新潟県知事選(6)
どうなる柏崎刈羽原発(2)
柏崎市と刈羽村にまたがる原発は、全7基が威容を誇って立ち並ぶ。
総出力で世界最大だ。
この原発が止まってから4年半が経つ。
JR柏崎商店街は、シャッターが下りたままの店が多い。
原発が再稼働しなければこの街はさびれてしまう。
「原発は30年もそこにある地場産業だ。今さらなくすわけにはいかない。
地元には、これまで国のエネルギー政策に貢献してきた自負もある」(原発関連の電気設備会社社長)
「泉田裕彦知事のように『福島第一原発事故の検証が先』なんて言っていたら、
20年は結論が出ない」(原発関連会社社長)
原発が立地する地方自治体は、危険手当と引き換えに膨大な交付金を受け取る。
だが、10年も経てば交付金は目に見えて少なくなり、
交付金によって建てられた公共施設の維持費すら捻出することが難しくなってくる。
だから、新たに原発を誘致することになり、原発銀座が誕生する。
かくして原発城下町では、原発の是非を問う話は歓迎されない。
誰がどんな形で原発と関係を持っているかわからないからだ。
今度の知事選でも、「再稼働争点」と言われているが、
候補者は原発の是非をはっきり打ち出すことができない。
再稼働に慎重な泉田知事の路線を継承する米山隆一候補は
「再稼働してまた事故を起こさないとは信じられない。
万一の時、安全に避難できるのか」と懸念するが、
原発反対を表明しているわけではない。
「自主投票」から一転、事実上の「推薦」扱いにした民進党は蓮舫代表が演説に駆けつける。
原発推進派の自公も党幹部を応援演説に派遣し、原発がらみの選挙戦に勝利を収めたい。
だが、忘れてはいないか。
メディアが実施するアンケートでは、いつも「原発反対」の意見が多い。
この結果と選挙の結果は一致しない場合が多い。
「選挙は再稼働イエスかノーかではなく、
原発無き後どのようにして街を活性化していくのか、
未来に向けてのビジョンを語らなければ、
厄介者の原発を排除する気持ちになれないのではないだろうか」
明日は、「投開票日」です。
あなたの1票が、「積小為大」となり大きな力になります。
あなたの1票を無駄にしないでください。 (2016.10.15記)
(昨日の風 今日の風№51)