原発交付金
「電源三法交付金」に基づく多額の交付金の見返りに原発を建設する仕組みが、財政の乏しい市町村の地方自治体にとっては大きな魅力になっている。
経済産業省資源エネルギー庁が原子力発電所の立地にともなう財源効果を試算したモデルケースがある(2004年作成)。
出力135万kw(この出力を福島第一原発にあてはめてみると2号機と3号機を合わせた出力に近い出力である)の原子力発電所を誘致した場合、いったいどのくらいの交付金等が地方自治体に支払われるのか。内訳の詳細は紙面の都合で割愛し、概略で説明すると次のようになる。
環境影響評価開始の翌年から運転開始までの10年間で約391億円。運転開始の翌年から10年(通産20年目)間で502億円の「電源三法交付金」の交付である。実に893億円の交付金が転がり込んでくる。この893億円の大雑把な内訳は、電源立地地域対策交付金が545億円、固定資産税348億円である。
過疎に悩む自治体にとって、20年間で総額893億円の電源立地地域対策交付金と固定資産税は大きな魅力であり、原子力発電所の立地が推進されるゆえんである。
しかし、この仕組みには大きな落とし穴があり、原子力発電所を誘致した市町村地方自治体の苦悩が露呈することになる。
(つづく)
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