散歩は、最も身近で、時間に縛られることなく、いつでも実施できる運動として多くの人に親しまれています。普段の運動不足の解消に、有酸素運動の一つとして、「一日一万歩」以上を目標に歩数を増やすとか、または歩行速度を上げるなど、各個人の意思で、自由に対処されています。
一方、高齢化が進む中で、歩行時に足先で物に“つまずく” ことが心配されています。足先を挙げる前脛骨筋が弱っていることも“つまずく”原因の一つでしょう。しかし先に触れたように、普通の歩き方では、前脛骨筋が十分に鍛えられているとは思われません。
そこで散歩を、有酸素運動としてだけでなく、物に“つまずく”機会を減らすことにより健康運動としての意義を高めることはできないか と思いを巡らしているところです。その第一歩として、前脛骨筋を意識的、かつ積極的に鍛えることを念頭に、二つの新歩行法を前回提示しました。
ただし、現在、新歩行法の実践者は、筆者のみである。読者も試行して頂き、それらの利点、欠点など聞かして頂けると有難く思います。以下、ご参考までに、両新歩行法について、筆者の体験から気のついた点を挙げます。
§ “つまずき”の可能性
通常の歩行で、遊脚相で足を運ぶ際、足底と地面との距離が意外と小さいことは、筆者自身驚きの発見であった。アスファルト舗装の平坦な道路であることに助けられて、ほとんど“つまずく”ことなく、無事に過ごすことができているようです。
前脛骨筋を鍛え、足の爪先が地面からできるだけ離れるような工夫が必要であろうことが痛感されます。
新法1でも、体軸の点に来るまでの遊脚相では、足の爪先が十分に上がっているとは言えないようです。しかし体軸を過ぎた後、爪先は踵着地まで高く保たれており、“つまずき”の機会を減らすであろうことは期待できます。
新法2は、全遊脚相を通じて、足部が地面から十分に離れており、“つまずき”を防ぐという点では最良の歩行法と言えます。
§ 有酸素運動として
歩行時に動員され、主として働く筋が多くなり、また積極的に動きが大きくなれば、仕事量が増えて、有酸素運動としての効果は大きくなる筈です。したがって、本項で提示した歩行法について言えば、「通常の歩行<新法1<新法2」の順に効果は大きくなることは想像されます。
新法1では、長距離を歩くと、下腿の前方に負荷が掛かっているとの感じがある意外、からだ全体として、さほど負荷が高まったということは感じられません。あとで触れるように、同距離を歩くに要する歩数は通常の歩行とほぼ同等でした。比較的容易に散歩を継続することができます。
新法2について、写真で示したような、足をかなり挙げる歩法では、軽いジョギングとほぼ同等のエネルギー消耗ではないかと考えられます。たとえば、真冬の早朝、寒冷の中でも、10分ほど歩行を継続すると、全身がかなり汗ばんできます。
ただし、新法2とジョギングでは明らかに違う点があります。軽いジョギングとは言え、踵着時の際、踵に対する衝撃はやはり大きい。しかし新法2では、さほど衝撃を感じません。その点、新法1で歩行の途中に、時に数分間新法3を差し挟んでいくことで、運動量を増やしていくことは有用と考えられます。
§ 姿勢との関連
散歩の際、合わせて“前かがみ”/“腰曲がり”の姿勢を矯正することも目標に掲げています。その点から見ると、新法1で問題はないようであるが、新法2は注意が必要と思われます。
新法1では、自然に上体を後方に反らそうとする力が働くようです。蹴り出した後、足先を直ちに前方へ前進させようとする“意図”があるためであろう。サッカーボールを蹴ろうとするとき、上体を後方に反らして、足を蹴り出す補助の力とすることと同じ理屈と考えてよいでしょうか。
一方、新法2では、蹴り出した直後に足を上に挙げる動作があり、その際に上体が“前かがみ”となる傾向が感じられます。特に、緩やかな傾斜とは言え、登りの続く箇所ではその傾向が強く、上体を直にする意識を強く持つ必要があるように思われます。
§ 歩行歩数
同じ距離を走破する歩数についてみれば、新法3については、いまだ検討していませんが、新法1では、通常の歩行とほとんど変わらないようです。たとえば、通常の歩行で4,145歩の距離を、新法1の場合、4,121歩でした。
§ 理想的な歩行法
目標は、有酸素運動としての効率を高め、さらに“つまずき”の危険性をできるだけ低くした歩行法を考え出すことにあります。
提示した新法3は、写真では足の運びがやや強調し過ぎです。その歩法の趣旨は活かしながら、遊脚相の期間中、足の高さを路上の障害物を跨ぐに十分な高さに保つよう工夫を重ねるならば、目標は達成できるでしょう。足を挙げる適切な高さは、日常の散歩で経験を積み、体得していくことが“王道”と言えるでしょうか。
