第8日 2004年11月20日(土) 快晴後晴
<60番横峰寺、64番前神寺>
=はるか石鎚山を拝す=
6時10分起床、6時30分朝食。昨夜の夕食時、宿のご主人がデジ
カメで撮ってくれた写真に、メッセージを添えて引き伸ばしたのをもら
う。よい記念になり感謝。
Iさんにご挨拶して7時10分に出る。Iさんは愛犬も一緒だった。
昼頃には戻れるというのでザックは預ける。弁当も持たず山谷袋に
飲物を入れ、あとは地図ケースとウエストポーチだけの軽装で、標高
差約550mを往復できるのはありがたい。
旅館の前の道を上の原集落に上がると、市天然記念物「上の原の
うすきもくせい」の表示があり、高さ10m以上の大きなモクセイが2本
立っていた。集落を過ぎ、黒瀬湖を左眼下に見下ろしながら少しずつ
上がる。
ヘヤピンカーブの先から緩やかに下って行くと、台風の土石流で壊
された工場のような建物が無惨な姿をさらしていた。
沢筋へ下り、左の鳶寄方面からの車道に合し、沢沿いに進む。この
辺りも杉の倒木や土砂のたい積が多く、台風渦が生々しい。
有料道路の料金所を通過、最初の3段ヘヤピンカーブを上がる。
傾斜がそうきつくないのと、ザックがないので上り道も辛くない。車道
の崩壊箇所が残っていて、ブルドーザーが土砂をならしていたので、
挨拶して通らせてもらう。
両側の展望が開け、小松町の町並みの向こうに燧灘が霞んで見え
る。2つ目、2段のヘヤピンカーブを過ぎ、3つ目のカーブ際、右側に
61番香園寺奥の院道へのへんろ標識があった。
3つ目は、2段ほどヘヤピンを上がり、駐車場への分岐の先を下っ
て行くと、60番横峰寺が見えた。寺は標高745mの山の斜面にある。
最初のお堂で、若い男性遍路が読経をしていた。境内も台風被害
の復興工事中である。
大師堂と本堂はその先。鐘楼で鐘を打ってから本堂に参拝、読経
し、大師堂に戻る。納経所の奥様に、「天気がよいから石鎚山が見
えるかも知れないので、奥の院の星ノ峰にも回ったら」と言われ、
行ってみることにした。
先着の若い男性遍路は、61番からのへんろ道を上がってきたとの
こと。思ったほどひどく荒れてはおらず、そう歩きにくいことはなかっ
たという。一緒に500mほど先の星ノ森に行く。
杉木立の下に小さい祠があり読経。開けた南面に鉄製の小さい
鳥居があり、その向こうに四国の最高峰・石鎚山(1982m)が荒々
しい山容を逆光にさらしていた。
若い男性は東京・目黒区のTさん(30)。10月3日から野宿中心の
歩き遍路をしているが、冬用の寝袋でないので野宿は寒いとのこと。
近く再就職するが正社員にはならず、お金が貯まったらチベットに
行き、五体投地で知られた聖地の山を巡りたいという。
すでに何回かインドを旅行し、昨年は屋久島の宮之浦岳に登り、
縄文杉も見てきてとか。東京・高尾山で滝行もしており、将来は屋久
島に住みたいという自然志向の頼もしい若人。石鎚山にもいずれ
登りたいという。
彼といろいろ話したので、結局、横峰寺には1時間以上滞在した。
一緒にもとの道に戻り、再会を期待して香園寺奥の院道の下り口で
分かれた。
往路を戻り、京屋別館で昼食をしてザックを受取り、12時43分に
出る。さらに松山自動車道まで昨日の道を下って坂元へ。
ミカン畑を過ぎ、キク、フウセンカズラなどが咲く民家の間から
田んぼ道に出て、東に向かう。
海側の集落や、田んぼを見下ろしながら進む。
橘小の北の十字路に阿弥陀堂があり、西条市天然記念物、「阿弥
陀堂のふじ」が大きく枝を広げていた。
JR石鎚山駅からの通りに立つ朱塗りの大鳥居を見ながら進むと、
右手に石鎚神社の標石があった。参拝することにして桜の参道を
上がる。りっぱな山門の奥に、大きな石に彫られた頌徳碑が幾つ
も並んでいた。
石段を上がって本殿に参拝。高台なので、東北の西条市中心部
から北側にかけてのの展望がよい。
