安全神話」
「絶対に安全」といわれてきた原発が今、巨大なモンスターとなって、
私たちが築いてきた「安全で快適で便利な豊かな社会」を根底から覆そうとしている。
豊富で安定的に供給される電力こそが、「豊かな社会」の条件だったことを、
私たちは今思い知らされている。
1979年・スリーマイル島原発事故(レベル5)
1986年・チェルノブイリ原発事故(レベル7)
2011年・福島第一原発事故(レベル5・暫定評価レベル)
( ※4/12震災発生から1か月で、事故評価レベルは「レベル7」に変更された)
次に原発事故を起こすのは、原子炉保有数の多いフランスか日本だろうと、
26年前に広瀬 隆氏はその著書「東京に原発を!」の中で指摘している。
そして、今、その籤(くじ)を引いてしまったのは日本である。
未曾有の地震が起こらなかったら、あの大津波さえなかったなら……、
という過程の話は、安全管理や危機管理には、無用の話である。
「豊かな社会」に貢献する原子力発電であるけれど、
正義の味方をモンスターにしてしまったのも、まぎれもない人間なのだ。
人間の心に潜む「慢心」が、
尊い命や文化を根こそぎ飲み込み、
破壊してしまった今、
原発の安全性を謙虚に再構築しなければならないだろう。
※ 「東京に原発を!」 広瀬 隆著 1981年JICC出版局発行され、1986年に集英社文庫として発刊・ノンフィクション。内容案内(文庫裏表紙より)→『そんなに安全で便利だというのなら東京に作ればいいじゃないか。新宿西口に建ててみたらどうだ! 過疎の浜の人は死んでも仕方ないというのか』。 チェリノブイり事故で一層はっきりした原発の危険を(執筆当時の)最新データを駆使くして説く衝撃のテキスト。人類の安全と代替エネルギーの根本問題を、豊富なイラスト、写真を元に解説。
(つづく)
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