高齢化が進む中、 “脳を活性化し、認知能を高める” という面からの散歩の意義がよく話題に上がります。続いてその点を考えてみたいと思っています。
一方、高齢化が進む中で、歩行時に足先で物に“つまずく” ことが心配されています。足先を挙げる前脛骨筋が弱っていることも“つまずく”原因の一つでしょう。しかし先に触れたように、普通の歩き方では、前脛骨筋が十分に鍛えられているとは思われません。
そこで散歩を、有酸素運動としてだけでなく、物に“つまずく”機会を減らすことにより健康運動としての意義を高めることはできないか と思いを巡らしているところです。その第一歩として、前脛骨筋を意識的、かつ積極的に鍛えることを念頭に、二つの新歩行法を前回提示しました。
ただし、現在、新歩行法の実践者は、筆者のみである。読者も試行して頂き、それらの利点、欠点など聞かして頂けると有難く思います。以下、ご参考までに、両新歩行法について、筆者の体験から気のついた点を挙げます。
§ “つまずき”の可能性
通常の歩行で、遊脚相で足を運ぶ際、足底と地面との距離が意外と小さいことは、筆者自身驚きの発見であった。アスファルト舗装の平坦な道路であることに助けられて、ほとんど“つまずく”ことなく、無事に過ごすことができているようです。
前脛骨筋を鍛え、足の爪先が地面からできるだけ離れるような工夫が必要であろうことが痛感されます。
新法1でも、体軸の点に来るまでの遊脚相では、足の爪先が十分に上がっているとは言えないようです。しかし体軸を過ぎた後、爪先は踵着地まで高く保たれており、“つまずき”の機会を減らすであろうことは期待できます。
新法2は、全遊脚相を通じて、足部が地面から十分に離れており、“つまずき”を防ぐという点では最良の歩行法と言えます。
§ 有酸素運動として
歩行時に動員され、主として働く筋が多くなり、また積極的に動きが大きくなれば、仕事量が増えて、有酸素運動としての効果は大きくなる筈です。したがって、本項で提示した歩行法について言えば、「通常の歩行<新法1<新法2」の順に効果は大きくなることは想像されます。
新法1では、長距離を歩くと、下腿の前方に負荷が掛かっているとの感じがある意外、からだ全体として、さほど負荷が高まったということは感じられません。あとで触れるように、同距離を歩くに要する歩数は通常の歩行とほぼ同等でした。比較的容易に散歩を継続することができます。
新法2について、写真で示したような、足をかなり挙げる歩法では、軽いジョギングとほぼ同等のエネルギー消耗ではないかと考えられます。たとえば、真冬の早朝、寒冷の中でも、10分ほど歩行を継続すると、全身がかなり汗ばんできます。
ただし、新法2とジョギングでは明らかに違う点があります。軽いジョギングとは言え、踵着時の際、踵に対する衝撃はやはり大きい。しかし新法2では、さほど衝撃を感じません。その点、新法1で歩行の途中に、時に数分間新法3を差し挟んでいくことで、運動量を増やしていくことは有用と考えられます。
§ 姿勢との関連
散歩の際、合わせて“前かがみ”/“腰曲がり”の姿勢を矯正することも目標に掲げています。その点から見ると、新法1で問題はないようであるが、新法2は注意が必要と思われます。
新法1では、自然に上体を後方に反らそうとする力が働くようです。蹴り出した後、足先を直ちに前方へ前進させようとする“意図”があるためであろう。サッカーボールを蹴ろうとするとき、上体を後方に反らして、足を蹴り出す補助の力とすることと同じ理屈と考えてよいでしょうか。
一方、新法2では、蹴り出した直後に足を上に挙げる動作があり、その際に上体が“前かがみ”となる傾向が感じられます。特に、緩やかな傾斜とは言え、登りの続く箇所ではその傾向が強く、上体を直にする意識を強く持つ必要があるように思われます。
§ 歩行歩数
同じ距離を走破する歩数についてみれば、新法3については、いまだ検討していませんが、新法1では、通常の歩行とほとんど変わらないようです。たとえば、通常の歩行で4,145歩の距離を、新法1の場合、4,121歩でした。
§ 理想的な歩行法
目標は、有酸素運動としての効率を高め、さらに“つまずき”の危険性をできるだけ低くした歩行法を考え出すことにあります。
提示した新法3は、写真では足の運びがやや強調し過ぎです。その歩法の趣旨は活かしながら、遊脚相の期間中、足の高さを路上の障害物を跨ぐに十分な高さに保つよう工夫を重ねるならば、目標は達成できるでしょう。足を挙げる適切な高さは、日常の散歩で経験を積み、体得していくことが“王道”と言えるでしょうか。
高齢化が進む中、 “脳を活性化し、認知能を高める” という面からの散歩の意義がよく話題に上がります。続いてその点を考えてみたいと思っています。
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