『夢の小筥』

再び廻り来る事のない、この刻(いま)を、そっと筥に納めてみました。

古の本を繙いているうちに、随分と、刻(とき)が経ちました。

2016-01-16 15:04:19 | Weblog

                      
                                         2011-     「ひめしゃくなげ」   

   あなた

 昨夜もかなりの凍れでした。

 お陽さんが出た今でも寒い。

 厳しい凍れです。

 「姫シャクナゲ」は、あなたの形見かな?

 今は殆どありません。

 「高山植物]の類は消えてしまいました、ヒッソリと、ただ、静かに…

 庭の雪は昨日と変わりません。

 凍れのため、すっかり固まってます。

 この写真は「あなた」が其方へ逝った年のです。

 『あかねさす紫野行き標野(しめの)行き野守は見ずや君が袖振る』

               (額田王) 「ぬかたのおおきみ」

 古い本の整理。

 たまたま、「田辺聖子」さんと「井上靖」さんの書いた『額田王』の文庫本が

 出て来ました。

 作者によって随分違いがあります。

 現代では考えられないのですが、千三百年もの昔「大化の改新」後の時代。

 時の権力者・二人の兄弟天皇の妃になる運命を辿る、「額田王」

 「天智天皇」と実弟「天武天皇」の数奇な運命。

 物語としては、読み応えがあります。

 事実と言うのが、やっぱり厭だな。

 こういう事実あっての、現代なのでしょうが…

 古の本を繙いているうちに、随分と、刻(とき)が経ちました。

 あの朝の寒気が、少々暖気になってます。

 久しぶりに、本を読み満たされた気分ですが、疲れました。

 さて、お昼は抜きだったので…

 「あなた、今夜は何をたべましょうか?…」