2010年7月10日(土)
東京駅八重洲北口に近い第二鉄鋼ビル地階に、(財)日本交通公社の「旅の
図書館」があります。
ここには国内外を問わず、旅に関連する図書がたくさん揃っているので、旅の
計画をする際の情報収集には欠かせないところです。
旅の図書館では年2回、「旅の図書館講座」も開催していて、旅のエキスパー
トともいえる方々が、旅に関連する興味深い講演をされています。
私はこの催しを、やまさんから聞いて知り、その後2回ほど参加しました。
この日の講演は、ナチュラリスト・フォークロー研究者のケビン・ショートさんの、
「日本のスピュリチュアルな世界-里山・神話の里-」という話でした。
ケビン・ショートさんは、新聞や雑誌に、自然や民俗学などに関するエッセイを
寄稿するとともに、テレビ・ラジオ、自然観察会や講演活動を通じて、環境教育
に積極的に関わっておられます。
ケビンさんは現在、千葉県印西市(いんざいし)にお住まいで、東京情報大学
環境情報学科教授をされています。
[この日の講演の要旨]
ケビンさんは、アメリカ合衆国・ニューヨークに生まれ、日本には30年以上住ん
でおられ、北は礼文・利尻から南は沖縄の与那国島、西表島まで、日本国内の
全都道府県に少なくとも3~4回以上は回っておられるとのこと。
日本の多彩な自然が好きで、日本人の自然と突き合う文化が興味深いといわ
れます。
テーマの「スピリチュアリティ」とは、個人で持つ宗教観的な、民間信仰ともいえ
るもので、人々の実際の生活に密着してムラや集落に存在するもの、といったこ
とのようです。
そのスピリチュアリティをもたらすのが、「パワースポット」で、その場所には目に
見えない力があり、人間の心や精神を癒す能力があるといわれました。
日本のローカルパワースポットとして、5つ上げられました。
①社寺林
その土地固有の木々がそのまま残り、鎮守の森の生物多様性を示し、大きな
木には魂が宿ると考えられている。
(例:お住まいの印西市の里山に残る神社、東京・雑司ヶ谷の鬼子母神、京都
・下賀茂神社の糺の森(ただすのもり)など)
②水 辺
水神様のあるため池など、谷地・谷戸の水を田んぼの水源にしたところ。
銅鐸に描かれた動物は皆、水辺に住む生き物である。
弁天様は、水の守り神であるとともに、音楽や言語の守り神でもある。
(東京・不忍池、井の頭池、三宝寺池など)
③境界・道の分岐点
分岐にエノキが立っていたり、道祖神がある。
あめのうずめの命(みこと)と猿田彦、南九州の田の神
④霊山(れいざん)
宮島の霊山、丹沢・大山、男体山など、昔から霊山として崇敬されているので
木の伐採をせず、昔のままの森林が残っている。
⑤伝説・神話の場所
千葉・印西の名馬塚、馬頭観音、日本武尊の東征の道のり。
ほかに、ケビンさんの祖父母は、アイルランドとスコットランドから米国に移民し
たのですが、その出身地の森にも現地の人の自然崇拝の思想が残っていて、森
を伐採するとたたりがあると恐れられていて、いまも豊かな原生林が残っているこ
となど話されました。
お話の要旨を、うまくまとめることが出来ませんでしたが、ケビン・ショートさんは
日本人以上に、日本の自然の豊かさと、そこに住む人たちの古くからの自然への
崇敬や深い結びつきなどについて理解されていて、それを今後も大事にして行き
たいとの思いから、いろいろな活動をされていることが理解できました。
私は、数年前に入手したケビン・ショートさんの著書があったので、持参して行
き、講演後にサインしていただきました。
本書は、サブタイトルにあるように「カントリーサイドウオーキングのすすめ」につい
て記されたものですが、これは私たちが「やまさん」こと山浦正昭さんの提唱により
18年前から続けている「カントリーウオーク」に相通じるものが多く、今回の講演も、
大変興味深く拝聴しました。
2枚のイラストはケビン・ショートさんが描いたもので、そのコピーを、ビニールコー
ティングしたシートをいただきましたが、その一部です。
