雨あがりのペイブメント

雨あがりのペイブメントに映る景色が好きです。四季折々に感じたことを、ジャンルにとらわれずに記録します。

パラリンピック⑤ 忘れ得ぬ選手たち②

2021-11-09 06:30:00 | 昨日の風 今日の風

パラリンピック⑤ 忘れ得ぬ選手たち②
     スメエ・ボヤジ(18歳
)  競泳  トルコ

(写真・朝日新聞)
イルカのように泳ぐ
  2003年トルコに生まれた。
  生まれつき両腕がなく、股関節が脱臼していた。
  推測で申し訳ないが、おそらくこの状態がボヤジにとって普通の状態なのだろう。
  両腕がないことをコンプレックスにしなかったボヤジの積極性が
  今日のボヤジを作って来たのだろう。
  そのために必要だった天性の明るさと、
  好奇心の旺盛さが今のボヤジを形作ったのだろう。
  おそらく両親のバックアップもあったのでしょう。

五歳のころ、水族館で魚を見て泳ぐことに興味を抱いた。
魚は腕がないのに泳げて、すごいと思った。

  母親に背中を押され、リハビリを兼ねての水泳を始め、以来はまっているという。

  そして、2020東京パラリンピック
  8月25日、200㍍自由形で7位を獲得。
  続く26日、競泳女子100㍍自由形(運動機能障害S5)予選。
  イルカのように体を動かしながら水の中を進んで行く。
  水泳というよりも、
  人魚が力強く泳ぐようにボヤジは、
  水の中で肢体を流線形つくり若鮎のように水に乗る。
  全力で泳ぐボヤジ。
  しかし、勝負は勝負だ。技術を伴った力と力のせめぎ合いだ。
  予選落ち。

  水泳だけではない、ボヤジの興味の範囲は可能性を求めて、
  足を使って料理を作り、糸と針で服を縫うことも出来る。
  もちろんミシンを使うことも出来る。
  水彩画の技法で絵の具を水に浮かべて模様を作る『墨流し』は、
  個展を開くほどの腕前。

 できないことなんてない。私たちができることを、その力を見せつけてやろう

 次のパラリンピックに向けて、ボヤジは果敢に挑戦を続ける。
 ボヤジにとって、『生きること』そのものが挑戦なのだから。
  (昨日の風 今日の風№126)     (2021.11.8記)

 

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