コンビニ、サークルKで2人分の弁当を調達、
JR予讃線の東に回り、市役所前を経て立岩川を渡る。鴻之坂の上り
口にある番外霊場鎌大師に、11時35分に着いた。

 5分と違わずに山下さんも到着。日焼けした血色のよい顔はお元気
そうで、すでに2週間の遍路旅にも、疲れのないことが感じられた。

 買ってきた弁当で昼食後、情報交換。私はまだ5目なので、もっぱら
山下さんから有益な情報をいただき、さらに、サポートメール「竜馬16」
のグループのことなどもお聞きした。

 57番栄福寺で入手したというかわいい鈴をいただき、早速ザックに
着ける。2時間近くも話がはずみ、この先、お互いの元気を祈って鎌
大師を出た。

 鴻之坂の上り坂で、北条市のマンホールふたに、「腰折といふ名も
をかし春の山」との句が記されているのに気づいた。


 坂を下って行くと、ミカン畑の斜面の向こうに浅海原の町並みと瀬戸
内海の展望が開けてきた。


 JR予讃線の線路の先で国道196号に入り、浅海駅前通りの先で
海岸寄りの旧道へ。自生のツワブキの花がきれいに咲いている。この
通りにも、松山市内で見たような精巧な鬼瓦を乗せた家が多い。


 再び国道に出て岬を回る。岬の部分だけ歩道が無く、猛スピードで
通過する車が恐かった。

 北条市から菊間町に入る。漁船の並ぶ田之尻漁港横を通過、次の
岩童子から水尻辺りには、菊間瓦と呼ぶ瓦工場が多く、2階建ての
屋根までの高さの鬼瓦を飾った工場もあった。


 水尻に、弘法大師厄除け別願所、遍照院があったので参拝、読経
して休憩する。
 
 鐘楼のある山門の屋根には、やはり大きな鬼瓦が上がっていた。

 山下さんに寄るように勧められた「かわら館」は、菊間駅西側の
踏切を越えた丘陵下にあった。ねずみ色の瓦屋根と白壁が真新しい
4階建て。

 最上階は郷土作家の絵画など芸術作品、3階以下に社寺の古い鬼
瓦、雌雄2面の大鬼瓦を乗せた遍照院の山車、全国の瓦産地の紹介、
菊間瓦の説明などが展示されていた。

 遍路中、このような初めての地の産業を知ることは、私の楽しみ
の一つである。

 菊間駅の東側から国道に戻る。葉山まで進むと、行く手に太陽
石油のタンクと煙突群が林立している。高田で海沿いの旧道に入る。
 海には島影が一つ、海岸沿いにも瓦の製造工場が並んでいた。


 川沿いに国道まで戻り、太陽石油横の坂を上がる。17時近くなり
日が陰って冷えてきた。伊予亀岡駅周辺も線路寄りの旧道を抜ける。
大西町に入ると、「タオルと造船の町」の看板が立っていた。

 宿で翌朝聞いたら、造船は来島ドック、タオルは今治とともにこの
町の主産業だという。

 別府の町並みも旧道へ。ここも鬼瓦の上がった家が目につく。とう
とう暗くなり、三日月が高く上がった。危ないのでペンライトを点けて、
前方からの車に照らしながら急ぐ。

 大西町の中心街に入り、18時ちょうど、大西駅前のあさひ旅館に
着いた。

 早速洗濯機を借り、洗濯中に入浴。部屋、風呂とも清潔。浴槽は
家庭用のステンレス製。19時過ぎ夕食をいただく。主食はカレー
ライスだが、コイの頭煮、アジの天ぷらなどおかずは十分だった。

 宿泊客の対応は背の高く元気なご主人が切り盛りしているようで、
翌朝もおかみさんは姿を見せなかった。遍路客は私だけ、ほかに
工事の人だろうか3人いたが、1人は素泊まりのようだった。

〈コースタイム〉松山東映ホテル7:30ー松山駅7:46=伊予和気駅
7:57~8:00ー53番円明寺8:05~33ー堀江駅(WC)9:09~10粟井坂
の大師堂9:40ー蓬福寺大師堂10:06ー柳原駅入口10:30ー鎌大師
(山下さんと昼食・懇談)11:35~13:21ー朝海原駅入口14:05ー岩童子
14:58ー遍照院15:04~20ーかわら館14:26~48ー伊予亀岡駅入口
16:45ーあさひ旅館18:00

(天気 晴、距離 31㎞、地図 三津浜、松山北部、今治西部 
 歩行地 松山市、北条市、菊間町、大西町、歩数 51,800)

コメント
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