再び行ってきました西熱海ホテル!前回の宿泊であまりの素晴らしさに感動したが、その直後にまさかの閉館発表
いや~、行っておいて良かった♪
http://blog.goo.ne.jp/saiun4gou/e/95273f2686c32bda72c7e3493c26449c
(前回のレポート)
しかし、いいのかそれで?最後の姿を見ないで後悔しないのか?
60年代の香りが今も残る円型建築の世界。
風呂上がりに夕食のバイキングに出てきた蟹と牛の角煮、キンキンに冷えた生ビール
窓から見えるは大鉄道パノラマ
リニューアルされた部屋と大浴場
感じの良いスタッフ
60年代のレトロ感と現代の設備が見事に調和された熱海の名ホテル
今後も何度も泊まりたいと本当に思っていました。
いつものメンバーに相談し今回は栃木県から初期型三菱デボネアに乗られる
debopacerさんも奥様の非難にも耐えて参加表明!
役者は揃った。ついにデボネアとコルトの東京オリンピック聖火リレーが出来る。
頭の中は熱海ビーチラインを走る両車の姿やホテル玄関前に佇む光景でいっぱいでした。
しかし、残念ながらdebopacerさんは仕方の無い事情により断念されました。
↑ああ、西熱海ホテル玄関前でこの並びを実現したかった(涙)
debopacerさん、いつの日かまた走りましょうね!
(奇しくもこの日、東京がオリンピックの国内候補地と決定した)
14:30ホテルに到着するとこのような挨拶文があった。
1960年から46年間か~。いろんな人や車が訪れたのでしょうな~。
車を駐車場に停めた所、ガラス越しに見えるフロントスタッフの方々の反応がちょっと妙だった。
なんだろう?あぁ、そうか~!二ヶ月前に来た車がまた来たとか思っているのかな。に、してもなんか変だなぁ?
チェックイン可能時間まであと30分もあるから玄関前で写真を撮っておこうと思い車から降りると玄関内からスタッフの方が登場。
今日、宿泊する旨を伝えまだチェックイン時間でない事も承知していると伝えると
部屋はもう出来ているのでご案内して下さるとの返答。
あれ?まだ名前も伝えていないのに…?
不思議に思っていると…
スタッフTさん「ブログ見ていますよ(笑)」
彩雲「・・・・・・・はは?・・」
苦笑いし石になる事2秒間
誰か教えて下ちい!こんな時、なんて答えたら良いのですか?
なんとか気を取り直して
彩「なんで判ったのですか?」
T氏『いや、この車で(笑)ちなみにスタッフみんな見ていますよ』
とっさに書いた内容を思い浮かべ確認する。たしか罵詈雑言は書いていなかったはずだが…
インターネット恐るべし…
それにしても最終日なのになんか静かです。
期待されるべき「彩雲妄想劇場」としては
『昔、新婚旅行で泊まった』とういう老夫婦
『昔、家族旅行で熱海に来るといつもここでした』と涙ぐむ人
『昔、働いていました』という元スタッフ
または
『一度泊まってみたかった』
という人達や閉館を報じる報道陣で大賑わいだと思っていたのですが…?
フロントでチェックインしている時に伺うと
「閉館の処理等で宿泊客の受付を止めている。」
との事でした。
そりゃぁ仕方ないっす
でも寂しいっす…
おお!帰ってきたぞ~
なんと今回のお部屋も前回と全く同じ714号室
なんたる偶然でしょう!
って、そんな都合の良い話がある訳ない
ホテル側のご好意で本来の低グレードの部屋からグレードアップしてもらえました
予約マネージャーのOさん、有難うございました
という訳で今回もオーシャンビューならぬ「トレインビュー」です
事前に聞いていたとおり天国への階段は閉ざされておりました
では館内や敷地外を探索しますと気になる物が見つかりました。
「庭園灯?」
ケースの状態は新しそうですがデザインが60年代チックです
「ロビーの壁と日本画」
壁の石と掛かる絵が60年代のホテルを感じさせます
「トイレ表示灯?」
雰囲気や字体から創業当時のものなのでは?
ロビーを徘徊していると先ほどのスタッフTさんが
「次に来たお客様達が車(コルト)を見て『あの車だ(笑)』といって写真を撮っていましたよ。それからエレベーターの日立のマークを見て同じように写していました。ブログを見てきたんじゃないですか?」
と言われました(笑)
銘菓「円遊」
もう二度と買えなくなる。西熱海ホテルのオリジナル商品です。
もちろん「円」はホテルの外観をイメージしています。
前回買ったら本当においしかったので今回も買いました♪
翌朝 ついに来ました最終日
買物や精算をしていたらチェックアウト時間ギリギリとなってしまった。
どうやら他のお客さんは既に帰ってしまったようだ。
お世話になったTさんと記念撮影(Tさん、例の記念品ありがとうございました)
従業員の方々
お礼を言い、車に乗り込もうとすると更に中から更に3~4倍のスタッフの方々が
出てきた。
予約マネージャーのOさんが
「最後のお客様は(フロント周辺の)スタッフ全員でお見送り致します」
その光景はまるでドラマの最終回を見ているようだった。
ベルボーイやドアマンを経験してきた私でもこんな大勢で見送りをした事はなかった。
「ありがとうございました」とスタッフさん達からの声を受けコルトは玄関前の坂を下る。
バックミラーを見ると皆さんが手を振ってくれていた。本当なら私も手を振って去りたいが運転があるので振り返りも出来ない。
次の右カーブに入るともうお互いに見えなくなる。
万感の想いを込めてハンドルのリングホーンを押し長声一発、コルトのクラクションを鳴らす。
バックミラーから姿が見えなくなったその時、西熱海ホテル46年間の営業は終わった。
丁重な見送りを受け鳥肌が立つくらいに感動をしたが内心、本当は寂しかった。
名物ホテルが無くなってしまうからその前に一度位泊りに~と行った訳ではない
閉館を知らずに訪れた前回に西熱海ホテルの素晴らしさに触れ
本当に、本当にまた来たいと思わせる良さがあったからだ。
また一つ、60年代の名建築が消えてしまった
せめてもの慰めは・・・最後の客になれたという事
西熱海ホテルさん、素晴らしいおもてなしをしてくださったスタッフの皆様
本当にありがとうございました。
~エピローグ~
日付をご覧下さい↓
けっしてイタズラで日付を入れ替えた訳ではないのです(撮影後にすぐ戻しました)
このホテルは今日で終わってしまう
「平成31年8月18日」という日を迎える事は決してない
13年後に私は何をしているのか分からない
この西熱海ホテルの事も日常の記憶からは消えている
それでも
この写真に記憶したこの日になってここに確かに存在した西熱海ホテルの事を
懐かしく思い出すかもしれないから…