あのコルトを狙え

TOKYO2020 子供たちに負債を(笑)

『昔、乗っていました』

2005-09-28 00:11:24 | 60年代
「たてものとのりもの展」の続きです


田園調布の家前にて
園内はいろいろな建物があって内部にも入れるのですが時間が無くて今回も全ては見られませんでした。
下町もあれば上記写真のような「山の手通り」もあります。
この街には「コルト」では無く白いデボネアの初期型が似合いそうです。
Debopacerさん、次回はお願いします(笑)


(↑てっちんさん撮影)
ボンネットバスの試乗会もあり希望者は園内をバスに乗って走れます。
私のコルトや他の旧車は展示だけだったので学芸員の方にコルトも希望者を募り
バスの後を追走して良いですか?と尋ねたらスンナリOK!

乗りたい人を4人乗せて走りましたが『事故を起こしたらエライこっちゃ!』
と徐行+超安全運転で一周廻ってきて休んでいると
「この車のオーナーさんですか?」とお子様と旦那さんを連れた女性から声を掛けられました。
普通は旦那さんが声を掛けてくるのに奥さんとは珍しいな、と思いながら
ハイ、そうです。と、答えると・・・

『・・・私、これと同じ車に乗っていました・・・色も全く同じです』

私より数年年上だろうか、旦那さんとおそろいの紫のシャツを着たキレイな
奥さんは懐かしそうに話してくれた。

『父が乗っていたんです。同じ1100でした。平成元年位までだったかな、私が免許を取ってからは私が使っていました。』

ええ?女性で免許取り立ての頃にコルト1100に乗っていたんですか?(スゴイな~!)

『見て驚きました。てっきり私が乗っていたそのものか、と思ってさっき父に電話で聞いたくらいです(笑)。でも、ちょっとドアノブが違うような・・・』

コルト1100(形式A21)は前期と後期(42年5月~)がありドアノブがボタン式から通常のタイプに変わったりしている。お話しを伺うと前期型でした。しかも私のベンチシートに対してオプションだったセパレートシートだったそうです。
私と同じように子供の頃から乗っていて大人になっても運転されていたとは。
それがしかも女性だったなんて驚きました。

『冬になると(オーバークール【過冷却】になるので)ダンボールの紙をラジエーター前に入れていたりしてね(笑)。夏になると私もサンバイザーにうちわを挿していましたよ(笑)』

そうそう!私はやらないけれど父は入れていましたよ!
やはり乗っていた方ならではの嬉しい共通話しです。

ここまで来ると是非、次回の走行にご家族で乗って頂きたい。
たてもの園の方に聞いて見ると次の乗客は決まっていないようなので
もし、お時間があれば乗りませんか?と聞いてみたら、いいんですか?
と喜んでくれました。(もちろん私の運転ですが)

時間もあるので、是非運転席に座ってみませんか?
『え?いいんですか・・・?』

 私にもコルトの他に乗っていた懐かしい車があります。もし、今その車があったら助手席よりも運転席に乗りたい。ドアを開ける、座る、ハンドルを握る、昔は何でもないような事だったがあれから10年。今でも各スイッチの感触は覚えているし乗ったら懐かしい気持ちが込上げるかもしれない。以前から『過去に乗っていた』という人が現れたら運転席に座ってもらおうと思っていた。

人の車だからであろう、ためらうその女性を強引に?薦めて座ってもらう。

(座った瞬間、懐かしそうに)『うわぁ・・・・』

どうぞ、乗っていたのですからギアとか入れたりアクセルやブレーキを踏んで頂いて結構ですよ。(この時はエンジン止まっています)

『え!?・・・いいんですか?
 懐かしい、手前上が一速で下が二速で~・・・思い出した♪』

(ここまで来たら・・・)エンジン掛けてみてください。

『えぇ?!』 私「大丈夫ですよ、暖まっていますから(笑)」
 
恐る恐るイグニッションを捻るとエンジンが掛かった。

『毎朝この車に乗って学校へ行っていた時の事を思い出しました・・・
 ずいぶんいろんな所へ遊びに行ったんですよ・・・』

ハンドルを握ってとても懐かしそうにその奥さんは言った。いろんな事があったのでしょうね。

さて、ボンネットバスの運転時間となりそのご家族を載せて再び園内を走ります。
前と後ろどちらに座りたいですか?と聞くと助手席を希望なのでご主人とお子さんは
後ろです。

その間、いろんなお話しをしたが晩年のコルトは寄る年波に勝てず誰かにもらわれていったそうです。
どこかで誰かが大切にしていればよいのですが・・・。

広場に戻ってきて停車予定地まであと右へ廻って10メートル弱。
その前に突然、停車した。

・・・ある事を考えていました。
私は昔からお節介な性格です。大迷惑かもしれない、でも思い切って言ってみた。

「あの・・・。あと数メートルですが、あの軽3輪の右まで運転してみませんか?」

お節介ですよね

『ええぇ!?でも・・・』
後ろのご主人「せっかくだから運転させてもらいなよ。こんな機会滅多にないよ」
私「そうですよ!昔乗っていたなら大丈夫です」

私は助手席に移った。
とは言ったものの、もし隣の車にぶつかったらどうしよう、という思いもありましたが
いざとなったらサイドブレーキを隣から引けばいいや、と考えていました。

一速のギアが入りづらかったようですが、なんとか走り出します。
奥さんの顔は真剣です(当たり前です、いきなり運転させられてもねぇ~)

ゆっくりとハンドルを切り無事に停車し『ブレーキの感触を思い出した』
との事でした。

奥さんには本日一番のアトラクションだった事でしょう(笑)


その後にも閉園間近に車好きな好少年(中1)やお父様が乗っていた、という人を載せて走っていました。翌日、そのお父様が乗っていたという方から「まさか幼少の頃に乗ったコルトにまた乗れるとは思ってもいませんでした」とメールが届きました。

この日のイベントは某ニューイヤーミー〇ィング(参加料¥13000)とは違い
参加料、入場料、駐車場代は一切掛かりませんでした。
掛かったお金は私と父の食事代だけ。

早くも来年が待ち遠しいです。

追伸:てっちんさん、まさかあそこでお会いするとは思いませんでした。写真、ありがとうございました。









コメント (18)
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