第7日 2004年11月19日(金) 晴 <61番香園寺~63番吉祥寺>
=台風被害で迂回路へ=
アラーム設定を間違えて携帯が鳴らず、6時45分に起床。部屋の窓
から、西側(写真)や北側、瀬戸内海方面の展望がよい。
7時半からの朝食はバイキング。8時20分に出発する。
今日は、本来なら60番横峰寺を目指すのだが、10月の台風被害で
横峰寺へのへんろ道は通行不能になっていた。一時、東側山麓の温泉
旅館京屋別館に仮納経所が設けられ、その後、さらに奥の横峰寺別院
に移動していたので、そちらに向かう予定だった。
ところが最近、山下さんの情報で、東側の林道から横峰寺に上がれ
ることが分かり、61番から63番を先に打ち、温泉旅館京屋経由で
明日上がることにした。したがって今朝は、通常のへんろ道を外れて
61番へ向かう。
雨上がりでいつもより暖かい。湯ノ浦ハイツ周辺のもみじは紅葉し
始めている。国道196号に出て1㎞足らず、世田薬師の標識に従い
右へ、線路を越えて県道159号に入る。南の山すそから霧が上が
っている。
六軒家集落で再度線路の東に出た。国道では聞こえなかったが、
山下さんにいただいた鈴の音が聞こえる静かな住宅地。車もほとん
ど通らず国道歩きより気持ちよい。
寺北川の自安橋の先で、逆打ちの若い女性遍路と会う。線路を越え
てまもなく、番外霊場臼井の水の小さいお堂があった。
お堂の前と道路際のクスの下に清涼な清水が湧き出し、収穫した大
きなカブを手押し車で運んできた親父さんが、その清水で洗っていた。
三好小近くのスーパー、ソゴウマートで昼食を買う。大洲藩の飛び地
だったこの地を、松山藩と領地交換した由緒を記してあった出張橋で、
真手川を、すぐ先で大明神川を渡り、Y字路を東に向かう。
桑村でへんろ道に分かれ、地図で目指した道に入ろうとしたが、狭い
路地が多く分かりにくい。直線で南東に抜けるはずがS字状に回って
しまい、現状確認に少し手間取ったが、あまり大回りにはならずに
東丹原ICのそばに出た。
県道144号に入ると、広い歩道で車も少なく安心。本郷川、崩口川
と小さい川を過ぎ、川幅広い中山川を渡る。正面に見える山のふと
ころに向かって進んだ。
国道11号を越え、南側の山すそにある61番香園寺に着いた。
広い境内の奥に大きなコンクリート3階建ての本堂。鐘楼で鐘を突いて
いたら岡山のIさんから電話があり、経過を報告する。
どこが本堂かよく分からず、とりあえず1階で読経し、2階の大聖堂
に上がった。どうやらこちらが本堂らしい。東京の築地本願寺のよう
に数百ものいすが並び、中央に金色に輝く大日如来像が鎮座している。
参詣者は無かった。
大師堂は、子安大師堂と呼び、小さなコンクリート造りのお堂。
本堂との対比が極端だ。納経所と宿坊のある建物も3階建ての近代
建築。四国八十八箇所の中でも異色の霊場である。杉の木の下の
ベンチで昼食していたら、お参りに来た奥さんから、高知産だという
ミカンを2つお接待いただいた。
東に向かい、小松町の中心街に入る。小松郵便局で資金補充し、
東京・小金井のMさんへ近況報告を記して投函した。
JR予讃線伊予小松駅近くの62番宝寿寺へ。こぢんまりした境内。
正面のお堂は修理中。右手の本堂と小さめの大師堂に参拝、読経。
国道11号沿いなので、境内は車の騒音が絶え間ない。
その国道をさらに東へ進む。西条市に入り、宝寿寺から1.3㎞で
63番吉祥寺。本尊は、四国霊場ただ一つという毘沙門天。大師堂と
鐘楼のそばに大きなカシの木があった。
国道11号の次の信号で右折、現在、60番へのただ一つの回り道
である県道142号に入る。松山自動車道を過ぎると、西条市街や