祖霊殿の奥、山の斜面から神水がほこらに流れ落ちており、ペッ
トボトルに汲んで行く人もいる。境内のモミジが色づき始めていた。
ほどなく64番前神寺。本堂は大師堂から石段を上がった奥。
広い境内には樹木が多い。山門の前に、石鎚神社のと似たこま犬
があり、両者がもとは一体であったことがうかがえる。
今日のお参りはここまで。さらに国道11号の南側に平行する
古くからの住宅地を東に向かう。温泉のある湯ヶ谷と奥の内集落
の間、右手斜面に、台風による大崩壊あとが残っていた。
本堂西側の急斜面に墓地が並ぶ法明寺下を通過する。東原から
日明へと比較的新しい住宅地を抜けたら行き過ぎ、加茂川沿いの
国道194号を少し戻って加茂川橋で国道11号に出る。
夕暮れが近くなり車の交通量が多い。天皇という貴い?地を抜け、
福武の西条グランドホテルに16時38分に着いた。
名前から想像すると、大都市では私には泊まれそうにない立派な
名のホテル。前日おそるおそる料金を聞いたら素泊まり3500円と
聞いて安心して予約した宿だ。
着いてみたら、3階建てのそぼくなビジネスホテル。入ると小さな
手芸品やアクセサリーなどが所狭しと並び、店番の若い女性が友人
の女性と話し込んでいる。その間を抜けて3階の部屋に入った。
食堂はないので、近くのスーパーへ夕食、朝食の調達に行く。洗濯
機もないので洗濯も休んだ。
〈コースタイム〉温泉旅館京屋別館7:10ー蔦寄への三差路7:44ー料金
所7:52ー最初のヘヤピンカーブ下8:10~13ー香園寺奥の院下山口
8:50ー60番横峰寺9:06~ー奥の院星ノ峰10:00~20ー香園寺奥の院
下山口10:43ー料金所11:29ー温泉旅館京屋別館(昼食)12:07~43ー
松山自動車道下13:17ー阿弥陀寺13:50ー石鎚神社14:06~37ー64番
前神寺14:42~15:10ー西条グランドホテル16:38
(距離 30㎞、歩行地 小松町、西条市、地図 西条、歩数 50,000)
<60番横峰寺、64番前神寺>
=はるか石鎚山を拝す=
6時10分起床、6時30分朝食。昨夜の夕食時、宿のご主人がデジ
カメで撮ってくれた写真に、メッセージを添えて引き伸ばしたのをもら
う。よい記念になり感謝。
Iさんにご挨拶して7時10分に出る。Iさんは愛犬も一緒だった。
昼頃には戻れるというのでザックは預ける。弁当も持たず山谷袋に
飲物を入れ、あとは地図ケースとウエストポーチだけの軽装で、標高
差約550mを往復できるのはありがたい。
旅館の前の道を上の原集落に上がると、市天然記念物「上の原の
うすきもくせい」の表示があり、高さ10m以上の大きなモクセイが2本
立っていた。集落を過ぎ、黒瀬湖を左眼下に見下ろしながら少しずつ
上がる。
ヘヤピンカーブの先から緩やかに下って行くと、台風の土石流で壊
された工場のような建物が無惨な姿をさらしていた。
沢筋へ下り、左の鳶寄方面からの車道に合し、沢沿いに進む。この
辺りも杉の倒木や土砂のたい積が多く、台風渦が生々しい。
有料道路の料金所を通過、最初の3段ヘヤピンカーブを上がる。
傾斜がそうきつくないのと、ザックがないので上り道も辛くない。車道
の崩壊箇所が残っていて、ブルドーザーが土砂をならしていたので、
挨拶して通らせてもらう。
両側の展望が開け、小松町の町並みの向こうに燧灘が霞んで見え
る。2つ目、2段のヘヤピンカーブを過ぎ、3つ目のカーブ際、右側に
61番香園寺奥の院道へのへんろ標識があった。
3つ目は、2段ほどヘヤピンを上がり、駐車場への分岐の先を下っ
て行くと、60番横峰寺が見えた。寺は標高745mの山の斜面にある。
最初のお堂で、若い男性遍路が読経をしていた。境内も台風被害
の復興工事中である。
大師堂と本堂はその先。鐘楼で鐘を打ってから本堂に参拝、読経
し、大師堂に戻る。納経所の奥様に、「天気がよいから石鎚山が見
