雨あがりのペイブメント

雨あがりのペイブメントに映る景色が好きです。四季折々に感じたことを、ジャンルにとらわれずに記録します。

旅の途中№2 土湯峠・高見楢吉歌碑

2010-09-23 09:17:42 | 旅の途中(文学の散歩道)
  福島県磐梯吾妻スカイラインの入り口に高湯温泉はある。 
 全部で7~8軒ある温泉宿の旅館・玉子湯の露天風呂に入る。
 白濁湯の硫黄の匂いが強い露天風呂は、渓流に沿ってあり野趣満点である。
 硫黄の匂い=ゆでたまごの匂い、が旅館の名前の由来なのだろう。
 
  ゆっくり湯につかり、体の心地よい火照りが冷めないうちに
 ふたたび上りこう配の道を走るとすぐに、磐梯吾妻スカイラインの料金所に着く。
 やがて、左に荒涼とした浄土平らの噴煙を眺め、右手には標高1707mの吾妻小富士を
 眺めながらの快適なドライブ。

  車窓に展開する高原の景色を眺め、車を走らすうちに土湯料金所が見えてくる。
 そこが、平均標高1350mの「日本の道100選」のスカイラインの終点である。

  ここに高見楢吉の高さ2mの歌碑が台座の上に聳え立っている。

    土湯峠の視野の涯にて
       碧々し(あおあおし)
         桧原小野川秋元の水

          この土湯峠に立ってはるか下界の涯
         碧く(あおく)かすむ景色の中に
         桧原湖、小野川湖、秋元湖の湖水が
         白く光っているのが見える。

          「視野の涯」と詠んだことがこの歌のスケールを
          大きなものにしている。

          雑草におおわれ、
         人々に忘れられたような歌碑の前のススキが
         初秋の訪れた土湯峠の風に、ゆらゆらゆらいで
         旅の疲れを忘れさせてくれた。
                          (2010.9.19) 



















  

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