陸前高田の奇跡の松 (年の初めに思うこと)
3.11。
木々がざわめく雑木林の中にいた。
遠い地鳴りとともに舞い上がる土煙、揺れる大地。
あの日のこと、今も鮮明に蘇ってくる。
海が盛り上がり、防潮堤を乗り越え、牙をむいて襲いかかってきた。
町を破壊し、生きる力さえ奪い去っていった。
八万本の松林を根こそぎ押し倒し、
神はたった一本の松を瓦礫の中に残してくれた。
全てを奪った代償にしては、
あまりにも失うものが大きすぎた。
そして、願いも虚しく奇跡の松は枯れた。
苛酷な人生を強いることができても、
生き残った人々の心まで奪うことはできない。
奇跡の松は枯れてしまったが、
人間の心は決して枯れることはない。
あの日の光景を忘れることはできないが、
立ち直っていく人間の希望に託す力を信じたい。
「おめでとう」とはいえないが、
人間の「立ち直り元年」の年と祈念したい。
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