瀬戸内海の展望が開けてきた。
台風被害で2車線のがけ側が崩落したところが3ヵ所あり、土のう
をたくさん積んで仮復旧してある。ガードレールはくねくねに折れ曲が
って下に落ちており、崩壊のすさまじさがしのばれる。
60番を打ち終えて下る途中の若い男性遍路が休憩していたので、
道取りなどを聞く。黒瀬峠には、石鎚神社一の鳥居が道路をまたいで
立っていた。
左下に黒瀬湖を見下ろしながら少し下り、温泉旅館京屋別館に16時
15分に着いた。入口に遍路用品の売店と食堂、奥に部屋などがある。
外から見ると平屋のようだが、下にも2階あり部屋も多い。今日は私
の他はご夫婦1組のみ。でも明日は土曜日で混むようだ。
洗濯をして温泉に入る。白く濁ったジャグジー湯に1人で浸かる。
木の建物もそぼくで、気持ちよい。
夕食は、高槻市のIさんご夫妻と話しながらいただく。
ご主人は2年前の今ごろ、1人で歩き遍路をされたとのことで、この
先おすすめの宿を教えてもらう。
その時の遍路記をCDーROM化されている言われた。私のと交換を
お願いしたら、夕食後、さっそく部屋に届けて下さった。
奥様とは車で回っておられ、今回は6回目で逆打ちとのこと。ここは
定宿だが、いつも団体で混んでいて、こんなに空いているのは珍しい
といわれた。
今日は、後半の歩きで初めて、歩き遍路をした方との情報交換が
でき、有益な夜だった。
〈コースタイム〉今治湯ノ浦ハイツ8:20ー番外霊場臼井の水9:35~45
ーソゴウマート9:50~10:00ー明理川橋11:01ー61番香園寺(昼食)
12:16~13:22ー小松郵便局13:42~14:00ー62番宝寿寺14:02~20ー
63番吉祥寺14:40~15:05ー温泉旅館京屋別館16:15
(距離 22㎞、歩行地 今治市、東予市、小松町、西条市、歩数
38,400)
=台風被害で迂回路へ=
アラーム設定を間違えて携帯が鳴らず、6時45分に起床。部屋の窓
から、西側(写真)や北側、瀬戸内海方面の展望がよい。
7時半からの朝食はバイキング。8時20分に出発する。
今日は、本来なら60番横峰寺を目指すのだが、10月の台風被害で
横峰寺へのへんろ道は通行不能になっていた。一時、東側山麓の温泉
旅館京屋別館に仮納経所が設けられ、その後、さらに奥の横峰寺別院
に移動していたので、そちらに向かう予定だった。
ところが最近、山下さんの情報で、東側の林道から横峰寺に上がれ
ることが分かり、61番から63番を先に打ち、温泉旅館京屋経由で
明日上がることにした。したがって今朝は、通常のへんろ道を外れて
61番へ向かう。
雨上がりでいつもより暖かい。湯ノ浦ハイツ周辺のもみじは紅葉し
始めている。国道196号に出て1㎞足らず、世田薬師の標識に従い
右へ、線路を越えて県道159号に入る。南の山すそから霧が上が
っている。
六軒家集落で再度線路の東に出た。国道では聞こえなかったが、
山下さんにいただいた鈴の音が聞こえる静かな住宅地。車もほとん
ど通らず国道歩きより気持ちよい。
寺北川の自安橋の先で、逆打ちの若い女性遍路と会う。線路を越え
てまもなく、番外霊場臼井の水の小さいお堂があった。
お堂の前と道路際のクスの下に清涼な清水が湧き出し、収穫した大
きなカブを手押し車で運んできた親父さんが、その清水で洗っていた。
三好小近くのスーパー、ソゴウマートで昼食を買う。大洲藩の飛び地
だったこの地を、松山藩と領地交換した由緒を記してあった出張橋で、
真手川を、すぐ先で大明神川を渡り、Y字路を東に向かう。
桑村でへんろ道に分かれ、地図で目指した道に入ろうとしたが、狭い
路地が多く分かりにくい。直線で南東に抜けるはずがS字状に回って
しまい、現状確認に少し手間取ったが、あまり大回りにはならずに
東丹原ICのそばに出た。
県道144号に入ると、広い歩道で車も少なく安心。本郷川、崩口川
と小さい川を過ぎ、川幅広い中山川を渡る。正面に見える山のふと
ころに向かって進んだ。
国道11号を越え、南側の山すそにある61番香園寺に着いた。
広い境内の奥に大きなコンクリート3階建ての本堂。鐘楼で鐘を突いて
いたら岡山のIさんから電話があり、経過を報告する。
どこが本堂かよく分からず、とりあえず1階で読経し、2階の大聖堂
に上がった。どうやらこちらが本堂らしい。東京の築地本願寺のよう
に数百ものいすが並び、中央に金色に輝く大日如来像が鎮座している。
参詣者は無かった。
大師堂は、子安大師堂と呼び、小さなコンクリート造りのお堂。
本堂との対比が極端だ。納経所と宿坊のある建物も3階建ての近代
建築。四国八十八箇所の中でも異色の霊場である。杉の木の下の
ベンチで昼食していたら、お参りに来た奥さんから、高知産だという
ミカンを2つお接待いただいた。
東に向かい、小松町の中心街に入る。小松郵便局で資金補充し、
東京・小金井のMさんへ近況報告を記して投函した。
JR予讃線伊予小松駅近くの62番宝寿寺へ。こぢんまりした境内。
正面のお堂は修理中。右手の本堂と小さめの大師堂に参拝、読経。
国道11号沿いなので、境内は車の騒音が絶え間ない。
その国道をさらに東へ進む。西条市に入り、宝寿寺から1.3㎞で
63番吉祥寺。本尊は、四国霊場ただ一つという毘沙門天。大師堂と
鐘楼のそばに大きなカシの木があった。
国道11号の次の信号で右折、現在、60番へのただ一つの回り道
である県道142号に入る。松山自動車道を過ぎると、西条市街や
瀬戸内海の展望が開けてきた。
台風被害で2車線のがけ側が崩落したところが3ヵ所あり、土のう
をたくさん積んで仮復旧してある。ガードレールはくねくねに折れ曲が
って下に落ちており、崩壊のすさまじさがしのばれる。
60番を打ち終えて下る途中の若い男性遍路が休憩していたので、
道取りなどを聞く。黒瀬峠には、石鎚神社一の鳥居が道路をまたいで
立っていた。
左下に黒瀬湖を見下ろしながら少し下り、温泉旅館京屋別館に16時
15分に着いた。入口に遍路用品の売店と食堂、奥に部屋などがある。
外から見ると平屋のようだが、下にも2階あり部屋も多い。今日は私
の他はご夫婦1組のみ。でも明日は土曜日で混むようだ。
洗濯をして温泉に入る。白く濁ったジャグジー湯に1人で浸かる。
木の建物もそぼくで、気持ちよい。
夕食は、高槻市のIさんご夫妻と話しながらいただく。
ご主人は2年前の今ごろ、1人で歩き遍路をされたとのことで、この
先おすすめの宿を教えてもらう。
その時の遍路記をCDーROM化されている言われた。私のと交換を
お願いしたら、夕食後、さっそく部屋に届けて下さった。
奥様とは車で回っておられ、今回は6回目で逆打ちとのこと。ここは
定宿だが、いつも団体で混んでいて、こんなに空いているのは珍しい
といわれた。
今日は、後半の歩きで初めて、歩き遍路をした方との情報交換が
でき、有益な夜だった。
〈コースタイム〉今治湯ノ浦ハイツ8:20ー番外霊場臼井の水9:35~45
ーソゴウマート9:50~10:00ー明理川橋11:01ー61番香園寺(昼食)
12:16~13:22ー小松郵便局13:42~14:00ー62番宝寿寺14:02~20ー
63番吉祥寺14:40~15:05ー温泉旅館京屋別館16:15
(距離 22㎞、歩行地 今治市、東予市、小松町、西条市、歩数
38,400)