えるかも知れないので、奥の院の星ノ峰にも回ったら」と言われ、
行ってみることにした。
先着の若い男性遍路は、61番からのへんろ道を上がってきたとの
こと。思ったほどひどく荒れてはおらず、そう歩きにくいことはなかっ
たという。一緒に500mほど先の星ノ森に行く。
杉木立の下に小さい祠があり読経。開けた南面に鉄製の小さい
鳥居があり、その向こうに四国の最高峰・石鎚山(1982m)が荒々
しい山容を逆光にさらしていた。
若い男性は東京・目黒区のTさん(30)。10月3日から野宿中心の
歩き遍路をしているが、冬用の寝袋でないので野宿は寒いとのこと。
近く再就職するが正社員にはならず、お金が貯まったらチベットに
行き、五体投地で知られた聖地の山を巡りたいという。
すでに何回かインドを旅行し、昨年は屋久島の宮之浦岳に登り、
縄文杉も見てきてとか。東京・高尾山で滝行もしており、将来は屋久
島に住みたいという自然志向の頼もしい若人。石鎚山にもいずれ
登りたいという。
彼といろいろ話したので、結局、横峰寺には1時間以上滞在した。
一緒にもとの道に戻り、再会を期待して香園寺奥の院道の下り口で
分かれた。
往路を戻り、京屋別館で昼食をしてザックを受取り、12時43分に
出る。さらに松山自動車道まで昨日の道を下って坂元へ。
ミカン畑を過ぎ、キク、フウセンカズラなどが咲く民家の間から
田んぼ道に出て、東に向かう。
海側の集落や、田んぼを見下ろしながら進む。
橘小の北の十字路に阿弥陀堂があり、西条市天然記念物、「阿弥
陀堂のふじ」が大きく枝を広げていた。
JR石鎚山駅からの通りに立つ朱塗りの大鳥居を見ながら進むと、
右手に石鎚神社の標石があった。参拝することにして桜の参道を
上がる。りっぱな山門の奥に、大きな石に彫られた頌徳碑が幾つ
も並んでいた。
石段を上がって本殿に参拝。高台なので、東北の西条市中心部
から北側にかけてのの展望がよい。
祖霊殿の奥、山の斜面から神水がほこらに流れ落ちており、ペッ
トボトルに汲んで行く人もいる。境内のモミジが色づき始めていた。
ほどなく64番前神寺。本堂は大師堂から石段を上がった奥。
広い境内には樹木が多い。山門の前に、石鎚神社のと似たこま犬
があり、両者がもとは一体であったことがうかがえる。
今日のお参りはここまで。さらに国道11号の南側に平行する
古くからの住宅地を東に向かう。温泉のある湯ヶ谷と奥の内集落
の間、右手斜面に、台風による大崩壊あとが残っていた。
本堂西側の急斜面に墓地が並ぶ法明寺下を通過する。東原から
日明へと比較的新しい住宅地を抜けたら行き過ぎ、加茂川沿いの
国道194号を少し戻って加茂川橋で国道11号に出る。
夕暮れが近くなり車の交通量が多い。天皇という貴い?地を抜け、
福武の西条グランドホテルに16時38分に着いた。
名前から想像すると、大都市では私には泊まれそうにない立派な
名のホテル。前日おそるおそる料金を聞いたら素泊まり3500円と
聞いて安心して予約した宿だ。
着いてみたら、3階建てのそぼくなビジネスホテル。入ると小さな
手芸品やアクセサリーなどが所狭しと並び、店番の若い女性が友人
の女性と話し込んでいる。その間を抜けて3階の部屋に入った。
食堂はないので、近くのスーパーへ夕食、朝食の調達に行く。洗濯
機もないので洗濯も休んだ。
〈コースタイム〉温泉旅館京屋別館7:10ー蔦寄への三差路7:44ー料金
所7:52ー最初のヘヤピンカーブ下8:10~13ー香園寺奥の院下山口
8:50ー60番横峰寺9:06~ー奥の院星ノ峰10:00~20ー香園寺奥の院
下山口10:43ー料金所11:29ー温泉旅館京屋別館(昼食)12:07~43ー
松山自動車道下13:17ー阿弥陀寺13:50ー石鎚神社14:06~37ー64番
前神寺14:42~15:10ー西条グランドホテル16:38
(距離 30㎞、歩行地 小松町、西条市、地図 西条、歩数 50,000)