ことの葉散歩道(3)
いくつもの顔
人はそれぞれに、それぞれの人に向きあう顔がある。 逆に言えば、一人に対して自分の全てを見せているわけではない。 しかし、向き合っている相手からしてみれば、自分に向けられている顔がその人の全てに見えてしまう。 だから、自分の知らない「思いも寄らない顔」を発見したとき、ショックを受けるのではないか。 「聞く力」-心をひらく35のヒント- より 阿川佐和子著 文春新書 2012年1月刊 |
映画の話であったり、音楽であったり、読書や食べ物や旅行などと、
話をする相手によって話題が変わります。
時によって、私たちはその場の雰囲気と成り行きで話の中身を変えることもあります。
同じように、私たちはいろいろの顔を持っています。
優しい顔、厳しい顔、明るい顔、人を引き付けるような雰囲気を持つ人、
その同じ人がとても悲しい雰囲気を漂わせる時もあります。
一人の人が持っている表情や雰囲気はいつも同じという訳にはいきません。
また、話す相手によっても違ってくることは、私たちの日常の経験から理解することができます。
「どうもあの人は、私に言うこととAに言うこが違うらしい」とか、
「私のことをほめていたが、Aにはけなしていたようだ」などと具体的な事例に触れて、
がっかりしたり、相手を信じられなくなり、気持が萎えてしまうこともあります。
人と人の関係で、相手を信じることはとても大切なことと思います。
人にはいくつもの顔がある。
しかも、人それぞれに価値観が異なり、好みもことなります。
自分に見せる顔と、他の人に見せる顔が異なっていても、
それは仕方のないことと気楽に考えられるようになれば、
人生は今よりもずっと楽しく、豊かに歩むことができます。
人それぞれが持っている「多様性」を認めることができれば、
人と人の関係も少なくとも今よりは穏やかになります。
「わが道を行く」。
なかなか難しい生き方ですが、そんな生き方できればいいですね。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます