雨あがりのペイブメント

雨あがりのペイブメントに映る景色が好きです。四季折々に感じたことを、ジャンルにとらわれずに記録します。

映画「さまよう刃」を観て④-② 誰が撃った銃声だったのか

2010-10-08 19:42:28 | 映画
 銃声一発
 誰が撃った銃声だったのか。

 ①長峰が少年犯を仕留めた銃声だったのか。
  復讐の鬼と化し、再び殺人の罪を犯す長峰。
  心情的にはこうした長峰の行動には、
  観客はどこかでついていけないものを感じる。
  それはおそらく、長峰にこれ以上の罪を負わせたくないという観客の
  切ない願いなのかもしれない。
  そして、この結末は警察の敗北に繋がっていく。

 ②若い刑事織部が長峰を撃ったのか。
  愛娘を殺された長峰に同情的であり、
  法の矛盾と冷たさを感じていた織部だったが、
  法を尊守する刑事としての苦渋の選択が長峰に向かって
  引き金を引かせたのか。
  織部の意識の変化は、彼自身の成長ととらえることができる。

 ③場面中央寄りに両手を下げて、
  不動の姿勢をとっている真野刑事の拳銃が火を噴いたのか。
  (映画「さまよう刃」を観て④-②の写真参照)
  長峰に同情すべき点はあるが、法は法。
  冷静沈着な真野の拳銃が長峰を撃ったのか。
  プロとしてのベテラン刑事真野の仕事ととらえることができる。

  ①~③のどれをとっても、観客を納得させる合理性がある。
  さて、あなたは①~③のどれを結末としますか。
  結末は哀れであり、観客にこれでいいのかと、問題提起をする。

  写真は原作本(角川文庫)。原作も奥が深く、面白い。
                         
                          (つづく)
        
       (友人・知人へのはがきをブロクように編集して記載しました)
  


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 映画「13人の刺客」を観て ... | トップ | 桜田門外の変(1) »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

映画」カテゴリの最新記事