東京駅八重洲北口に近い第二鉄鋼ビル地階に、(財)日本交通公社の「旅の
図書館」があります。
ここには国内外を問わず、旅に関連する図書がたくさん揃っているので、旅の
計画をする際の情報収集には欠かせないところです。
旅の図書館では年2回、「旅の図書館講座」も開催していて、旅のエキスパー
トともいえる方々が、旅に関連する興味深い講演をされています。
私はこの催しを、やまさんから聞いて知り、その後2回ほど参加しました。
この日の講演は、ナチュラリスト・フォークロー研究者のケビン・ショートさんの、
「日本のスピュリチュアルな世界-里山・神話の里-」という話でした。
ケビン・ショートさんは、新聞や雑誌に、自然や民俗学などに関するエッセイを
寄稿するとともに、テレビ・ラジオ、自然観察会や講演活動を通じて、環境教育
に積極的に関わっておられます。
ケビンさんは現在、千葉県印西市(いんざいし)にお住まいで、東京情報大学
環境情報学科教授をされています。
[この日の講演の要旨]
ケビンさんは、アメリカ合衆国・ニューヨークに生まれ、日本には30年以上住ん
でおられ、北は礼文・利尻から南は沖縄の与那国島、西表島まで、日本国内の
全都道府県に少なくとも3~4回以上は回っておられるとのこと。
日本の多彩な自然が好きで、日本人の自然と突き合う文化が興味深いといわ
れます。
テーマの「スピリチュアリティ」とは、個人で持つ宗教観的な、民間信仰ともいえ
るもので、人々の実際の生活に密着してムラや集落に存在するもの、といったこ
とのようです。
そのスピリチュアリティをもたらすのが、「パワースポット」で、その場所には目に
見えない力があり、人間の心や精神を癒す能力があるといわれました。
日本のローカルパワースポットとして、5つ上げられました。
①社寺林
その土地固有の木々がそのまま残り、鎮守の森の生物多様性を示し、大きな
木には魂が宿ると考えられている。
(例:お住まいの印西市の里山に残る神社、東京・雑司ヶ谷の鬼子母神、京都
・下賀茂神社の糺の森(ただすのもり)など)
②水 辺
水神様のあるため池など、谷地・谷戸の水を田んぼの水源にしたところ。
銅鐸に描かれた動物は皆、水辺に住む生き物である。
弁天様は、水の守り神であるとともに、音楽や言語の守り神でもある。
(東京・不忍池、井の頭池、三宝寺池など)
③境界・道の分岐点
分岐にエノキが立っていたり、道祖神がある。
あめのうずめの命(みこと)と猿田彦、南九州の田の神
④霊山(れいざん)
宮島の霊山、丹沢・大山、男体山など、昔から霊山として崇敬されているので
木の伐採をせず、昔のままの森林が残っている。
⑤伝説・神話の場所
千葉・印西の名馬塚、馬頭観音、日本武尊の東征の道のり。
ほかに、ケビンさんの祖父母は、アイルランドとスコットランドから米国に移民し
たのですが、その出身地の森にも現地の人の自然崇拝の思想が残っていて、森
を伐採するとたたりがあると恐れられていて、いまも豊かな原生林が残っているこ
となど話されました。
お話の要旨を、うまくまとめることが出来ませんでしたが、ケビン・ショートさんは
日本人以上に、日本の自然の豊かさと、そこに住む人たちの古くからの自然への
崇敬や深い結びつきなどについて理解されていて、それを今後も大事にして行き
たいとの思いから、いろいろな活動をされていることが理解できました。
私は、数年前に入手したケビン・ショートさんの著書があったので、持参して行
き、講演後にサインしていただきました。
本書は、サブタイトルにあるように「カントリーサイドウオーキングのすすめ」につい
て記されたものですが、これは私たちが「やまさん」こと山浦正昭さんの提唱により
18年前から続けている「カントリーウオーク」に相通じるものが多く、今回の講演も、
大変興味深く拝聴しました。
2枚のイラストはケビン・ショートさんが描いたもので、そのコピーを、ビニールコー
ティングしたシートをいただきましたが、その一部です。